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「神と悪魔とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第26巻)  作者: サナダムシオ


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④ それから

「……解りました。でしたら……。」

 セト神の成雪はそう言うと、両手で二つの遺体に触れ、それらを同時に、組成分解して、チリにしてしまったのだった。


 そして、やりたい事を、やり終えたからだろうか?成雪はその後すぐに、元の姿に戻ったのである。


「これからもこんな感じに、自由自在にチカラが使えると、便利なんですけどね?」

 ニンゲンの姿の成雪は、苦笑しながらそんな事を言う。


「確かに神様のチカラだし、頼り甲斐も有るけど、私は、コッチの可愛い成雪の方が……好きだけどなあ。」

 カグヤがボソリと呟いた。


「えっ、今、なんて?」

「な、何でも無いわよ。それに同じ事を二度も言うのは、時間の無駄よ。」 

 何故か真っ赤な顔で、カグヤがそう言った。


「ところで伯爵!」

 少しばかりムキになって、話を逸らすカグヤ。

「なんですか?カグヤさん。」

 穏やかに答えるサン・ジェルマン。


「アナタは何故か、やけに四次元人や、五次元人の実態というか……生態というのかしら?……に、詳しいじゃない?どうしてかしら。何だかアヤシイわ。」


「ああ、それでしたら、実は、他のサン・ジェルマンたちから聞いたままの、受け売りなんですよ。」

「……へえ、そうなのね。」

「何しろ、全員私ですから、探究心も好奇心も、旺盛なのですよ。」


「成る程。だから僕たちの中に、ウチなる神が宿っているなんて、雪村さんから聞いた時も、それ程驚かれ無かったんですね?」

 そう言ったのは、成雪だった。彼も少なからず、伯爵の反応を、不思議に感じていたようだった。


「……そういう事です。さて、ここで長居するのも、リスクが有ります。そろそろ帰りましょうか?」

 サン・ジェルマンは二人を促し、クルマへと戻った。


 帰りの道すがら、運転席の伯爵が語る。

「よくよく考えてみれば、神と悪魔の違いなんて、我々ニンゲンが、勝手に差別化しているだけの事なのかもしれませんね。」


「……つまり、それは?」

 成雪が、続きを待つ。


「四次元や五次元から、我々の三次元の世界にやって来るのは、通常はアッチの世界で、修行が足りないと判定され、記憶を消されて送り込まれた者と、相場が決まっているのですよ。」

「へえ、そうなんですね?」

 そこは素直に納得する成雪。


「それなのに、アッチの記憶を持ったまま、敢えて自らの意志で、好き好んでコチラに降りて来る者の内、ニンゲンに都合の良い事をしてくれる者が神、ニンゲンにとって不都合な事をする者を悪魔と、我々が勝手に呼んでいるって事ですよ。」



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