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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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22/163

俺のアホ

 無事にパーティーを設立し、リーダーを決めた。


「おれリーダー」


 と、皆を誘ったクレイが就任。

 誰も異論なくリーダーをもぎ取ったクレイが、残った皆にじゃんけんをしてくれと言われた。


「じゃんけん勝った」


 そしてじゃんけんで勝った俺が副リーダーに就任。

 掲げたチョキが眩しい。


「元々お前は攻撃担当のリーダーにするつもりだったけどな」

「そうなん?斬り込み隊長的な?」

「的な」

「えええー!自分がそれやりてぇ!」

「採用」

「どうぞどうぞ」

「やったぜ!」


 駄々をこねたドルチェットがあっさり斬り込み隊長に就任。


「あとはー」

「偵察なら任せよ」

「斥候できます」

「……」

「……」


 なんだろうか。ジルハとアスティベラードの間がビリッとなったぞ。


「ワタシは…」

「こやつにシャールフの事を教え込むのだ」

「…………」


 ノクターンさんが俺を見る。

 毎度毎度お疲れ様です。

 あと無知でごめんなさい。


「こんなもんだな。ここでいける限りのレベル上げしていこう」

「賛成!」









 そんな感じでこのメンバーで黙々と任務をこなしてレベルを上げていった。

 はじめは上手く連携が取れなかった時も戦ったけど、三回目辺りからある程度の連携が取れるようになってきた。


 大体の流れは獲物発見、俺が遠距離攻撃で先制の後、ジルハが急所攻撃もしくはドルチェットの薙ぎ払いで相手の連携を掻き乱し、クレイが盾で防御や囮を行い、俺とドルチェットとジルハの三人で殲滅。ノクターンは状況に合わせての魔法で支援し、アスティベラードは。


「失せよ」


 黒いのとトクルで残党を屠っていった。


 くわばらくわばら。


 ちなみにアスティベラードの職業、呪獣使い(カーザー)でした。


「うーん。レベル1。

 でもこっちでは15!合わせて16!!」

「んな訳あるかばか野郎」


 依頼帰りのいつもの居酒屋でふざけたらツッコミを入れられた。

 ゲラゲラ笑い転げるドルチェットに背中を叩かれている迷惑そうなジルハと、俺を観察しながらノクターンに何か指示しているアスティベラード。


 一週間経つともう見慣れた光景になっている。


 皆もそれぞれレベルが上がり、レベル10のアスティベラード以外は大体12~13辺りのレベル。

 受けられる依頼も多様化してきて、この前は隣町までの商人の護衛でアスティベラードとジルハが活躍した。

 ちなみに短期間ではあるが盗賊団所属で色んな話や知識を聞かされまくった影響なのか。


 あー、ここが皆が言ってたレッドポイントか、あの岩で引っ掻けて土砂崩れ起こせそう。とか。

 この道は見通しが悪いし、先の方がカーブになっているから弓とかで馬を襲えば馬車転倒させれそう。


 とこっそり考えていたお陰で【盗賊目線】等という変なスキルと共に【横取り】や【盗み】【先取り】という変なスキルが発生した。

 やめろよもう盗賊やめてるのに。


 幸い全然使ってないから熟練度は初期値。

 ただ【盗賊目線】だけが上がりまくっている。なんでですか?アーチャー補正でも掛かってます??


「…どうせなら【罠解除】とかそういうのが発生してくれよ」


 といっても【千里眼/見極め】か矢で破壊でなんとかなるんだけど。


「なんか言ったか?」

「いいや、なんも」


 露店で知恵の輪とかあったら買ってみるか。


「そういえば、お前ギルドに呼び出し食らっているんだってな?なんでだ?」


 パンを頬張りながらドルチェットが訊ねる。


「さぁ?カウンター関連とか?」


 それしか思い付かない。


「………明日、私がそのギルドへ同行しよう」

「え?」


 アスティベラードがそんなことを言い出した。


「なんで?多分カウンター関連だと思うけど」

「私が同行すると言っておる。それに、なにか違和感があるのだ」

「違和感?」


 なんのだろう。


「あの…、こういう時のアスティベラードの勘は結構当たります…。一緒にいった方がよろしいかと…」

「そう?じゃあわかった。よろしくアスティベラード」

「うむ」









 翌朝。


 いつもの噴水前で待っていたらアスティベラードが一人でやって来た。ノクターンいないとちょっと違和感。


「おはよう」

「待たせたか?」

「いいや? ん?」


 肩に乗っている筈のトクルがいない。


「トクルは?」

「少し離れさせておる」

「ふーん」

「変か?」

「ちょっとね。なんか黒いのもピリピリしてるし」

「クロイノ?」

「後ろの子の事」

「ああ…」


 影から頭だけ顔を出してきた。

 かわいいな。


「こやつも辺りを探っておる。先日よりなにやら妙な感じがするのでな」


 確かになにかを探っているような…。


 なるほど。特に意識してなかったけど【千里眼】シリーズ発動した方がいいのかな?

