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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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いい加減にしろマーリンガン

 青い空にトンビらしき鳥が飛んでいる。

 すごい平和。


「……」


 視界に広がる平原を眺めながら脳内で音楽を流す。


 馬車はノクターンぷらすロエテムとアスティベラードの二人で交互に操縦している。もっとも魂搭載してしまった鐵馬にクロイノが憑依できなくなったので、並走しているだけだが。


 心なしか拗ねている気配を感じる。


 後で乗せて貰おうかな。


 ここ、マクルト国とアオゾア国との国境はもうすぐ。

 そこだけが難所といっていた。何せお忘れだろうが俺は指名手配付いているから。


 手の中で転がしているマーリンガンの魔法具の説明書を読み返す。


 【マーリンガン専用通信機】


 まず目に飛び込んできたそれを見て、遂に作りやがった。と感想が漏れた。

 ピアスみたいなやつ。


 おかしいな、俺言ってなかったかな?

 耳に穴空けてないよって。

 生徒指導室連れていかれてゲーム時間削られるの嫌だったからピアス空けてないよ。どーすんのこれ。


 って思ったら、思ったらっていうか呟いたらワイヤレスイヤホン型に変形した。

 なんでもありかマーリンガン。


 で、とりあえず着けるかってつけてみたら消えた。

 ビックリして近くのドルチェットに確認してもらったら耳にピアスみたいなのが張り付いてた。


 マーリンガンの説明いわくこれがボタンらしい。

 これを押すと通信、転送ができるとか。


 ちょっとずつ機能を増やすとか書いているけど、少し怖い。


 でもモノは試し。


「もしもーし」


 ボタンを押して通話をしてみた。


 すると、なんと目の前にソファーでだらしなく寝転がっているマーリンガンが出現した。


 突然現れたマーリンガンにクレイ達が驚いて一斉に狭い馬車内で跳び退き、ジルハが距離感誤って馬車から転がり落ちた。なんとかドルチェットの伸ばした腕によって事なきを得たが、なんだこれ。

 ホログラム??


「なんでマーリンガンさんがこんなところに!!?」


 驚きのあまり叫ぶクレイ。

 気持ちはわからなくもない。


 ためしに寝転がりマーリンガンを蹴ってみたらすり抜けた。


 だけど、クレイの声に反応したのか俺の蹴りに反応したのかマーリンガンが「ん?」と声をあげて顔を上げて俺と目が合った。


『あ!ごめ─ゴンッ──』


 慌てて起き上がろうとして手を滑らせたらしくマーリンガンがソファーから落ちた瞬間通信が途絶えて姿が消えた。

 え?なに?


 混乱していると通信が回復。


『これからは通信してますの音つけようと思う』

「大事ですよね、それ」


 今度はちゃんと椅子に座ったマーリンガン。

 今さらちゃんとしたって意味ないからね。


「うわ、なんだこれ」

「本物か?」


 クレイとドルチェットが興味津々でマーリンガンの姿を触ろうとしては通り抜けている。

 やっぱりホログラムだ。すごいな。


 そのホログラムでの唯一の被害者であるジルハが馬車の縁で強打した腹を押さえていた。可哀想に。

 早く治るようにと回復の魔法具を渡しておいた。


 ノクターンはソワソワとアスティベラードの後ろから覗き込み、アスティベラードは操縦中の為にちらちらと様子見している。


 この世界でもホログラムは珍しいみたい。


『それで、えっと何か用かい?』

「いや、ほら、せっかく来たから動作確認(?)をしようと思って」

『ああ、大事だよね』


 マーリンガンが納得した。


「というか、よくパスダンジョンを通してこれ送れたね。ビックリしたよ」

『あー、それは僕だけの裏技ってやつだよ。次やったら多分魔力ほとんど持っていかれるね』


 ニコニコ笑うマーリンガン。

 俺が言うのもなんだけど良い性格していると思う。


『ところでさ、風の噂でアオゾア行くんだって?』


 なんで知ってるんだ。

 マーリンガンめ、もしかして魔法具のどれかに盗聴気とかつけているのかも。


「そそ。飛行船、空挺?に乗るんだって。楽しみだよ」

『でも国境通るの大変そうだよね。君は指名手配されてるし』

「そうなんだよー。どうしよう」


 世間話的な感じで話したら、マーリンガンはキョトンとした顔。


『なんで?隠れれば良いじゃん』

「何処にだよ。隠れるところないよ」


 天井も馬車裏も見られるって聞いた。

 するとマーリンガンの指先が前に鐵馬を収納していた箱を指差す。


 あれに隠れろって?


「いやいや、確かに大型のキャリーバック程はあるけど、あれに入ったとしても開けられたら終わりじゃない?」

『わかってないなぁー、君の所には【影落とし】が使える人がいるじゃない』


 アスティベラードがなんだ?と顔をこちらに向けた。


「…………まさか?」


 それで中の空間を広げて入り、入り口の方にカモフラージュで細工をしろって?


『そのまさか。小さな光源をその箱の蓋の外側にでも設置でもすれば条件は揃っているし、まだレベルが低くて穴が広げられなくてもクロイノがそこで【影潜り】すれば問題は解決。ただしクロイノが許可を出せばって、だけたけど』


 クロイノを見る。


 背中に乗せてくれるからいけるかもしれないけど。

 なるほど、【影潜り】か。


「なんだ!?私にできることならなんでも言うがよいぞ!!」


 アスティベラードもノリノリみたいだし。

 試してみる価値はあるかな。

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