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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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盛大に地雷を踏み抜いていく奴

『ルールは簡単、まずは全員でこのおいらに襲い掛かる。そして、倒す。以上!』


 簡潔すぎない?


「あの、レベルごとのステージ分けとかは?」


 普通ある程度のレベルで組分けするものだけど。


『いーよいーよ。そんなめんどくさいの。おいらはね、適応レベル、一からMAX全部なんだよ』


 耳をほじほじゴミを息で吹き飛ばす。


「全部が適応レベルなんて聞いたことない」


 クレイが言う。

 この世界でもそうなんだ。

 だよね、聞いたことないもん。


『そっちの世界にもおいら居ないんだ。まぁ、安心してよ、おいらはそういう風に出来てるからさ』


 目元まで隠しているフード下でそいつは笑う。

 でもそうしたら俺はどう立ち回ればいいのかわかんない。


『だーいじょうぶ、お前のレベルでもおいらはそうそうやられはしないから』


 これ、煽られているのかな。


「ディラ、なんか知らんけどこいつムカつくぞ」

「わかるー、神経逆撫でされている感じだろ?」

「敵さんの方から纏めて掛かってこいって言っているんだ。遠慮しないで行こうぜ」


 血の気が多い三人。


「罠じゃないですか?」

「罠だとしても…もうすでに敵の庭の中です…」


 疑う二人。

 そして。


「まだか」


 焦れるアスティベラード。


「よーし!!やるぞー!!」


 総員武器用意!!


 一斉に武器を構えるのを見るや、アレフは荷物の布を取った。


 杖先にあったのは大鈴だ。


『さーあさあ!始めようではありませんか!!』


 アレフからとんでもない圧が放たれる。

 あの、この方全レベル適応とか言ってませんでしたっけ?

 大丈夫なの?こんなとんでもない敵が相手で、クレイ達──


「うりゃあああああ!!!」


 

 戦闘開始と共にノクターンの詠唱によって戦闘能力が強化され、我先にと飛び出したドルチェット。その剣が赤く発光しアレフへと襲い掛かる。

 しかしその攻撃は杖で弾き飛ばされてしまう。


 攻撃力を上げまくったドルチェットの斬擊を片手で弾き飛ばすなんて。


「スイッチ!!」


 ドルチェットの合図でジルハが投げ飛ばしていた小刀がアレフへと向かう。


『いいコンビネーションだ』


 アレフの体スレスレを小刀が通過する。全部僅かな動きで避けられてしまったのだ。だけど、避けたその先にいたのはクレイ。

 形状変化させた凶悪な盾がアレフへと叩き付けられた。


 すぐさま矢をつがえて射ち放つ。

 【攻撃力向上】【貫通】のスキルを発動したから、これで岩すらも容易く貫く。


 アレフはクレイの盾を踏み台に空中へと。そこへ向かったのは俺の矢だ。

 加減はしてない。普通ならば、レベル80台の敵ですら少しばかりはダメージが通るはずなのだが。


『だめだめ。そんなんじゃ痛くも痒くもないよ』


 三本とも、当たる直前に指先で受け止められてしまった。


「ディラの矢が止められた!?」

「デバフは掛かってないんだろ!!?」


 クレイとドルチェットが驚きのあまり訊ねてきたが、まったく掛かってない。


「動きを止めてボコ殴りにすればよかろう!!クロイノ!!」


 地面が黒く変色し、クロイノの蛇の尾がたくさん飛び出してきた。


『おっほぉ!?これは想定外!』


 数十もの尾がアレフを捕らえ、固定した。

 これで攻撃が当たる。と、そのときは思った。


「な!?」

「おいおい、うそだろ?」

「こんなの聞いてないよー」


 火力三人プラスの遅れてロエテムがアレフへと一斉攻撃を仕掛けたが、全ての攻撃が無効。ダメージ0。


 当たってない訳じゃない。

 だが、当たった感触はするのに、何にも傷を負わせることができないのだ。


 心臓を穿っても、頭を潰しても、何の効果もない。


 まるで、俺の天敵のスライムのようだ。

 もしかしてと思い火の属性で攻撃もしてみたが、何の効果も得られない。


「もしかして、貴方とのこれ、負けイベントだったりします?」

『いやいやいや、そんなわけない。ただ、おいらの攻撃が通じる条件が恐ろしく狭いのさ!!』


 クロイノの拘束が破裂させるようにしてほどけ、全員に一斉に攻撃を仕掛けた。


「あっ…!?」


 見えなかった。

 何で攻撃されたのかも分からない。


 しかしこの一撃だけで思わず膝をついてしまうほどのとんでもない一撃だった。


「げほっ」

『おいらは攻撃するものの心の有り様でダメージを受ける。君たちの攻撃がおいらに通らないのは、そうだなぁ』


 ピッとアレフが俺を指差す。


『お前の場合は現実逃避。未だにこの世界を見ずに、勝手に他の世界のルールを当て嵌めようとしている』


 続いてクレイ。


『お前は罪悪感。何の罪悪感か知らないが、攻撃に迷いがある。そんなへなちょこな盾なんかで守れると思ってんのか?んん?』


 ドルチェット。


『お前は妬み。妬んだところで変わるわけないのに未だに犬のようにその場で回っている。そんなに嫌なら自決でもすればいいのに』


 ジルハ。


『隠し事多すぎるな。別にいいんだけどよぉ、最後までそのまま犬死にしたいならそれでもいいか』


 ノクターン。


『………、素直でよろしい』

「!!?」


 ノクターンが珍しく驚いた顔でオロオロしている。


 最後にアスティベラード。


『自分が何者なのかを、キチンと向き合う気がないのなら、人にすがるな。力を潔く手放してしまえ』


 現実逃避か。

 なるほど、俺はまだこの世界をゲームの中みたいに思っている所はあるかも。

 図星過ぎてなんとも言えん。


「!」


 みんな、一斉に圧を放ち始めた。

 怒気や殺意、みんなの過去とか全然知らないけど、アレフは盛大に地雷を踏み抜いたらしい。


「殺す」


 アスティベラードが立ち上がった。

 その顔は今まで見たことのないほどの怖い顔だった。

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