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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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聖戦/ナーマスダルフォン

 屋根を思い切り蹴って、遂にボスの場所へと辿り着いた。


「……でか…」


 スカイツリー程の背丈があるのではないだろうか?


 ハーピーのボスらしき風格。そしてこの威圧感。

 間違いなくこいつがボスだ。


 鳥の四肢に八木の角。背中からは翼が生え、頭の上には王冠らしき複雑な模様の冠が浮いていた。

 長い髪が地面にまで垂れ下がり、その全てが蛇だった。キモい。


『おお来きましたか。愛しき私の稚児よ。母は待ちくたびれましたよ』


 ぐわんと頭が掻き回される感覚。

 急いで【催眠抵抗】スキルを発動した。


 危ない危ない。


『あら?反抗期かしら?母の言葉を拒絶したわ』

『ナーマスダルフォン。あれが例の子よ』

『まぁあの稚児が?なんと可愛らしいのでしょう』


 クリフォトだ。


「!!?」


 ナーマスダルフォンと呼ばれた人型モンスターの足元に大量の兵士達が倒れていた。

 地面は血の海で、兵士達の胸に穴が開いたり、同じく異様に腹が膨れていたりと二極化している。

 どちらにしても手遅れっぽかった。


「功太は!?」


 何処だ?


 近くの瓦礫が勢いよく退けられた。

 そして這い出てきたのは功太とその仲間達。

 ん?耳が長い。エルフの仲間が増えた?


 口の中に溜まっていた血を吐き出し、再び剣を構える功太。今回はそこまでダメージを負っていないようだ。

 あ、俺を目の敵にしているガンウッドだ。

 そう言えば拉致られた時こいつの名前があったな。終わったら送り戻される前に問い質さなきゃ。


「よっと」


 とにかくどうなっているのか功太に聞かなきゃ。何故だかいつも俺が出現するところはボスから遠い上に出遅れているからな。


 着地して駆け寄る。


「功太ー!」

「! …朝陽」


 ? なんか様子がおかしいな?気のせいか?


「…生きてたんだな…」

「? おう。なんか拉致られたり大変だったけど、まぁ、うん。元気」

「拉致?…その、お前に聞きたいことが…」

「勇者様、そんな盗賊に意識を割いてはなりません。ボスを倒さねば」

「うん…、そうだね…」


 やっぱりなんかおかしいな。


 凄まじい顔のガンウッドとルカと、あと増えている仲間達が俺の事を見ている。なんだこの敵意丸出しの顔。


「!」


 ガンウッドが口パクで『この犯罪者め。殺してやる』と言っていた。俺がお前に何したよ?


 とにかくこのモンスターは初見だけど、功太と連携すればなるとかなるだろう。


「攻撃パターンってどんな感じ?なんのモンスター寄り?」

「気やすく話しかけんな!!」


 ガンウッドうるさい。


「…えと、僕もまだ把握しきれてなくて、というか記憶が曖昧で、気付いたら兵士達が全滅していて…蹴り飛ばされていた…?」

「えええ、大丈夫かよ。それ、もしかして催眠攻撃で意識侵入受けてない?」

「………あ」


 功太の朧気だった瞳がハッキリしてきた。

 【催眠抵抗】スキルを発動させたらしい。


「ごめん…」

「いいって、ああいうのは50くらいから増えるからさ」


 ああいうってのはコントローラー乗っ取り系だ。

 全てのボタンを逆さにしたり入れ換えたり、目の前のキャラクターがランダムで入れ替わったりするムカつくやつだ。


 にしてもガンウッド達には掛けられてないのか?


「覚えている限りだと、咆哮で蔦が襲い掛かってきて、髪の蛇が蔦になるんだけど、噛まれたら力が抜ける。それから、……あ、蹴りが痛い」

「ギガントとメデゥーサが混ざった感じか」


 石化がないだけましかな?


『稚児達や、お喋りには母も入れておくれ』


 再び催眠攻撃。だが、【催眠抵抗】のおかげで軽い頭痛で済んでいる。


「俺が蔦は何とかするから、お前は本体を攻撃してもらっても良いか?」

「じゃあ、そういう感じで…」


 …やっぱりなんか素っ気ないって言うか、ぎこちない。


 いや、先にこっちを優先だ。


「後ろの仲間に俺を狙わないように言っといてくれよ!!」


 後ろでガンウッドがひくりと顔をひきつらせた。


 駆け出す。するとナーマスダルフォンが嬉しそうに笑う。


『おやおや、母と遊びたいのですか?しょうがないですねぇ』

「その母って言うの止めてくれん?気持ち悪い」

『ほほほ。稚児が反抗期なのもまた可愛いわね』


 功太の言う通り蔦が襲い掛かってきたが、今度は遠慮することはない。


「じゃああんたの言うとおり、とっておきの不良みたいな事をしてやるぜ!!」


 【火焔属性付与】


「せやぁあ!!!」


 乱射した矢が蔦に突き刺さり、そこから火の手が上がる。

 はっはっはぁー!火遊びだぜえ!!意味知らんけどな!!


『あらあらあら。しょうがない子ねぇ』


 翼を羽ばたかせ、突風を発生させた。


「うわっ!!?」


 台風のような風で火が掻き消された。

 なんとか踏ん張って吹き飛ばされないようにしたけど、これは火を使うのやめた方が良さそうだ。


 功太の所で補助魔法の詠唱が聞こえる。


 大型の攻撃をするならばもう少し俺に意識を集中させないとな。


「しかし、風が邪魔だな」


 これでは矢が飛ばされてしまう。

 諦めて凍り付かせるか。


「えい」


 【氷結属性付与】の矢を近くの蔦に突き刺した。


 するとビキビキと音を立てて凍っていく。こっちが正解だったか。


『稚児よ、母を困らせるんじゃありません。言って分からないのならしょうがないわね』


 鳥の脚が持ち上げられ、俺へと振り下ろされた。


 功太はまだ動かない。

 何の攻撃をしようとしているんだ?


 素早く回避し、跳び上がる。


 地面が陥没したところから大量の黒蛇が湧き出した。


「うわあ気持ち悪い!!」


 近くの兵士の躯へと近付いていき、口やら服の中に侵入していった。そして腹が膨れる。

 え、もしかしてその腹って。


 そう思ったのも束の間、腹の大きかった兵士の腹がへこんでいき、代わりに服の下から人面鳥ハーピーが這い出てきた。


 そのハーピーが一斉に飛び立ち、俺の方へと襲い掛かってくる。


 【雨状放射】でハーピーを射ち落としていくが全滅させることができない。


「いっ!!?」


 ハーピーが掴んでいた黒蛇が飛び掛かってきていた。

 とっさに掴んだが、口から吐き出された白い液が体に掛かってしまった。

 なんだこれ!?毒か!!?


 下に投げ捨て、落下しながら弓を棒にして殴り落としていく。


 その時見てしまった。

 下に黒蛇が溜まってきている。

 しかもこっちを狙っていた。


 うおおおおお!!!功太早くなんとかして!!!








「光よ!!貫け!!!」








 功太の方から光の帯が発射され、地面にいた黒蛇が蒸発した。


 なんだこれすげえ!!


 地面に着地すると無茶苦茶空気が熱かった。


 そしてナーマスダルフォンの脚が赤く腫れていた。まるで火傷しているようだ。



「すげえ!!功太なんだこれ!!すごい技手に入れたな!!!」



 見たことのない攻撃方法に興奮していると、突如上から凄い圧。



『悪い子ね。母は…怒りましたよ』

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