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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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暇すぎて

 暇である。


「まさか本当に閉じ込められるとは思ってなかった」


 宿のベッドに横になって窓から外を見る。

 空には飛行船やら空挺やらか飛び回っている。


 空賊の船に乗せてもらうよう交渉するとか言ってたけど、また『賊』関係かぁ。

 贅沢は言えないけど、またかっていう心境ではある。


 本当にやることないのでマーリンガンを呼び出した。


「もしもーし」

『…本当に気軽に呼び出すね』

「あれ?もしかして畑仕事してた?」


 格好がいつもの服ではなく農作業用の奴だった。


『マンドレイクのね。しまったなぁ、ボクの方から君を強制的に呼び出すシステムでもくっつけておいて手伝わせれば良かった』

「ちゃんと戻してくれるのなら俺は構わないけど」

『人間の転送が世界最高峰魔法って分かってないんだよなぁ…』

「そうなの?ポンポン気軽に飛ばされてるけど」

『君の回りが可笑しいだけだよ。で、えーと、今どんな状況で暇なの?昨日はエアーボート街が厳重体制になっている可能性って話だったよね』


 マーリンガンは近くの机にあるお茶を手に持って啜った。


「ああ、えーとね」


 昨日クレイとジルハに教えられた情報と、これから行う事を話した。


『ああ、なるほど空賊か。考えたね。ボクはてっきり…あの【人間ロケット】?とかいう謎スキルで吹っ飛ばすんものだと思ってたよ』

「………あれ?俺そのスキル関係の話とかしましたっけ?」

『あれ?言ってなかったっけ?』

「たぶん言ってないです」

『…………』

「…………。ねぇ、本当に俺の頭のなかどのくらいで覗いたんですか??今さらだけど怖いんだけど」

『まあまあまあ、その件はもういいじゃない。で、そのー、今日はどうする??なに作る??それとも勉強でもするかい??』


 あ!こいつ誤魔化しやがった!

 もー、別にいいけどさ。


「じゃあ超便利なあの回復の魔法具の作り方を教えてください」


 せっかくなので教えてもらおうとしたらマーリンガンの顔がすごい勢いで真顔。


『おばかもの。あれは貴様なんぞにはまだ早いわ。50年出直してからこい』

「口調おかしくない?」


 詳しく訊くとあれは世界にも両手くらいしか数のない貴重なものらしい。

 その内の三つがマーリンガン特性商品。(うちひとつが俺所有)


「ヤバイね」


 そんなのくれたんだ。


『だからね、大事に使いなさいね』

「了解でありますマーリンガン」


 キチンと敬礼。

 改めてマーリンガンの凄さを再確認したのだった。


「じゃあさ、代わりに作り方を教えてもらいたいものがあるんだけど」

『なんだい?』


 その内容を聞いて『ふむ』とマーリンガンは考え込んだ。


「この先もこれがどうしても足枷になるから、どうにかしたいんだ」

『気持ちは分かるけどね…。うーーん、規定に引っ掛かりそうだけど…』

「規定?」

『ボクみたいな凄腕の魔法使いが魔法具を作るときの規定。その魔法具で戦争が起きたりしないために、教会が定めたもの以外は力を制限したりしないといけないって規定なんだよ。特に君の提案したそれは量産されたら厄介なものだからね』

「ふーん」


 確かに量産されたら不味いね。


 長い間ウンウン唸っているマーリンガンにしびれを切らした俺は言った。


「でもこれ別にマーリンガンが作る訳じゃなくて俺が作るんだからいいんじゃね?」


 そう言えば。


『そうだね!ボクが作るんじゃないしね!』


 とあっさり納得した。

 顔もキラキラしてるし、実は作りたかったんだなこいつという印象である。


「じゃあ交渉?」

『成立で!』



 そうしてマーリンガンが口頭で設計図を教えてくれ、道具をこちらに転送し、俺がチャカチャカと作るという事になった。



 これが二~三日で完成すれば更に楽に、みんなに負担を掛けないで済むようになる。と、思ったのだが。

 思った以上に難しく、集中して作業しても思い通りに行かなかった。






「出発の目処がついた。明日の昼だ」



 夕飯のパンをみんなで齧っているとクレイからそう言われた。


「明日か!かぁーっ!長かったぜ!なぁ、ジルハ!」

「そうですね」


 暇すぎてこの街周辺でモンスター狩りで小遣いを稼いでいたドルチェットが喜んでいた。

 同じく暇で近場の広場でロエテムとノクターンの修行に付き合っていたアスティベラードもホッとしている。

 

 そんな中で俺だけ完成させられなかった事で軽く落ち込んでいた。


 アスティベラードに船の中でも作業はできるじゃないかと言われたが、個人的に三日以内で完成させたかった。

 くそー、ちょっと舐めてたな。

 あんなに細かいなんて。

 あそこまで細かいともう針金細工ではなく何かの精密機械を作っているような感覚だよ。


 実際見た目も懐中時計みたいだし。


「着いてから完成させても遅くはないだろ?今一番問題なのは…」












 聞き慣れた鐘の音が響いた。










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