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「神と悪魔とサン・ジェルマン」(セーラー服と雪女 第26巻)  作者: サナダムシオ


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㉓ 技術供与

 その後は、サン・ジェルマンと鷹志に、フルカネルリ卿から、ブラックナイト備え付けの、レーザー砲やレイルガンについて、簡単なレクチャーが施された。勿論それは、二人にとって、充分に再現可能な技術供与となった。


 ブラックナイトには、地上の様子を見守るのと同時に、外部からの敵を迎え撃つ役割が有るのだと言う。

 そしてどうやら、彼の手持ちの人工衛星は、コレだけではないらしい。


「ステルス衛星が、あと11基あるんだ。つまりコイツを含めて合計12基。縁起のイイ数字だろう?」

 フルカネルリ卿はそう言うと、伯爵にウインクして見せた。何もかもお見通しという訳だ。


「実を言うと、このブラックナイトは、私の露悪趣味の現れなんだ……自己顕示欲とも言うがね?本命は、地上の誰にも捕捉されない、ステルス衛星の方だからね。」 

 彼はそう言うと、ドヤ顔をした。


「……それにこの衛星を仮想敵にする事で、地上の各国が争いをやめて、団結してくれるなら、願ったり叶ったりなのだよ。」

 余程気分がイイのだろう。

 今日の彼は、何時にも増して、饒舌である。


「もしも、地球外部から敵が来て、私が撃ち漏らした時は、頼りにしているよ?」

 彼は最後にそう言うと、伯爵と鷹志の乗った黒いビートルを送り出した。


 帰路の道中、助手席の鷹志が呟いた。

「フルカネルリ卿……凄い人でしたね?」

「そうだね。彼は最早、ニンゲンの人智を超えた存在に、成りつつ有るようでした。」

 サン・ジェルマンも同意する。


「でも、ボクたちの敵じゃ無さそうで、良かったです。」

「……本当にそうだと、良いのですが。」

「えっ?だって、あんな超科学兵器の原理まで、教えてくれたのに……。」


「もしも彼が、ホンモノのマッドサイエンティストで、今後の地球環境を憂えるならば、地球の平和のために、人類を滅ぼす事も、あり得ますからね?……かく言うこの私も、少し前までは、そんな事を考えていましたから。」


「ええっ!そうなんですか?」

「何を大袈裟に驚いているのですか。鷹志君だって、一度はその可能性を、検討した事くらい有るでしょう?」


 ソレは、図星だった。

 だが、鷹志自身もニンゲンである限り、その選択肢を、無意識に避けて来たのである。


(ユリちゃんが、人類と他の生き物や地球環境との、橋渡しのカギだ。ボクは、その可能性に賭けてみたい。そのために必要な研究なら、どんどん進めて行きたい。)

 いつしか今の鷹志は、そう考えるように成っていたのである。


挿絵(By みてみん)

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