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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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ホップバルーン加工

 アスティベラードとノクターンの交互で馬車を引いて2日。予定より半日早くアラド湿地帯へと辿り着いた。


「なんか変な感じ」


 湖の中に浮き島がいくつも浮いているような、変な光景だった。


「あの浮き島が集まっているところも、踏めば沈むから乗るなよ」

「おお」


 クレイに言われて思わず出していた足を引っ込めた。

 危うく沈むところだ。


 ゴトゴトゴト。馬車が進む。


「この橋ってなんで沈まないの?」


 浮き島しかないのなら安定しなさそうだけど。


「魔法使いの建築家が、土の魔法で土台を作っているんだ。その上に橋を架けているから沈まない」

「なるほど」


 橋の所々が苔むしているけど、軋み一つないのは凄い。


 三つ四つと方向転換している橋を渡ったところに、ようやく島らしきものが見えた。

 浮き島ではないのか、全く動く気配はない。


「ノクターン、あの島で止めてくれ」

「わかりました…」


 島の上で馬車が止まった。


 寝ていたドルチェットが止まった気配を察して身を起こす。


「んんんー…。…もう着いたのか?」


 欠伸をしているドルチェット。

 寝癖がついている。


「降りていいの?」

「ああ、いいぞ」

「よっこいせ」


 馬車から降りるとほんの少し足が沈んだ。

 分厚い苔でできた島らしい。


「湿ってるー」


 天然の落とし穴とかありそうだ。


「せやっ!」

「よいしょ」


 ドルチェットとジルハも降りてきた。


「さっさとホップバルーン捕まえようぜ」

「だね」


 とはいえどこにいるのか。


「静かに」


 ジルハにそう言われて口をつぐむ。

 両手を耳に当て、音を聞いている。


「あっちから音がする」

「本当か?幸先が良い」


 ジルハの誘導のもと水辺を進んでいくと、草むらを掻き分けたところに水風船みたいなのがいた。

 ポヨポヨしていて、針を刺せば破裂しそうなフォルム。


「まずはドルチェットが火焔剣で嚇しながら追い掛け回して、僕の方に追い込んでいって。そうしたら僕がこの網で捕まえるから」


 ジルハが持っていた網を広げる。


「この中で暴れるホップバルーンをディラが火属性の矢をブスリ。持ってましたよね?」

「持ってたよ」


 火属性でも乾燥系でも。


 早速ドルチェットが大剣を火焔剣へと変化させる。


「じゃあ、さっさと終わらせよう。いってくらぁー!ウルアアア!!!」


 大剣振り回しながらドルチェットはホップバルーンの群れに向かって飛び出していった。その姿はまさしくアフリカの狂戦士のようであった。


「いつも思うけど、ドルチェットさん女の子だよね」

「まぁ、いろいろ訳があるんです」


 ホップバルーンを殴り、水面を叩き付けながら、ドルチェットは確実にホップバルーン達の行動を制限してジルハの元へと追い込んでいっていた。


「網用意ー!!」


 素早くジルハと共に網を広げると、物凄い勢いでホップバルーンが網の中へと突っ込んでいった。

 ジルハが逃げられないように口を閉じ、急いで、しかし丁寧に一匹ずつ火属性の矢を刺していき、ほんの五分もしないうちに15匹ものホップバルーンを生け捕りにすることができた。


 火属性の矢を刺されて動けなくなっているホップバルーン達を見て一言。


「こんなにいる?」


 多くない?


 そう言えばドルチェットが首を捻る。


「余ったら売れば良いじゃねーか」

「それもそうか」


 いったいいくらで売れるのか知らないけど、お金になるなら良いことだ。


「スライムとか捕まえる?」


 ついでに。


 だけどジルハはあんまり乗り気ではない様子。


「誘きだすのは簡単ですけど、今は蓋付きの入れ物持ってきてないですよ」


 そうか、ドロドロするもんな。


 諦めてホップバルーンだけ持って馬車へと帰っていくと、何故か途中でクロイノと合流した。

 散歩でもしていたのか。

 口に鴨を咥えていた。


「ただいまー!」

「おー!大漁だな!」


 馬車に戻るとクレイとアスティベラードか塩漬けの準備をしていてくれた。


「ゆっくりだぞ」


 クレイの指示のもと、網からホップバルーンを取り出すと外側のゼリー状の体をナイフで開いて中の核を取り出し塩の中に埋めた。

 これで2~3日塩漬けしていればゴムの出来上がり。


 ちなみに漬け物石にはロエテムを使った。

 ちょうど良い重石だ。


「この体部分どうするの?」


 核を取り出した体部分は一時間も経たずに溶けて水になる。


「捨てておけ、特に使い物にならんし」

「へーい」


 他の国では活用する所もあるらしいけど、俺達には必要ないので捨てた。

 にしても死んだら水になるなんてクラゲみたいだな。





 そこから二日間特になにもなく、遠くに見えるマギリ山脈を見たり、アスティベラードに針金アートを教えたりしながら過ごした。


 ロエテムをどかして塩の中から核を取り出す。


「やたら弾力のある粘土みたい」


 地面に叩きつけると変形しながら弾む粘土。


 核で遊んでいると塩を片付け終えたクレイとアスティベラードがやって来た。


「使えそうか?」

「うん」


 核を鐵馬の蹄に宛がう。

 あとはこの形状のまま固められれば良いけど。


「お?」


 試しに氷属性の矢を使って冷やしてみたら良い感じに固まった。

 押しても引っ張ってもズレないことを確認して、残りの脚にもくっ付けて形を整えた。


「………」


 削っている間、とあるアイデアが頭のなかに閃いていた。

 これ、少し加工すれば売れるな。

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