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影と誓いの冠  作者:


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2/20

辺境の子

「はじめに光ありき、光は世界を定義した。光の触れないものは、存在しない」

——『光の書』第一節


王都は、うるさかった。

それが最初の感想だった。もっと別の何かを感じるべきだったかもしれない。感動とか、畏れとか、十六年間ずっと地図の上の名前でしかなかった場所についに立ったという実感とか。だが馬車が城門をくぐった瞬間に俺の頭に入ってきたのは音だけだった。石畳を叩く蹄の音、怒鳴り合う行商人の声、どこかの鐘が七時を告げる音、その全部が重なって意味のない塊になった。

馬車には六人いた。みんな試験を受けに来た連中だろうと見当はついた。装備の質と目の色で大体分かる。金のかかった剣を持って退屈そうにしているのが二人——片方は背が高く、もう片方は肩幅が広かった。膝の上で手を組んで目を閉じているのが一人。窓の外を見ているのが一人。荷物を膝に抱えて膝を揺らし続けているのが一人。最後の一人は赤みがかった茶色の髪をした大柄な男で、さっきから俺の方をちらちら見ていた。

視線が来るたびに俺は窓に向き直った。

王都の通りは広かった。辺境の村の目抜き通りの三倍はある。石造りの建物が左右に並んで、騎士団の旗が風に揺れていた。白地に青い剣。試験の時期だからか旗の数が普通より多い気がした。比較する基準はなかったが。

父さんはここに来たことがあったのだろうか。

考えないようにしていた考えが浮かんだ。来たことがあるどころじゃない、と頭の別の部分が答えた。父さんはもっと遠くから来ていた。学術国家エルスタから。なぜ来たのかは分からない。なぜ辺境の村で一生を終えることにしたのかも。本棚に残された、題名のない本の意味も。

馬車が止まった。

受付の建物は試験会場の正門を入ってすぐにあった。

中に入ると、すでに百人近くが列を作っていた。思ったより多い。思ったより若い顔も多い。俺より一つか二つ下に見える顔がいくつかあった。列の端の方に、明らかに装備が場違いな男がいた——革鎧が新品すぎて、昨日買ったのだと分かった。その隣に、手慣れた様子で体を解している小柄な女がいた。背が低く、目が鋭い。視線を向けると彼女は一度だけこちらを値踏みして、それから前を向いた。

列に並んだ。前の男の背中を見ながら少しずつ進んだ。

前の男が緊張で肩を上げているのが分かった。右手がずっと剣の柄に触れていた。確認するように何度も。俺も緊張していた。ただ肩には出なかった。父さんに昔言われたことがある。お前は感情が顔に出ない、と。褒めているのか心配しているのか、最後まで分からなかった。

「辺境か」

声をかけてきたのは、馬車で俺を見ていた赤毛の大男だった。近くで見ると思ったより若い。俺と同じくらいか、一つ上くらいか。

「靴で分かる」と彼は言った。「王都の石畳に慣れてない歩き方をしてる」

俺は自分の足元を見た。確かに、周りの連中より少し足幅が広い気がした。土の道を歩き慣れているせいだろう。

「ラーシュ・テイン」と彼は言った。右手を差し出してきた。「南の農村出身。父親が元騎士で、ずっとここに来たかった」

握手に一拍、間があいた。俺の癖だ。

「ケイル・ヴォルン。辺境」

「ヴォルン村のヴォルンか」

「父親がつけた」

ラーシュは少し笑った。口の端だけの笑い方で、それ以上聞いてこなかった。押しつけがましくない聞き方だった。それだけで、この人間は悪くないと思った。

列が動いた。俺たちも動いた。

前の男——肩を上げていた男——が受付で何か言われて固まった。書類の不備らしかった。係の人間が丁寧に説明しているのに、男の肩がさらに上がった。受付を終えて列を離れるとき、男は誰とも目を合わせなかった。俺はその背中を一秒だけ見て、前を向いた。名前も知らなかった。

一日目は筆記だった。

四百人以上が横に長い机に並んで、窓から朝の光が差し込んでいた。俺は割り当てられた席に座って周りをざっと見渡した。隣は細面の男で、ペンを三本机に並べていた。前は肩の広い女で、背筋が真っ直ぐだった。斜め後ろに、さっきの新品の革鎧の男がいた。鎧は脱いでいたが、椅子の上で何度も座り直していた。落ち着かない、ではなく、落ち着かせる場所を探しているような動き方だった。

三時間、羊皮紙に向かい続けた。歴史、法律、地理、魔法の理論。最後の大問は倫理だった。「騎士は命令と良心が相反したとき、いずれを優先すべきか、理由とともに述べよ」。俺は少し考えてから、命令と書いた。それが正解だと思ったわけではない。ただ、良心と書いた人間が何人採用されるかを考えた。

