表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/163

レベル1

 その後、ボス討伐の印として毛を少し刈り取った。


「生き残ったヴォルフは皆逃げたようですね…、気配探知の魔法を使いましたが…、山の方角へと移動していきました…」


 ノクターンが言う。


「依頼達成だな!こんなに早く終わるとは思ってなかった。しかもボスも倒したし、これは報酬が弾むぞ」

「じゃあ今日は宴会か?自分肉食いてえ!」

「君はそろそろ野菜を食べる行為を覚えるべきだと思うけどね」

「ジャガイモは食ってんだろ!?」

「葉野菜のこといってるんだよ!」

「あー、はいはい喧嘩をするな。じゃあ、そろそろ帰りますか。ディラ、矢の回収は済んだのか?」


 手に取った矢らしき残骸を見詰める。


「粉々になってるからいいや」


 むしろ炭に等しい。

 そのまま捨ててきた。


「どんな威力だよ。頼むから人には向けるなよ」

「人には弓で殴るから大丈夫」

「それもやめろ」

「ええー」


 別に面白半分で殴るんじゃないからそれくらい良いじゃないか。


 その後、特になんの問題もなく町に戻ってきてギルドへと向かうと受付の人が何故か驚いた顔をしていたが、俺を見るなり「ああー…なるほど…」みたいな顔をした。

 身に覚えないけど、何かしましたっけ?


「ついでに皆のレベル更新できますか?」

「かしこまりました」

「集合ー!」


 クレイに呼ばれて集まる。


「今回はレベル1依頼でも難易度の高い物を選んだから更新できるはずだ。特にディラは相当上がるはずだからこれで更に上の依頼も受けられるだろう」

「これ、上がらなかったら笑うな」

「そんなわけないだろう」


 という冗談を交わしつつ、受付さんの「タグとカウンターを提出してください」の指示に従って提出した。


「お待たせいたしました。こちらが更新済のものになります」


 タグを受け取り、全員が確認。


「おー、レベル2になった」


 とクレイ。


「自分は3だ!」

「斬りまくってたもんね。僕は2か」


 ドルチェットとジルハ。


「うーん…、状態維持ですか…。しかたないですね…。アスティベラードは……、あ、2ですか…」


 ノクターン。そしてアスティベラード。


「ディラは?4くらいには上がっただろ?」

「…………」


 レベル1。

 何回見てもレベル1。


 無言で見せたレベル1のタグ。

 無言のままそのタグを見詰め、俺を見る皆。

 頭に揃ってハテナマーク。


「皆無言なの悲しいからなんか喋って!」


 ガツンと乱暴な音を立てて何故かアスティベラードが動いた。


「…何故こやつが上がらぬのだ。おかしいのではないか?」


 そう言いながらアスティベラードがズイズイ受付に詰め寄り始める。圧に押されて怯える受付さん。

 ちょっとアスティベラードさん??さっきからなんか様子がおかしくないですか!?


「あ、あの、アスティベラード?一旦落ち着き「うるさいどう見てもおかしいではないか。こやつが群れのボスを殺ったのだぞ?」


 クレイが視線で俺に助けを求めている。

 何でか知らないがアスティベラードは俺のために怒っているのは分かったが、ここは一旦後ろのそれ(黒いの)を収めて欲しい。


「アスティベラードさん、何か事情があるはずです!聞きましょう!」

「む…、貴様が言うなら…」


 あっさり引き下がったアスティベラードにクレイとノクターンがホッと息を吐いた。

 俺も安心した。

 良かった後ろの黒いのも引っ込んだ。


 なんかわからんが助かったと職員も安堵の吐息。


「えと、これはどう言うことなんですかね?」

「それがですね…、私たちも初めての事なんですが…」


 首を傾ける職員。


「ディラさんの、レベルが上がるカウンターの数値が恐ろしいほど高いのです。こんなの初めてで、正直困惑しています」







 もしかしたら故障している可能性もあるということで、一晩カウンターをお預かりされることになった。


 町の居酒屋にて。


「俺だけレベル1…」

「クヨクヨするなよディラ!故障している可能性もあるっていってたじゃないか!もしかしたらレベル上がりすぎてバグっているかもしれないだろ?」


 な?とクレイが励ましてくれる。

 良い奴だな。


「にしてもこんなことあるんだなー。図書館に入りたいからって登録するのも初めてだが、こんなトラブルも初めて見たぜ。お前持ってるな!」


 肉を頬張りながらドルチェットが笑っている。その持ってるなはどういう意味で捉えれば良いんだろう。


「とにかく明日ですね。上がっていることを祈りましょう」


 ジルハも慰めてくれた。

 なんだよこのパーティー良い奴ばっかりかよ。


「まずは喰おうぜ!酒は飲むか?」


 クレイが酒を進めてくれたが断った。ここでは俺はもう飲める年齢だけど。


「遠慮しとくよ。酒は良い思い出がないから」


 脳裏に甦る酒に絡む最悪の記憶達。

 俺が酒を大嫌いになったのは盗賊団の皆のせいだぞ全くもう。


 その時、無言で酒を嗜んでいたアスティベラードが立ち上がり俺の方へとやって来た。

 なんだ?


「ちょっとよいか?お前に聞きたいことがある」

「……はい」


 なんだろう。怖いな。


 アスティベラードの後について行くと、店の裏に連れていかれた。


 人気のない所でアスティベラードが立ち止まり、振り替える。


「貴様…よもや、後ろのが見えるのか?」

「!」


 バレてる!!いや、気になってちょいちょい見てたから仕方ないか。というか、また黒いのいるし。


 これ、どっちが正解だ?

 見えた方がいいのか?それとも見えないっていった方がいいのか?


「早く答えろ。見えているのか、いないのか」


 一か八か、正直に言うか! 


「見えてます」

「!!」


 すると、なんということでしょう。

 見えていると答えた瞬間、アスティベラードの顔が見たこともないほどに嬉しそうな顔になったのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