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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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会話をすると脱線する二人

「ディラくん。できたからコッチコッチ」


 炎から頭を出してきたマーリンガン。


「でもさっき中に入っちゃダメって」

「結界の隙間に作ったの。中に入ろうとしたら僕の(しるし)を持ってないものは弾かれるんだけど、そこは頑張って空間作ったから」

「へー、面白いね」

「でしょう!?凄いでしょう!!やったあ!初めて人に褒められたよ!内装も整えたからさ、こっちだよ」


 マーリンガンに先導にしたがって行こうとしたけど、みんなが何故か付いてこない。

 てか、顔怖いよ。


「どうしたの?」

「本当に大丈夫なのか?」

「マーリンガン魔法具作るの上手いし、器用だから大丈夫だよ。崩れたりしないでしょ」


 炎のトンネルも面白い感じになっている。


「ほら、熱くないよー!」

「ダメだあいつ分かってない。もう行くしかないだろ」

「………よし」


 ドルチェットがやって来て、クレイも来た。

 後にジルハとノクターンが続いたが、アスティベラードが動こうとしない。


「ほら、行こうよ」

「…私は、いい。ここで待つ」


 らしくなく、アスティベラードの声が小さい。


 クロイノも心なしか元気がない。


「大丈夫だよ。俺がアスティベラードになんか言ったらマーリンガンに怒るから。でかいけど良い子だよって。ね?」


 アスティベラードに手を差し出した。


「………だが…」

「ほらほら、ノクターンもオロオロしてる」


 可哀想に、入り口で困り果ててぐるぐる回ってしまってる。


「………」


 アスティベラードが恐る恐る手を繋いだ。

 よしいこう。


「クロイノいくよー」


 ノスノスとクロイノも付いてきた。ほら良い子じゃん。


 炎のトンネルを抜けるとお部屋だった。

 机と椅子と、なんだあれ絨毯?


「どう?」

「めっちゃ広い。窓から炎見えるの格好いい。窓枠のこれも炎イメージ?超合ってる」

「やっぱり君とは価値観が合うわ。定期的に帰ってきて僕の作品見てよ」

「がんばりまーす。あ、テレポートの魔法具ないです?」

「無いね。作る?」

「作りましょう。絶対便利」

「ストップストップストップストップ。おれ達も居ますから一旦ストップ」


 危ない。クレイが止めなきゃそのままマーリンガンと魔法具作成開始するところだった。


「自分わかった。似た者同士っていうフィルターがあるせいで気付いてないんだ」

「だね」


 え?なにが?


「とにかく座って。エンジュウはそっちの絨毯ね」


 それぞれ椅子に腰掛けた。

 いいなー、これ。欲しい。


「じゃあ、まずは自己紹介を」

「しなくて良いよ。全員のプロフィール視させて貰ったから。クレイにドルチェット、ジルハ、ノクターン、そしてアスティベラードであってる?」

「「「!?」」」

「すげえ、手品みたい」

「でしょう?もっと誉めてくれて良いんだよ?」

「賛美をカツアゲするの良くない」

「そうか、じゃあ諦めよう」


 足を組み直し、マーリンガンが大物みたいな仕草をしながら言った。


「はじめまして。マーリンガン・S・ザートソンです。聞いたことある人いるかな?」

「ザートソン!?」


 クレイが驚いてる。

 アスティベラードも。


「知ってるの?」

「知ってるも何も…っ、世界的魔術師名家だぞ!!」

「いやぁー、それほどでも?ちょっと色々あって廃れかけてるけどね」


 へー、そうなんだ。


「ディラくん?嘘じゃないからね?」

「嘘だなんて思ってないですよ」


 もしかしたら、っていうのはあるし。


「ところで、話は変わるんですけど、俺教会関係者に拉致られ掛けたんですけどなんか喋りました?」


 そう言えばマーリンガンがキョトンとした。


「マジ?この村君が旅立ってからずっと炎上させているから誰とも話してないよ?」


 ずっと炎上状態かよこの村。


「マーリンガンはチクってないと」

「ばっか。君のチクる暇ないよ。僕がその前に縛り首!!」

「だよねぇー、良かった。売られたのかと」

「数少ない共感者を売るような人でなしに見えるのかい?」


 マジマジ見た。見えないこともない。


「やっぱり言わなくて良いよ。嫌な予感しかしない」


 あ、そう?


