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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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86/163

文字化けの

 途端に視界が開けた。

 だが、それは黒に白い線が走った世界。

 無機質で、マス状に標された世界に柱や壁が白い線で示されている。


 その中に幾つもの色の炎が浮かんでいた。


 赤や青、黄色に緑と鮮やかな炎が白い線で輪郭をなぞったモノの中で揺らめいている。


 中でも青と赤、金色の光が入り交じった大きな炎が赤い人型をした炎に襲い掛かろうとしていた。


 即座に理解した。

 あれは、アスティベラードとガブリエリスだ。


 体が勝手に動く。


 勝手に展開された複数のスキルが瞬く間に身体能力を底上げした。

 【攻撃力増大】【動作加速】【効果増大】【  絮 n】【 轣ォ縺ョ魑・】

 文字化けしたスキルが頭に痛みと共に表示され、指先から滑り出て、弦から放たれた矢が白く白く発光し。


『ギャアアアアアア!!!!』


 矢はガブリエリスの腕を容易に消し飛ばした。


 なんだ?なんのスキルだあれ?

 ガブリエリスらしきものがのたうちながら腕を押さえている。

 消滅したらしい箇所が赤く発光していた。


「!」


 その時に頭部で光輝くものを見つけた。

 炎ではない。

 光の点だ。


「しっ!」


 その光に向けて矢を射つ。

 通常状態での矢だったが、こめかみに深く突き刺さり、ガブリエリスが今までで一番の悲鳴を上げた。


 今までの反応からすると、弱点は『目』か。


 脳内に激しいノイズがちらつきつつ、とあるものが浮かび上がる。


──ザザ、ザー──く得、新スキr κΑ獲、緘くしまSタ。

 新スキr『千里眼/s・眼』。


 頭が物凄く痛い。

 けど…!


 続け様に射つガブリエリスが何とかして狙いを逸らそうと尻尾を盾にする。

 だが、尻尾にも矢が突き刺さり、青色だった炎が赤く変化して崩れていく。


『あ"ぁあ"はあ"あああああああぁぁあああ』


 体制を崩したガブリエリスに追撃を掛けるが、苦し紛れに大量のゴーストを呼び足した。

 視界が青に包まれていく。


 それらを【雨状放射】で屠っていく。

 その時に見えたものがある。


「!」


 ガブリエリスの後ろで、ジルハらしきものがドルチェットと協力して誰かを引きずっていた。


 ガブリエリスはそれに気付いていない。


 目に向かって火焔属性付与の矢を放つ。


『ぐぎゃっ!!』


 思わず舌打ち。

 やっぱり簡単には射らして貰えないか。


 でもこれでこちらに注意を向けさせる事ができる。


 二発、三発と射ち込んでいき、ガブリエリスが堪らず叫んだ。


『お、お前!!呪いで見えなくなっているハズだろう!!?一体何をした!!』


 ん?俺の呪いが視力の喪失ってのを知ってる??

 ということはこの呪いの原因あいつか。


「は!残念でしたぁ!全部見えてますぅー!!」


 変な風景だけど、標的と地形が分かれば問題なく戦える。


 煽りながらも射った矢を確認した。

 ガードしていた尻尾にも矢がちゃんと刺さっている。

 角度が悪くてもだ。

 何で急に効果が現れ始めたのか解らないけれど、これならイケる。


「こっちだウスノロ!!」


 幸いにもノクターンの札のお陰かある程度の距離で止まっているゴースト達の壁が薄いところに目星をつけ、【弓矢生成】で矢を二本作成。

 そしてすぐに【弓矢改造】で属性を付与した。


 ひとつは【土砂属性付与】、もうひとつは【旋風属性付与】。

 同時につがえて射ち放つ。


 飛んでいる二本が途中でぶつかり、ガブリエリスの目の前で砂嵐が発生した。


 思わず目を閉じたその瞬間に火焔属性の矢が眉間に突き刺さる。


 その隙にと回復魔法具をくくりつけた矢をジルハの前方へと射った。

 これでガブリエリスに勘付かれずに仲間を戦線復帰させてくれるだろう。


『ーーーーーーーーー!!!!』


 動物のような雄叫びをあげながらガブリエリスが突進してきた。


 先程までの攻撃とは打って変わって怒りに任せた攻撃は大降りで回避するのは容易い。

 というか、体の痛みはまだあるものの、信じられないほど軽やかに体が動いた。


「!」


 宙返りしつつ攻撃を回避していると、泉の中に光る点を見つけた。


 よく見てみると光る点から青い炎、ゴーストが吐き出されていた。


 あれもしかしてゴーストを生み出す核か?


 即座に核を矢で破壊した。

 すると淡く光っていた泉の光が消え、青い炎が出てこなくなった。

 ビンゴ。


「朝陽!!」

「!!」


 大きな光がやって来た。

 確認しなくてもわかる、功太だ。


 頭の部分に影が薄く掛かっているが、おそらくこれが功太の呪いなのだろう。


 ガブリエリスが功太と俺に向かって尻尾で攻撃を仕掛けたが、功太が振り返り様に光の刃を飛ばす。

 光の刃が尻尾を焼いてのたうち回るガブリエリス。


「功太、目だ。あいつ目だけは守ろうと必死になる。それに…」


 ガブリエリスの目に意識を集中させた。


「あの目の中に核のような強い光がある。前回のナーマスダルフォンと同じだ」


 あの時はその核を破壊した。

 今回も同じだろう。


 唸り声を上げながらこちらを睨み付けてくるガブリエリスを光太が見る。

 ガブリエリスはもはやベースが人間よりも獣に近いのだろう。痛いほど殺気が叩き付けられる。


「………わかった。どうすればいい?」

「おそらくあれは俺の矢では破壊できない」

「なんでだ。お前のがレベルも攻撃力もあるだろう」

「光の属性がないからな。どんなに魔力を注いでもお前のように確実にダメージを与えられない」


 額やこめかみに刺さっていた矢も砕けていた。

 恐らく傷もないだろう。


「属性の相性ってやつあるだろ?多分それだ」

「………」


 光の属性は得ようと思っても得られるものではない。

 運営からランダムのギフトで手に入る。

 俺は残念ながらギフトに光属性は無かった。


 ふーっふーっと息を荒くしながらガブリエリスが再び目に魔力を溜め始めた。


「また目を光らせる気か。功太、あいつのあの攻撃を何とかするから、トドメ任せていいか?」


 功太は剣を下ろし頷いた。


「…ああ…!」


 よし。


「っしゃ!!いくぞ!!」


 ほぼ同時にガブリエリスへ走り出す。


『何度やっても同じだ!!』


 そろそろ発動するか。


「これはどうかな??功太ァ!!」


 前方を走っていた功太が輝く刀身を下げた。

 【人間ロケット】のエフェクトだ。


 そこへ飛び乗った瞬間に功太は思い切り剣で俺をガブリエリスへと打ち出した。


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