聖戦/ガブリエリス
「はっ!」
久しぶりの鐘の音で思わずビックリしすぎてしまった。
慌てて周りを見るとみんないる。
「良かったみんな来てるううううう!!!」
これで一人とかだったら泣いてた。
「うおお…本当に場所が飛んだ…」
「なんだここ。廃城か?」
「……なんか焦げ臭くないですか?」
クレイとドルチェットは興奮したように辺りを見回し、ジルハがどこからその臭いがするのかを確認し始めた。
確かに焦げ臭い。
「……前のようにすぐに襲われるわけではないのだな」
アスティベラードはすでにクロイノを出していて警戒をしているけど、不吉なすきま風のような音が響いている。
ちなみにノクターンはロエテムにくっついていた。
「ね。悲鳴もないし。てかボスはどこにいるんだろう」
功太の気配もない。
たぶんボスの近くにいるのだろうけど。
「ん?」
視界の上に違和感。
「どうした?」
クレイが俺の様子に気が付いて声を掛けてきた。
「視界の上の方に、数字あるんだけど。見える?」
「数字?……ほんとだ」
それぞれ視界の上の数字に気が付いたらしい。
「……なぁ、その数字に集中したら嫌なものが見え始めたんだけど」
と、ドルチェット。
「嫌なものってなに?」
「その数字の下に文章で、呪い発動完了まで57分。貴女の呪いは『利き腕の感覚喪失』ですってさ。なんだこの胸くそ悪いの」
「!?」
慌ててドルチェットにアドバイスされたように数字に集中した。
するとドルチェットと同じような文章が浮かび上がってきた。
「貴方の呪いは『視力喪失』ですぅぅう!!?」
困る!!その呪いは困るぞ!!
千里眼シリーズの心眼でも会得していたらそんなんでもなかったもしれないけど俺は持ってないんだ!!
「おのれい!!!」
同じく確認したらしいアスティベラードが激怒。
「これは、なんとも嫌なところを突いてくる…」
みんなに確認したところ、それぞれの呪いは次のようになった。
ディラ『視力喪失』
クレイ『防御力低下』
アスティベラード『声喪失』
ノクターン『記憶混乱』
ドルチェット『利き腕の感覚喪失』
ジルハ『完全獣化』
「ボクだけなんか変じゃない??」
ジルハが呪いの事で解せないみたいな顔をしていた。
「というか、獣化って、ボクに何のデメリットが?」
この人獣になること事態にデメリットを感じないのか。
すごいな。
それにドルチェットが答えた。
「人の言葉が喋れなくなるんじゃね?」
「え、それはやだ」
ジルハの嫌がるポイントがいまちいわからん。
「あの…。確認なんですけど…」
呪いが痴呆のノクターンがロエテムにしがみつきながら挙手をした。
「これ…、この数字…一分毎に減ってません…?」
「……ほんとうだ」
73が70になってた。
「やばいなこれ。急がないと」
戦闘の役立たずになる前に見付けて倒して戻ろう。
ドルチェットが手すりから下を覗き込んだ。
出現した所は吹き抜けの廊下だったけど、下は真っ暗闇で、二階下までしか見えず、上の方はなんでかボヤけて認識できない。
行けるところはぐるりと吹き抜けを取り囲んだここと、そこから内部に続いていると思わしき所が四つ。
「でもどこ行くよ。やみくもに動いても迷うだけじゃね?」
「確かに」
その時、まるで衝撃波と思わしき揺れがやって来た。
「!!」
同時に叩き付けられるような圧が遅い来て、その圧にみんなの顔が強張った。
ペタンとノクターンが地面に座り込み、クレイが冷や汗を流した。
「見付けた…」
その圧を千里眼/見極めが感知し、ボスの居場所を特定した。
結構遠い。
間に合うかな?
いや、間に合わないと今後が詰む!
「ボスの居場所か!」
「そう!案内するから、こっち!!」
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