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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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ゴスパニ

 目の前にあるのは壁。


「……おい。位置がわかるんじゃなかったのか?」


 クレイに言われて冷や汗が流れた。


「あの、位置はわかるんだよ。位置は。俺の向いている方向なんだけど、その、矢でぶち破ってまっすぐいけば行けると思う」


 そう答えれば呆れた顔をされた。


「その千里眼ってやつ、思ってたよりも万能じゃないんだな」

「面目ないっす」


 位置はわかるけど、こんな感じで迷路みたいだと途端に役立たずになる。


 あの、とジルハが泣きそうな俺の元にやって来る。


「この方向なんですね」

「そうです…」

「なら」


 ジルハが獣人化した。


「道を見付けるのはボクに任せてください」


 こうして俺はボスを指すだけの方位磁石になった。






 ジルハの【追跡】【探知】【探索】スキルで進んでいく。

 俺はいつ敵が来るかわからないからエクスカリバーを構えながら、ボスを視る。


 同じく剣を抜いた状態のドルチェットがこう言った。


「なんか肩透かしだな。敵も出ねーしよ」


 それを聞いたアスティベラード。


「愚か者。聖戦は油断禁物だ。忘れたのか、ディラは一度殺されたのだぞ」


 そういわれてドルチェットが「そうだったな」と再び気を引き締めてくれた。


 ん?とジルハが前方を睨み付けながら立ち止まった。


「どうした?」


 クレイがジルハに訊ねると鼻を腕で押さえた。


「この先、死体があります」


 え。とノクターンがびくりと肩を震わせた。


 すぐさま【千里眼/見極め】で確認したかったが、ボスから目を離すわけにはいかない。

 というか、少しずつ気配が薄くなっている。

 目を離すと消えてしまいそう。


 盾を構えたクレイ。


「敵がいるかもしれない。気を付けていこう」

「カウントダウン」

「やや急ごう」


 若干早歩きで向かうと、複数人の遺体が残されていた。


「これは、酷いな…」


 クレイがいう。


 体が冷えきり霜がついている者。複雑に捻れた者。ズタズタに引き裂かれた者。焼きただれたもの。

 それが五つ。


「息のあるものは?」


 アスティベラードがそう言い、南無阿弥陀仏と心のなかで唱えながら確認してみたが呼吸どころか脈もない。


「ダメだね…」


 残念だけど。

 これでは魔法具を使っても意味がない。


「モンスターにやられたにしては、被害が最小限だな」

「血が飛び散っているが、それを踏んだような痕跡もねーし」


 クレイ達と飛行系か?と意見をまとめていると、突然ノクターンが来た方向を見て「ぴっ!?」小さく悲鳴をあげた。


 どうしたんだ?


 顔が真っ青になり、ある方向を凝視していた。


 なんだと同じ方向を見た。


「………」


 半透明の人型の浮遊物体。

 いわゆるゴーストが数体(何体か重なっていたために確認できず)こっちに向かってきてた。


 次々に上がる悲鳴。


「やべえ、俺神聖も光りも死霊も持ってない…」


 ブリテニアスオンラインでは火を使って怯ませたけど、ここで通じるかどうか。

 いや!一応やってみよう!


 火属性付加の矢をつがえた瞬間、背中に恐ろしいほどの寒気が。


「どわああ!!?」


 いつの間にか真後ろに三体いて、襲い掛かってきてた。

 慌てて弓で殴ろうとしたが、するりと体をすり抜けて抱き付いてきた。

 骨まで凍り付きそうな冷気に慌てて矢で刺そうとするとゴーストは離れる。


 みんなわー!わー!言いつつそれぞれ攻撃を仕掛けていたが、有効っぽいのが火くらいだった。


「ドルチェット!火炎だ!」

「うううう、わかった…っ!」


 ドルチェットの様子が少しおかしかったが、すぐさま火が吹き出す剣を振り回しながらゴーストを後退させる。

 だけど、消すほどにはいたってない。

 せいぜい距離を空けさせるくらいだ。


「なぁ、ディラ。あいつらロエテム避けてないか?」

「え?」


 見てみるとゴースト達はロエテムが近付くと慌てたように避けていた。

 火もないのに、なんで?


「ぎゃああああ!!!こっちくんな!!!」

「!!?」


 ドルチェットの聞いたこともない悲鳴を聞いてそちらを見ると、ゴーストに包囲されそうになっていた。

 顔は青から白になっている。

 ん?もしかして。


「誰か助けろおおおお!!!」


 そう叫んだドルチェットの前にアスティベラードが滑り込んだ。


「私に任せよ!」


 大きく息を吸い、一喝。


「亡者よ!!失せよ!!!」


 ゴウッ。そんな効果音が付きそうな勢いでゴーストが弾け飛んだ。

 まるで衝撃波に吹っ飛ばされた小動物のような勢いだ。


 しーん、と静まり返る廊下。

 その中央にアスティベラードが満足そうに立っていた。


 それを見たクレイが一言。


「これアスティベラードの声出なくなったらやべーな」

「だね」

次の更新は19日です

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