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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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まだ勝てない

 ということで、クレイ達のレベルが上限に達するまで俺はマーリンガンと共にせっせと魔法具作りのお手伝い(今までの宿泊費やら食費代わりと諸々)と、個別にスキル上げ。


 【魔法具創作】スキルが伸びていくんだけど。

 戦闘に必要?これ。


「なんで俺だけ修行除外されてんの?」


 解せぬ。俺も一緒に戦いたいのに。


「君、体内に毒があるって言っているでしょ?それの解毒が完了するまで待ちなさい」

「ぶー」


 あのサキュバスに感覚狂いの毒を知らない間に入れられていたらしい。

 痛みを感知する能力が極端に弱くなり、冷たいものには敏感になるなど、特定の感覚を狂わせるものらしい。といっても微量だったから気付かなかったけど。

 知覚過敏酷くない?程度。


 そろそろ毒耐性のスキルが発生しても良いと思うんだけど、あれって暗殺者や斥候みたいな隠密職業じゃないと発生率が低い。

 職業の条件で発生するスキルは弓兵や占い師、動物使いなどの【千里眼】とか有名だけど、この世界でもそのルールに則るのであれば、希望はほとんど無い。


 でも欲しいよ【毒耐性】。

 何だかんだと縁があるんだもん。


 チャッチャカチャッチャカと魔法具を作り続けている間にクレイ達のレベルは上がっていったが、毎回死にそうになっているのが心配である。

 一体何と戦っているのか?


「しゃあ!!上限!!」


 ドルチェットが一番乗りで上限到達。


「っあーーー!!やったぜ!!」


 続いてクレイ。

 そして。


「いいの?俺もう自由の身!!?」

「ああ、もう解毒完了だよ」

「やったあ!!」


 俺も戦闘禁止が解除された。

 早速エクスカリバーを装備する。


「戦っていいですか?」

「君、わりと戦闘狂だよね」

「おれもそう思う」


 完成した魔法具を片付けながら何と戦うかを思案していると、クレイ達の武器がちょっと変わっているのに気が付いた。


 クレイの盾は側面に痛そうな飾りがついていた。

 そしてドルチェットの剣は、全体的に赤い。


 刃の溝のところの赤が揺らめいていて綺麗だな、あれ。


「頼んでいたものは出来ているんですか?」

「ああ、ちゃんと完成しているよ」


 クレイとマーリンガンがなにかを話している。


「俺もう行っていい?」


 ビグ・マネーバを一つ掴みマーリンガンに訊ねた。


「ああ、いいよ。行っておいで」

「はーい」


 洞窟に向かう途中、操り手がいないのに勝手に歩き回っているノクターンの人形とすれ違った。

 なんか、改造されてない?

 しかもでかくなってる??


「やっぱり職業チェンジした方がよくない?」


 そっちのがいいよ絶対。


 と、ノシノシ去っていく人形を見詰めて呟いた。







「…さてと」


 洞窟に入り、ビグ・マネーバをセット。


 ムクムクと大きく膨らんでいく液状の塊が周りの空間を触手で撫で回しながら把握していく。


 ランダンウォラー・スライム。


 何回やっても勝てない俺の立ちはだかるレベル88の壁だ。

 なんせこいつ、斬撃無効、打撃無効、自動高速回復、分裂、形状変化、状態変化、弱点変化、さらに数種類の毒や魔法持ちで、倒すには小さくなるまでひたすら炎や氷などでちょっとずつ外壁を削り切って中の核(半透明)を破壊しないといけないというとんでもない強敵なのだ。


 【千里眼】でもとらえきれない動きとか反則だよ。


『ゴポッ』


 スライムがこちらを確認した。


「さて、今回はどのくらい削れるかな?」


 戦闘開始だ。














「お前のそんな姿始めて見たぜ」


 洞窟前で死んでる俺の姿を見下ろしながらそんなことを言ってきたドルチェット。


「勝ったのか?」

「………負けました…」

「珍しいなおい」


 最近レベル下ばかり戦っていたツケなのか、動きの予測が遅れ、隙を突かれて今まで以上に酷い目に遭った。

 窒息との戦いは止めてくれよ…。

 相性最悪なんだから…。


「ようやくジルハとノクターンのレベルが上限に達したんだとさ。クレイが呼んでる」

「わかった。よいしょ」


 ドルチェットと一緒にクレイの元へと行くと、ジルハとノクターン以外が揃っていた。

 机には地図が広げられている。


「やっと来たか」

「うん。すごい印描いてるけどなにこれ」


 地図一面に散らばっている印。

 

「これは例の『上限』でないと開かないダンジョンだ。僕の知っている限りを書き出してみた」


 クレイの代わりにマーリンガンが答える。


「結構あるね」

「ああ、おれ達も驚いている。こんなにあるとは」


 地図を見ていると、砂漠の方面にも結構あることがわかった。


「砂漠にもダンジョンあるの?」

「ある」


 アスティベラードが答えた。


「むしろ厄介なダンジョンが集まっていると言っても良い」


 ドヤヤンアスティベラード。


「お前はあんまり知らないんだっけ。一般的に公開されているダンジョンもジャパルが有名でな。影見の谷とか一大観光地なんだよ」

「へぇー!」


 見てみたいな。


「わりと環境的に辛いのがこの竜帝国とかかな」

「竜!!!」

「うわビックリした」


 隣のドルチェットがビクッとした。


「ドラゴンそんなに好きなのか?」

「ドラゴンツアーしたい!!」

「まじかお前変わってるな…」


 なんで俺はドルチェットに引かれているのだろうか。


「そういえばそんなこと言ってたね。魔結晶の産地だし行ってみるといい」


 前に話していたマーリンガンが「諦めてなかったのか」みたいな顔しながらそう言ってきた。諦めませんよ。


「僕がおすすめなのは此処だけど」


 マーリンガンが指差したのはウルマール国の山奥にあるダンジョン。


「多分、いつかお世話になると思うから、そのときは必ず手土産を持っていきなさい」





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