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「神と悪魔とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第26巻)  作者: サナダムシオ


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3/3

③ 神による決着

「今日まで約一年間、アメリカ全土の、数々の事故現場から、かなりのニンゲンのカラダを盗んで来たのでしょう?」

 サンジェルマンが、重ねて尋ねる。


『その件も、ノーコメントだ。』

 バケモノは同じ答え方をした。


「例えその場で息を引き取っていても、皆さん、行方不明者扱いになります。遺された家族は、さぞやご心配な事でしょうね?」


『オレの知ったことか!』

 モスマンは、吐き捨てるようにそう言った。


 この最後の一言で、カグヤのハラは決まった。彼女は背中に隠し持っていたオリハルコンの剣を抜くと、躊躇い無く、そのバケモノに斬りかかった。

「悪魔め!この時空から去りなさい!」


 しかし彼女の剣は、モスマンのカラダを薙ぎ払う事が出来なかった。何故ならソイツは、素早く固い翼を閉じて、その中に身を潜めたからだ。


 キン!という金属音とともに、若きアヌンナキの剣は、跳ね返されてしまった。

 それとほぼ同時に、モスマンは翼をパッと全開にして、目の前のカグヤを突き飛ばした。 


 ゴロゴロと草むらを転がるカグヤ。

『……じゃあな。』

 それを尻目に、そのまま飛び去ろうとする、巨大な蛾男だったが……それは出来なかった。


 何故なら、その両方の足首を、ガッチリと掴んでいる者が居たからだ。

 ソレは成雪だった……いや、姿が変化している。上に、細く伸びた耳、長く、少し前に垂れた鼻。そう。彼はいつの間にか、セト神に変身していたのだ。


「カグヤを傷つける者は……許さない!」

 彼は、モスマンの足を握った両手に、チカラを込めた。


 すると、以前、地下世界でヤッたのと同じように、バケモノのカラダは、見る見る細かく分解され、分子から原子に変わり、やがてチリのようにになって、その場から消え去ってしまったのだ。


 その後にはまた、黒くモヤモヤしたモノが残り、やがてソレも、空高く飛んで行ったのだった。


「カグヤ、大丈夫かい?」

 セト神の姿の成雪に、助け起こされたカグヤは、不安そうな顔で答える。

「ありがとう……ねえアナタ、今、どっちなの?」


「有り難い事に、意識はボクのままですよ。どうやらセト神は、必要に迫られた時には、チカラを貸してくれるようです。」

「……そう。なら、いいんだけど。」


「ところで、伯爵。」

「何ですか?セト神の成雪君。」

「ここに遺された二人のご遺体は、どうします?」


「確か、先程の事件では、行方不明者2名という記録が、残されているはずです。ですから、今さらソレを事故現場に戻しても、史実と食い違いが出てしまうでしょうね。」


挿絵(By みてみん)



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