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旧・脇役無双~この弓はエクスカリバーである~  作者: 古嶺こいし
この弓はエクスカリバーである

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統一感の無いメンバー

 図書館に入ることができた。


「こんなもんかな」


 15冊ほど積み重ねて勉強開始。

 世界の地図と国の名前。魔物の名前や生態。武器の名前や特性。魔法の種類等々。

 勉強というよりも確認といった感じ。


「ふう」


 本を閉じた。

 流し読みだけど、大体わかったことを整理してみる。


 まずここはブリテニアスオンラインではない。

 似ているけど、全く違う世界だった。


 地図も同じ地名はあるけど記憶にある所にはなく、魔物も姿は同じでも名前や特性が違う。


 でも、やっぱり似ている所が結構あった。


 スキルとかの事はまだ調べられていないけど、もしかしたらあるかもしれない。


「あ、キノコの人」

「キノコ連れてないね。逃げたのかな」


 キノコリアンのおかげで俺の名前がキノコの人になっていた。


 やっぱり連れて歩くんじゃなかった。

 つれ歩くのはお前だけにしておくよ。エクスカリバー。


「そろそろ泊まるところ探そうかな。別に野宿でも良いけど」


 虫がめんどくさい。

 野宿するなら虫除けの薬でも買っておかなきゃいけない。


「リアルだとこういう所が不便だよ。まさか火を焚いても炊かなくても大型の虫が来るなんて思わないじゃんかよ」


 マーリンガンの魔法具が無かったら寝不足だった。


「やっぱり宿取ろう。ついでに仲間とか、どうやって集めようかな」


 クエスト発注にしても、そもそもの目的がない。


「……ドラゴンツアー?」


 集まるかな?


「いいや。とりあえず宿探そう」


 本を元に戻して宿を探した。









 なんとか宿を取ることができた。


「なんか食べに行こう」


 さすがに牛丼屋なんかは無いから居酒屋になるけど、酒を飲まないなら大丈夫だろう。


「鳥の塩焼きと、水と、あとどうしよう。あ、豆の煮物を」


 テーブルに次々に食事が運ばれる。

 肉美味い。キャベツが何故か酸っぱいけどこれも美味い。


 美味い美味いと食べていると人の気配。


「ここ良いか?」


 クレイだった。


「クレイさん。どーぞどーぞ」


 お座りください。


「ギルド登録は上手くいったのか?」

「お陰さまで」


 クレイの注文した肉が運ばれてくる。

 スペアリブだ。これも美味しそうだな。

 それを食べながら、クレイが質問してきた。


「お前さん、武器は弓なのか」

「よく見てますね。畳んでいるのに」


 椅子の上に置かれた物体は、閉じた弓。

 大きさは1/3程になり、パッと見ではただの正方形の物体に見える。


「おれも前は弓を使っていたからな。ちょっとドジって片目やっちまって、武器を盾に変えたんだ」


 片方の色がくすんだ方の瞳を指差す。

 それなら仕方ないだろう。

 というよりも。


「盾だったんすかそれ」


 そのガントレットみたいなのがか。

 仕込み盾かな。


「そそ。人気のない武器だが、その代わりジョブチェンジで貰えるボーナスが何よりも嬉しいやつだ。【見極め】っていう能力も貰えるし」

「そんなボーナスが」


 ブリテニアスオンラインに純粋な盾職は居なかったからな。盾持ちは基本もう片方に剣や槍を持ってる。


「そういやパーティーとかは決まっているのか?」

「まだだね」


 まだ目的がドラゴンツアー以外に思い付かない。


「良ければ組まないか?」


 マジで?


「ドラゴンツアー?」

「違ぇわ、なにその恐ろしいツアー」


 恐ろしいかな。

 ワクワクすると思うんだけど。


「低レベル者で組んでトユガ岩場のポイズンヴォルフ退治に行くんだよ。中にはレベルリセットしたやつも混じっているから色々練習になると思ってな。お前さん登録したてって事はレベル1だろ?分からないことがあったら教えてやるからさ。どうだ?」

「二人で行くのか?」

「いや、他にも声掛けてる。最大人数八人ってあるからな」

「へえ」


 すごい。まさかこんなにもすぐに仲間みたいなのができるとは。


「じゃあよろしくお願いします」

「よっしゃ!じゃあ、明日の朝くらいに噴水前な」

「入ってすぐの広場の?」

「そうそうそう」


 噴水っつーか、マーライオンみたいな奴だったけど。


「じゃあ、明日なディラ!」


 机に食べた分のお金を置いて帰っていった。


 やっとファンタジーみたいになってきた。

 明日が楽しみだなー!











 翌朝。


「おーい!」

「おはようございまーす!」


 マーライオン噴水に来ると何人か既にいた。


 その先頭にいるのがクレイ。


「良かった来てくれたー!」

「どうしたんですか?」

「昨日誘った内の二人が諸事情でこの町から逃亡して来れなくなったんだ」

「…ほう?」


 何をやらかしたのかな?


「あの…おはようございます…」

「おはようございます、あとはじめまして。ディラです」

「あ…ノクターンです…」


 静かな女性だ。

 大きな杖をもっているし、魔術師かな。


「はじめまして」

「…………」


 隣にいる女性にも声を掛けたんだけど俺をジッと見るだけで無視された。

 …いや、無視か?これ。

 ひたすら冷たい目で見詰められている。というか、なんだろう。俺より身長下なのに見下ろされている変な感覚。


「………」


 その人の肩に乗っているアクセサリーを着けた耳羽のある猛禽類にも睨まれている。

 なに?怖い。


「この方は…アスティベラード…。肩の方はトクル…です…。職業は…」

「ノクターン、うるさいぞ」

「はい…すみません…」


 こっわ。この人凄い美人なのに、いや、美人だからこそ凄みがやばい。


 大丈夫かな。


「キャベツー!悪い、遅れちまったー!!」

「痛い痛い痛い!!髪の毛引っ掛かってる!!」


 向こうの方から騒がしいのが来た。


「キャベツじゃねえって言ってんだろ!! よし、これで全員だな」


 駆け足でやって来たのは男女。

 ……男女?


 ん?女だよな?


 白い髪をポニーテールにした男気溢れる強気な女性と、金髪の気の弱そうな男性。


「このアホが絡まれちまってな!」

「君が寝坊したのが原因じゃないか!」

「走ったら間に合うっつの!」


 口調、女性のが乱暴なんだ。


「ほら、自己紹介」

「わーってるって。自分はドルチェット・レッドジュエル!こっちは」

「僕が言うから! コホン。ジルハ・ビースターです。よろしく」

「ディラです」


 このジルハさん。図書館とかにいそうな感じだな。

 ドルチェットはソフトボール部とかにいそうだ。

 背中にデカイの背負っているし。


「レッドジュエル? なんでそんな名家のが」


 アスティベラードが怪訝な顔してドルチェットに訊ねた。

 名家なんだ。


「あ? あー、まぁ、ほら。世の中色々あんだよ」

「お名前を伺ってもよろしいですか?」

「…私はノクターン、こちらがアスティベラード…、肩の方はトクルです…」

「よろしくお願いします」


 端から見ると統一感の無いメンバーだ。


「よっし!みんな集まりましたね?それでは、しゅっぱーつ!!」


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