 でも俺のは戦闘特化のしか持ってないしな。


「とにかく行ってみよう」


 ギルドへとやって来た。

 いつも来ている此処だけど、いつもよりも空気が固い。

 中はいつもと変わらず活気に満ちている。気のせいだったのかな?


 アスティベラードが少し離れて立ち止まる。

 受付がアスティベラードが苦手なのを知っているっているのもあるけど、今回は警戒とかいっていた。


「呼ばれてきました。ディラです」

「あ、はい。お待ちしておりました」


 なんだろう。この気まずい感じ。


「ディラさん来ました。案内お願いします」


 バックヤードから見たことのないスタッフが出てきた。

 なにこのター○ネーターに出ていそうな人。


「こちらです」


 案内されるままに着いていく。


「!」


 視線を感じて後ろを向くと、黒いのがいた。


「!!!?」

「どうされました?」

「い、いえ、なんでもないです」


 なんで俺の後ろに??

 アスティベラードはいないのに。


「この中でお待ちください」


 応接間みたいなところに通された。


「お。めっちゃ椅子フカフカじゃん。すげー寝やすそう」


 扉が開いてさっきのスタッフが現れた。


「お茶です」

「ありがとうございます」


 そしてまた出ていった。

 カウンターじゃないのかな?


 お茶に手を伸ばすと、黒いのが妨害してきた。

 やめろ、猫みたいなことすんな。

 頭突きやめい。


 なんとかお茶を取るとふわりと花の臭い。


「凄い甘い臭い」


 紅茶系かな。

 一口飲んだら炭酸みたいなビリッとした感覚が舌に走る。


「……炭酸?」 


 特に甘くはないから、変な感じ。

 もう一口飲んでみる。

 舌にビリッとくるけど喉には来ない。


「炭酸ではない??」


 なんだこれ。でも癖になるな。


「飲むか?」


 後ろの黒いのに近付けたら、表情がわからないのに凄い引いた顔をされた。

 嫌いなのか。だから妨害したのか。


 そのままチビチビとそのビリビリを楽しみながら飲んでいると、足音が近付いてきた。


「お待たせしました」


 顔に微笑みを張り付けた男性と、ターミ○ータースタッフ複数がやって来た。


──ガチャン


 え?なんで今鍵閉めた?


 男性が目の前の椅子に腰掛けた。


「えーと、ディラ君で間違いないかな?」

「はい、そうです」

「本名かね?」


 んん?

 なんだその質問。


「………いえ」


 迷った末答えたけど、良かったのかな?





「君はもしかしてアサヒ・オノデラ、という名前ではないかね?」





 ドッと心臓が跳ねた。

 なんだ?なんで俺の本名が?


「!」


 ター○ネーター達が後ろへと回り込み始めた。


 待てよ、なんかこれカウンター関連の話じゃなさそうだし嫌な予感がする。


「あの、俺ちょっと用を思い出したので失礼しま──」


 グニョンと景色が歪んで、気付いたら床に倒れ込んでいた。

 あれ?


 なんで俺倒れたんだ?


「おやおや、大丈夫かい?おい、誰か立たせてやりなさい」

「はい」


 腕を捕まれて引っ張り上げられる。


 そこでようやく気が付いた。

 体の力が全く入らなくなっている。

 え??なんで???


「アサヒ君。君には、いくつかの罪状が掛かっているのを知っているかい?まずひとつは、国宝に対する侮辱罪ないし、傷害罪。そしてこれは一番良くない、よりにもよって世界の宝に対しての窃盗罪だ」


 男性の視線が俺のエクスカリバーに向く。


 まさか。


 上着の隙間から教会のエンブレムが見えた。

 教会関係者だったか!!


「君が勇者、コウタ・サトウと一緒に来た不純物というのはもう分かっているんだよ。よりにもよって無銘の神具(ノーネームゴッズ)を盗むとは、けしからん」


 マーリンガンの言葉を思い出した。

 まて、じゃあ、村は?


「なんで守人がいたのにも関わらず盗めたのかは分からないが、まぁ、それはゆっくりお話しさせてもらうとしようか。君、今毒で喋れないだろう?大丈夫。幸いにもたっぷりと時間はあるからね」


 髪を掴むな。

 教会関係者という癖に人の扱いがヤクザだ。


「!」


 黒いのからモヤみたいなものが出てきている。

 はぁー、そうか。だからお茶飲もうとしたの止めようとしたのか。あーあ、俺のアホ。


「連れていきなさい」


 

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