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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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上限突破方法

 レベルが上がったからいけるはずと、奮い立たせて再挑戦。


「ねぇ、マーリンガン」

「なんだい?」

「オレのこのデバフって、どんな条件なの?」

「君以外のメンバーの平均レベルにしているんだ」

「なるほどー」


 それなら次はもう少し楽に戦えるはずだ。


「おれは出来るおれは出来るおれは出来る」


 クレイがボソボソと自らに言い聞かせながら一番最初に洞窟へと進んでいった。

 さすがリーダー。


 続いて俺も突撃。


「すでに待機しているという」


 グランバエノがギチギチと音をたててこっちを向いた。

 腹がふくれる。


 さあ、来るぞ。


 グランバエノが口を開けた瞬間、ジルハのナイフがグランバエノの口内に突き刺さった。

 突然の攻撃に攻撃中断して悶えるグランバエノの喉仏辺りにもナイフ。


「ふーっ!今度はやられませんよ」


 【投擲】スキルでも手に入れたらしい。

 見事な命中率だ。


 声帯を破かれて、これでグランバエノは音攻撃ができなくなったわけだ。


「一つ折りて、二つ。二つ折りて、四つ。三つ折りて、八つ。重なる度に厚みを増し、いずれは月に届く塔の如く…。その塔すら跨ぐ巨人の戦槌は気高き天からの一閃。地を砕き谷を築き山を成すデイダラの重き一撃…《ウレナサーク・トナギ》」


 攻撃力増加。

 しかも今までのよりも一段階上の詠唱だった。


「ナイスだジルハ!ノクターン!」


 未だに悶えているグランバエノへと駆けていくドルチェットが踏ん張っている脚に向かって大剣を横に薙いだ。

 切断される脚。


「もう一丁!!」


 バスンと音をたてて呆気なく切断されたもう片方の脚。


 グランバエノは体のバランスを崩して転倒。

 だが、グランバエノの周りにいるガキがドルチェット目掛けて飛び掛かっていく。それをクレイがまさかの盾で殴り飛ばした。


「かかれ!!」


 アスティベラードの命令でクロイノがグランバエノの顔に向かって襲い掛かった。

 前足で着地しながら爪を立てれば、ビックリするくらいの深い爪痕が。


 暴れるグランバエノからクロイノと二人が離脱。


 体液が傷口から溢れだしながらも近くの二人に狙いを定めた。


 連想射撃が出るな。


「俺もそろそろ仕事しないとサボりって言われちゃうから働こーっと」


 矢を放つ。


 グランバエノの肩が俺の矢によって粉砕。

 これでグランバエノの攻撃方法は鎌だけになった訳だ。


「ん?」


 グランバエノに小さいなにかがちょこちょことやって来た。


 なんだあれ。人形?


「えいや…っ!」


 ノクターンが小さくそういうと、人形が担いでいた斧が唸りを上げ、グランバエノの首を真っ二つ。


「……!?」


 え?なにあれ?

 ノクターンのノーマルマリオネットじゃなかったか??


 後ろを振り替えると嬉しそうにしている。


 ノクターンさん。君は魔術師ではなく人形使い(パペットティアー)になった方が良かったんじゃないか?

 いや、でもパペットティアーは魔法強化できないから合っているのか??


 クロイノとパペットの攻撃が致命傷になり、ジュウジュウとグランバエノが光の粒になって消えていった。

 そして元のビグ・マネーバに戻っていった。


「やったあ!!勝った!!」

「いぇーい!ほら!いぇーい!!」


 喜ぶみんな。


 やっぱりレベルが上がると俺も戦いやすいな。というか、ほとんど役に立ててない?












「はあーい!おつかれさん!!思ったよりも早かったねぇー!」


 洞窟を抜けるとマーリンガンが鍋をつくって待っていた。

 めちゃくちゃうまそう。涎でる。


 フラフラ鍋に近付くとクレイに引っ張り戻された。


「待て待て。みんな座ってからだ」

「ママン?」

「張っ倒すぞお前」


 さあ食べろとマーリンガンが器に具をよそい、みんな座ったところで食べた。


 うんま!!

 匙が止まらん!!


「マーリンガンさん」

「なんだいクレイくん?」

「ひとつ質問なんですが」


 なんだろう?


「おれ達レベルリセットしたとはいっても上限が40で止まるんですけど、次の聖戦までに間に合いますか?またレベルリセットして上限50まで引き上げたとしても次の敵ってレベル60なんですよね?どうやっても間に合わない気が…」

「それ自分も思ったぜ。レベルリセットした瞬間聖戦にいくことになったらどうすんだ?完全に足手まといに逆戻りだ」


 ノクターンが嫌そうに人形を抱き締める。

 その楔人形好きだね。

 まぁ、自分の唯一の攻撃手段だもんな。


「ああ、その点は心配要らない。ここに既に例外君もいるわけだし」


 頭をマーリンガンにポンポン叩かれた。


「そういやこいつの上限ってどうなってんだ?そのまま50突破ってことは上限は90とかなのか?」


 みんなの視線が集まってきた。


「うーん。ていうかそもそもシステムが違うし。此処みたいに経験値積んでもレベルが勝手に上がらない」

「? どういうことだ?」


 空になった器を置く。


「上のレベルに上がる度に試験があるんだ。レベル1からずっと」

「レベル1から!?」

「そうそう。敵自体は別にレベル制限ないし、どんだけ格上とやっても良かったから反発無かったんだけど、一定レベルごとに能力解放とか、土地解放とかあったんだ」


 レベル10で【スキル】出現

 レベル20で武器制限解放

 レベル50で【スキル】数制限解放

 レベル70で禁域進入禁止解除


 ってな感じ。


 【スキル】数制限解除が一番嬉しかった。

 なんせブリテニアスオンラインにはスキルコレクターでも集めきれないほどの【スキル】があって、それによってまるでアニメの主人公のようなことができたりする。

 最も使いこなす為に左手にコマンド打ち込むためのキーボード必須だったのは笑うけど。


 【千里眼】シリーズも結構持っているけど、知らないのもあるしな。 【千里眼/観測】も欲しかった。

 アレ持っているとイベントの先読みとかできたのに。未来視も欲しかったな。


「え、じゃあその試験が突破できないとレベルアップできないのか?」

「そそ。しかも自分の苦手属性で、同レベルでやらさせるんだけど、めんどくせーよ」


 おかげさまで俺は未だに上のレベルに上がれない。


「大変だなお前んところ」

「まぁね」

「でも、それとこいつと何が関係があるんだ?」

「その事なんだけどね、実は此処でもその試験による上限突破方法は存在するんだ」


 そうなんだ。


「え?でもそんな情報知らないですよ?」


 ドルチェットも知らないと首を振ってる。


「あの、もしかして凄く危険とか?」


 ジルハがそう言えば、変なポーズでマーリンガンが「正解!」と指差した。

 急にどうした?


「禁域指定の幾つかが、それ専用の遺跡になっていてね。実際ボクはそれで上げたんだけど、ディラと同じようなシステムな感じかな?違う点は死んだら終了って事?これは文献読んで知ったんだけどかなり綱渡りだよねー」


 あははははと笑うマーリンガン。

 笑えなくない?


「それ、パーティーでは挑戦できんのか?」

「いやこれ個別レベルのやつだから無理だろうね。一緒に入ったとしてもきっと中でバラバラになるだろうさ」

「むう…、そうか…」


 まぁ、でも。と、マーリンガンが立ち上がる。


「レベルはあくまでも目安の数字だ。それ以上に【スキル】を磨いておけば、何の問題もないよ」



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