「そっかぁ、僕てっきり君がポロっと漏らしたのかと…」

「なんで自分で危険を呼び込もうとすると?しないよ?臆病だよ俺」

「だよねぇー」


 あはははははと笑い合う。


「似た者同士だな」

「だな」


 ボソボソと納得し合うクレイとドルチェット。


「えー、マーリンガンさん。一つ聞きたいことがあるのですが」


 クレイが挙手。


「なんだい?」

「こいつが勇者の関係者っているのは、知ってましたか?」

「知ってるよ。友達が勇者にされたのも、そもそもここの世界の人間ではないってこともね。あと、皿を渡すとすぐに割る」

「それは知らなかった。気を付けよう」


 こっちを見ないでクレイ。最近触ってないから。


「それでですね、ディラが聖戦に参加してしまったんです。それについて何か知っていることはありますか?」

「ああ、なるほど」


 マーリンガンが空中でティーポットを生み出すと、同じく作られたコップのなかにお茶を注いでいく。

 それを俺はみんなに配っていった。


「聖戦の参加資格は勇者と、その仲間と認定されたもの。あとは指定された土地のあわれな一般人だ」


 お茶をすするマーリンガン。


「だいたいの聖戦の数は合わせて12から13ほど。回を重ねるごとに指定の結界解除の条件であるボスの力が増していき、聖戦範囲も広がっていくんだ。穴もね、増えていくよ。目的はなんだろうね?僕もこれは人から教わったものだから定かじゃないんだけど、前の聖戦では確か聖戦範囲内の村や町が二つ三つは一瞬のうちに消えたんじゃなかったかな?」


 ガタンとアスティベラードが椅子を倒して立ち上がった。


「そんなことは伝わっておらぬ!!」

「シャールフ伝の事?あれは、ほら、あくまでもお伽噺的に編集し直されているから。本当はもっと悲惨だったね。なにせ瞬きのうちに村が文字通り無くなっているんだからさ。知らないかい?禁域指定の森に慰霊婢建っているの。それはかつてここに村があったってやつだよ」


 全然知らん。

 だけど、俺以外のみんなは知っているらしく様々な反応を見せた。


「自分は村があったからなんだ?って思っていたけどそーゆー事だったのか」


 ドルチェットはほんとうに感想が直球だな。


 マーリンガンの視線がこっちを向く。


「最初の戦いはどうだったかい?」


 どう?


「んー、まぁ俺の知っている敵よりは強かったけど、でもそんなには…」


 相性が良くなくて功太は苦戦してたけど、俺も相性次第では格下の相手にも不利になるし。

 どう言えば良いんだろう。


「推定、敵のレベル幾つくらいだい?」

「30いくかいかないかくらい?でも多分一人でいけたかな」


 みんながどよめく。

 なんですか?


「こんな感じだよ。通常一人で相手できるのは手練れでもギリギリ20レベルだ。30で危険レベルに《超》がついて数人で掛かる感じになり、60越えるのは聖戦を除いて記録にもあまりない。ドラゴン種でも平均45だからね」


 そうなんだ。

 あれ?でも。


「人間はちょいちょいいるんじゃないの?だって限界突破があるし、80のとかいるんじゃないの?」

「いねーよ」


 クレイに突っ込まれた。


「人間の平均値レベルが18から25だ。限界突破してもだいたいが40から50が限度。それを大きく越えて90に迫るレベルなんて化け物は今んところ数えるほどしかいない。お前と」


 視線がマーリンガンへ。


「お前の横にいる人だ」


 まじで?


「レベルはおいくつで?」

「前測ったときは95だったかな」

「最高ですねマーリンガン」


 ブリテニアスオンラインならあとレベル5で新たなステージ進出だ。



「ということで、次のボスのレベルは60近くなるわけだ。このポンコツくんに付き合うのは良いけど、君たち今のままだったら、




 死んじゃうよ?」





 俺の仲間に何を言うんだこの爺。


「でも、僕の唯一の理解者の仲間ってことでレベル上げを手伝えないこともないけど、どうだい?どうせ次の聖戦まで時間もないんだろう?」

「でも、どうやって?」


 ジルハが若干怖がっている表情をしている。


「まぁまぁ、そこは僕の魔法具でちょちょいと、ね?」



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