退出するとラーシュが入口の柱に背を預けて待っていた。

「倫理の最後、どう書いた」と彼は聞いた。

「命令」

「俺も命令にした」とラーシュは言った。少し間を置いてから。「でも本当は良心だと思っている」

「俺も」

彼はまた黙った。それから声に出さずに笑った。「お前、正直だな」と言った。俺には意味が分からなかったが、悪い意味ではないらしかった。

その夜、宿舎に戻ると新品の革鎧の男の荷物がなくなっていた。筆記で落ちたのだろう。一度も話していなかった。ただ、その空白が少しだけ気になった。名前も知らなかった。

二日目は体術審査だった。

朝、会場への廊下で人数が減っているのが分かった。昨日は肩が触れそうな密度だったのに、今日は少し空いている。落ちた人間の分だ。その空白は音もなくそこにあった。

走る、跳ぶ、組み合う。審査官が見ているのは技術より耐久力だと途中で気づいた。辺境育ちには有利な審査だった。王都育ちの連中は体ができていても、土台の粗さが出る局面がある。俺はそれを狙って動いた。狙っていたというより、自然にそうなった。相手が疲れてくると、次に崩れる場所が見えてくる気がした。いつからそういう見方をしていたのか、自分でも分からない。

審査の合間に、最初に列で見た小柄な女が隣に来た。「オルヴェン出身か」と彼女は言った。俺の足元ではなく、顔を見て言った。

「そうだ」

「同じだ」と彼女は言った。「ナイ・ソレン。ヴォルン村の南の集落」

「ケイル・ヴォルン」

「知っている。受付で聞こえた」

それだけだった。彼女は審査に戻った。俺も戻った。同郷に近い人間がいると知った。それで十分だった。

午後の組み合いで、馬車で退屈そうにしていた背の高い男と当たった。構えが綺麗だった。型を叩き込まれた人間の動きだ。三合目で俺は踏み込んで剣先を下から跳ね上げた。木剣が相手の手から離れた。男は一秒だけ俺を見た。何か言いたそうだったが、言わなかった。旗が上がって、男は列に戻った。

その夜、廊下で男とすれ違った。目が合った。男は頷いた。俺も頷いた。名前はまだ知らなかった。

三日目は模擬戦だった。

会場に来た人数は初日の半分以下になっていた。百八十人ほど。残っている顔には三日間を生き延びた人間の空気があった。緊張ではなく、集中。顔つきが変わっていた。

俺の最初の相手は細面の男——筆記でペンを三本並べていた男だった。剣の構えが整っていた。丁寧に育てられた技術だ。型を外れたときに一瞬止まる。俺はその一瞬を待って踏み込んだ。

二戦目は名前も知らない背の高い男だった。力が強く、押し込んでくる戦い方をした。三合耐えて、重心がぶれた瞬間に外側へ回った。

三戦目でラーシュと当たった。

向かい合ったとき、ラーシュは笑っていた。さっきまでの対戦とは違う、本気で楽しそうな顔だった。

やりにくい、と俺は思った。口には出さなかった。

ラーシュの構えは正統派だった。重心が低く、足幅が適切で、剣の角度に無駄がない。型として美しい構えだ。ただ、美しい構えには癖がある。最初の一合で距離を測り、二合目で重心の移し方を確認した。ラーシュは踏み込む前に右肩が数ミリ下がる。無意識の予備動作だ。

三合目、彼が踏み込んだ瞬間に俺は横へずれた。剣が空を切った。体勢が崩れた一瞬、俺は剣の腹でラーシュの手首を押さえた。力ではなく角度で。木剣が落ちた。

旗が上がった。

ラーシュはしばらく自分の手首を見ていた。それから俺を見た。「なんで負けたか分からん」と言った。怒っていなかった。本当に分からなそうだった。

「踏み込む前に、右肩が下がる」と俺は言った。

ラーシュは右肩に手を当てた。「そうか」と言った。少し間を置いて「ありがとう」と言った。

負かした相手に礼を言う人間を、俺は初めて見た。

結果が張り出されたのは夕方だった。

五十八人。四百人以上から、五十八人。

俺は合格していた。ラーシュも合格していた。ナイも合格していた。馬車で退屈そうにしていた男——デイン・カルヴォと名前が出ていた——も合格していた。ペンを三本並べていた男の名前は出ていなかった。背の低い鋭い目の女の名前はあった。背が高く力の強かった名前を知らない男は、出ていなかった。

俺は掲示板をもう一度見た。

三日間、同じ空間にいた人間たちが、この紙一枚で分かれていた。出ている名前と、出ていない名前。出ていない人間のほとんどは、俺には名前が分からなかった。顔は覚えている。廊下で目が合った男。審査の合間に水を飲んでいた女。筆記の最中にペンを落として拾った男。全員、名前を知らないまま、ここにいなくなっていた。

それがどういうことなのか、うまく言葉にできなかった。悲しいとは少し違う。ただ、何かが残った。重さのない何かが。

「同じ寮になれるといいな」とラーシュが言った。俺は頷いた。

掲示板から少し離れた場所に、亜麻色の髪の女が立っていた。受験者ではない。品のいい外套。書類を持っていない。合格者の名前を上から順番に目で追っていた。

俺の名前のところで、一瞬止まった。

視線が動いた。掲示板から離れて、俺の方を向いた。足元を一秒見た。靴を見た。それだけで前を向いて、歩き去った。

こちらを見た、というより、こちらを確認した、という感じだった。情報として処理した。それで終わった。

何も感じなかった、と言えば嘘になる。ただ、何を感じたのかを名前にできなかった。

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