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「神と悪魔とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第26巻)  作者: サナダムシオ


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⑤ 帰り道からの

「成る程。同じ理由で、私たち"アヌンナキ"も神ですものね?」

 若き カグヤ・イシュタルが、相槌を打った。


「……つまり、そういう事実から察するに、神や悪魔などと、ニンゲンに呼ばれている当事者どうしは、"必ずしも敵対関係に有るとは限らない"、って事になりませんか?」

 成雪が呟くようにそう言った。


「……ああ、確かに!」

 カグヤも気がついたようだ。

 それに対して、サン・ジェルマンは……黙っていた。


 やがて黒いビートルは、照和の時間軸の、真田研究所内にある、中庭に到着した。

「お疲れ様。着きましたよ。」

 伯爵が運転席を前に倒して、さり気なく、後席のカグヤをエスコートする。


「ありがとうございます。」

 レディとしての扱いに、お礼を言うカグヤ。

「……ああ、そうそう、お二人とも。」

 帰り際に、思い出したように、サン・ジェルマンが言った。


「せっかく私の、ポータブルタイムマシンを貸してあるのですから、今後はお二人だけで、"照和"の時間軸内の、歴史探索をしてみては如何ですか?」


「えっ、いいんですか?」

 思わず成雪が訊き返す。

「今日見たところ、キミも、自分のチカラを使いこなせているようてす。カグヤさんが一緒なら……多分、大丈夫でしょう。」


「ありがとうございます。」

 カグヤと成雪が、ユニゾンでお礼の言葉を述べた。


「他ならぬこの私が、正式に許可しましょう。サン・ジェルマンの名の元にね?」

 伯爵がニヤリと笑いながら、冗談めいた感じでそう言った。


「……それ、ご自身でも言うんですね?」

 カグヤが笑った。


「じゃあ、私はコレにて。お二人とも、お元気で。」

 伯爵はそう言うと、クルマに乗り込み、すぐに垂直上昇して消えてしまった。


 二人は部屋に戻ると、食事を摂り、シャワーを浴びて一息ついた。


 カグヤが、バスタオルを巻いて、浴室から出ると、先にシャワーを済ませた成雪が、早速、歴史の資料とにらめっこして、次の予定を検討していた。


「あら、熱心なのね?」

 髪を拭きながら声を掛けるカグヤ。

「世界には、不思議な事がこんなに有るのに、どうして一般のニンゲンたちは、調べようとしないんでしょう?」

 成雪が疑問を投げ掛ける。


「みんな、日々の生活に忙しいのよ。だから、過ぎ去った歴史の謎になんか、構っていられないのね。」

 カグヤが、そんな見解を述べる。


「……それに、誰もがみんなタイムマシンを持っている訳ではないしね?」

「ああ、確かに。そりゃあ、そうか。」

 成雪は、今更ながらに、その事実に思い当たって、

笑ったのだった。


挿絵(By みてみん)

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