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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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鐵の馬

 無事に馬車(車のみ)を購入し、中の装備品も買いそろえた。


「場所がないから此処に置かせて貰うことになった。あとはディラの物だけだが、針金とあと何がいる?」

「今んところはないね。作っているうちに必要になりそうな時に頼んで良い?」

「勿論だ」


 とはいえ、だいぶ長さのあるものを購入したけど足りるのか。

 ペンチも高かったな。

 まぁ、上等なやつだから仕方ない。


「夕飯はどうすんだ?」


 宿に戻る道を行きつつドルチェットがそう訊ねた。


「近場にパン屋とかありましたよね」

「あったね」


 見るからに日本とは違うバケットばかりのパン屋。


「それで済ますか?中身はどうする?無しか?」

「それなら…、美味しそうなスープ屋がありましたから…、そこで買うというのは…」


 シチューみたいなのとかなら浸して食べれる。

 あればいいな。


「そうするか」

「俺も賛成!」


 スープ屋に行くと様々な種類のモノが置いてあって凄く悩んだけど、シチューっぽいのを見付けたのでそれを購入。

 そしてパンも購入。


 思った以上にパンが安くてビックリした。


「ここはガラスや陶器、土器を作るところが多いから窯が安く手に入るらしい」

「へぇー」


 とのクレイ豆知識。


「作業入りまーす!」


 宿につくなり荷物を置いて作業開始。


「ん?」


 【魔法具創作】スキル発動した。

 同時に【魔法生物創造】スキルが出現。


「………魔法生物??」


 そんな大層なもの作ろうとは思ってないけど。

 まぁいいか。

 

 創作開始。


 大まかな型を作りつつ大小様々な太さの針金を織り込んで強度を上げていく。

 捻ったり、編み込んだり、束ねたりと手は勝手に動いていく。


 そういえば大体手のひらに収まるくらいの作品しか作ったことなかったからこんなに大きなものを作るのは初めてかも。

 といっても全てパーツごとにバラけさせてやるんだけど、左右とのサイズを調整しつつだからけっこう頭使う。


「手伝おうか?」

「ううん。大丈夫だよ」


 クレイが手伝うと言ってくれたけど、まずは俺が全部組み立ててみないといけないから断った。

 それにしてもなんだか手や頭が熱い気がする。

 いつも以上に集中しているからか? 












 ディラが魔法具製作に取り掛かって二時間が経過した。


「凄いな、もう殆どのパーツが出来上がっておるではないか」


 アスティベラードが次々に出来上がっていくパーツを惚れ惚れと見詰めている。


「ええ…、まるで魔法のようです…」


 それをクレイもパンを食べながら見ていた。


 くるくるとよく動く指や手は固いはずの針金をみるみるうちに編み込み美しい馬の頭部を作り出していた。


 頭部だけではない。


 首や肩、四肢に蹄、そして腹から臀部にかけて美しい曲線が彩っている。

 普段大雑把なこいつから生み出されるとは思えないそれにクレイも思わず溜め息を吐きたくなるほどだ。










「ふう」


 全てのパーツはできた。

 あとは組み立てていくだけだ。


 カチカチとゆっくりと嵌め込みながら動きを確かめる。


「よし、あとは尻尾を入れて…。できた」


 完成した馬を見た。


 俺の趣味全開のデザインだけど、なかなかイケメンな馬に仕上がった。あとはノクターンかアスティベラードに動かしてもらうだけだけど。


「あらら」


 みんな寝てた。


 時計を確かめれば夜の二時過ぎ。

 みんな俺の事を気遣って起きようとしていたんだろうけど、眠気に耐えられずにそこら辺で寝落ちしてしまっていた。


「てか腹へったわ」


 冷めてしまった食べかけのスープにパンを浸しながら食べる。

 固っ。顎疲れる。


 それでも完食するとみんなを揺り起こしてベッドへと誘導し、灯りを消して寝た。


 はぁー、明日が楽しみだ。









 翌朝。



「うわああ…、素晴らしいですね…」


 珍しいノクターンの興奮した声で目が覚めた。


「これどうやって下に出すんだ?バラけさせられるのか?」

「ここ外れるみたいだね。ほら」

「ほんとだ」

「これ、勝手に触るな。ディラが良いと言ってからだ」

「しっかしほんとに作っちまうとはなぁ」


 みんな既に起きて俺の作り上げた馬を見て口々に感想を言っている。


 日は高い。

 寝過ごした。


「ごめん、寝坊した」


 こちらに気付いたみんなが振り替える。


「いいって、遅くまで働いていたんだし。なんなら今日は1日休みで良かったんだぞ」


 優しいな。


「大丈夫。次の所に早く行きたいし」


 ベッドから降りて馬を見る。


 よしよし、やり残しはないな。


「ノクターン、これ動かせられる?」


 馬の前から動かないノクターンが視線を馬に向けたまま頷いた。


「やってみます…」


 馬に手を触れて魔力の糸を繋げた。


 ギギギと音を立てながら馬が起き上がった。

 足がプルプルしてる。小鹿みたい。


「どう?」

「ええ…、ロエテムよりも重くはありますが…、慣れれば気にならなくなるかと…」



「はじめは軽量化の魔法を掛けておいた方が良さそうです…。綿毛や綿毛…。風に吹かれてふわりと揺蕩う…。柔らかく静かに大空へと飛んでいけ…、新たな地へと歩を進めよう…。トフゲイウェ・グニヴァス」


 軽量化の魔法で馬が先程よりもしっかりとした足取りになった。


「あとは強化と…、どうしましょう…。一度試した方が良さそうではありますが…」


 ノクターンが凄く楽しそうだ。

 あ、忘れてた。


「ノクターン」

「はい…?」


 ノクターンにあるものを手渡した。


「!! 良いのですか…!」

「俺の攻撃でどっかに行っちゃったからさ。マーリンガンとデザイン違うけど、よかったら」


 渡したのはロエテムの無くなった元の頭部に似せた、頭部。

 ちゃんと観察してなかったから細かいところを覚えていなかったのが悔やまれるけど、馬の尻尾のあまりで頭の兜に飾り尾を垂らした。


 アスティベラードが良いなと羨ましそうにしている。


「ありがとうございます…」


 

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