被疑者二人目 武器密輸人「タナカ」②
密輸船の制圧を終え、港までの到着を待つ【IVE】達。
拘束された武器密輸人【タナカ】は黙秘を貫く決心をしているが、
【IVE】中将による本格的な尋問が始まろうとしていた。
──《東京湾岸・港湾倉庫街》──
船着場を取り囲む様に整然と並ぶパトカー、軍用トラックが見える。
《こちら一班、配置に着きました》
車載の通信機から声が届き、それに返事を返す。
「……こちら二班、配置に着きました」
「……上からの命令で港で待機しろって言われたけど、本当に武器だか何だか来るのか?」
眉をしかめながら独り言のように呟く警察官。
「間違いなく来る」
「とある部隊が既に現場を制圧しており、我々は密輸品と被疑者達の回収を行うだけで済むとの事だ」
それに対し、自衛隊の制服を着た男が返事をする
「……制圧している……?船は今から来るんじゃ……」
疑問は解消される事なく、より大きな疑問を産み出す。
「どんな魔法を使ったのやら…だな。ほら、準備しろ、来たぞ」
大きなコンテナがいくつも積み上げられた巨大な船が港へと接近する。
ゆっくりと速度を落としながら、丁寧な停泊を見守る現場の警官や隊員達。
事前の情報で安全だと伝えられているが、それでも緊張感が漂う。
だが、船から3人の黒いスーツを身に纏った女性が"荷物"を抱えて降りてくる。
背景と事情と現実のミスマッチ具合に、皆が困惑した。
「おまたせ。"これ"以外に、3名が船内で気絶してるから、回収お願いね」
【IVE】が"これ"と言いながら指を差したのは、人間一人が入るバッグのようなモノだった。
「は、はいっ!」
「中将、現場の引き継ぎは我々にお任せください」
「"そちら"に関しては、上層部より「一任する」との事です」
慌てる警察官たちを余所目に、落ち着いた声で【IVE】に話しかける自衛隊服の男。
「分かったわ、後はよろしく。ユビサキ、テノヒラ、戻って食事とシャワーを済ませたら開始だ」
「「了解」」
……
──《第Ⅳ区画 拷問室内》──
拷問室内は薄暗く、無機質なコンクリートの壁と質素な椅子だけ
明かりはオレンジ色の蛍光灯が一つ、被疑者が座る椅子の頭上で、微かな光を灯している。
拷問室内には、頭にビニール袋を被せられ、質素な椅子に手足を縛り付けられた被疑者が居た。
「んむうう……むぐぐうう」
「1200(ヒトフタマルマル)……あら、ごめんなさい。今取ってあげるわね」
【IVE】が【タナカ】の視界と声を奪っていた黒いビニール袋を取り払う
「ぷはっ…とんでもない旅になっちまったな」
「本当なら今頃は取引を終わらせて旨い酒でも飲んでたはずなのによ」
猫背のまま、自分より高い位置から見下ろしている【IVE】を睨みつける。
現状を「ただ面倒な事に巻き込まれただけ」という様な"他人事感"が【タナカ】から滲み出ていた。
「それで、俺をどうするんだ?」
「ここで始末されて、埋められちまうのか?」
淡々とだが、煽りを込めた声色で目の前にいる"美しい存在"に問いを投げかける。
「少なくとも私たちはそんな事しないわ」
「どうしてあんなモノを日本に持ち込もうとしたのか、教えてほしいだけ」
「事前に聞いておくわ、言うつもりはあるかしら?」
微かに相手を蔑むような瞳で【IVE】は尋ねる。
「言うつもりは無い」
「欲しいという奴がいるから、届けに来た。それだけだからな」
「……ただ……それだけ……だ……」
話をする為に息を吐き出す、吸い込む
その度に目の前にいる存在から漂う「甘美な香り」が鼻腔を刺激してくる。
「そう。……ねえ、長旅で疲れちゃったでしょ?」
見下すような表情と似つかわしくない声色がゆっくりと耳に届けられる。
「そうだな、クタクタなのに手足も縛られて最悪の気分だよ」
「じゃあ、マッサージしてあげる……」
無機質な部屋に似合わない"マッサージ"という【IVE】の発言に、
【タナカ】の中に"恐怖"と"強い苦痛に対する覚悟"が芽生え始めていた
「"マッサージ"ね、ナイフか銃で身体をほぐしてくれるのか?」
「それは受けてからのお楽しみ、それじゃ……目隠しを付けてもらうわ」
視界が開けたのも束の間、またしても視界を奪われる事となった
だが、
「くそッ……ん?」
「……あったかい……」
蒸気で目を温める系のホットなアイマスクが【タナカ】の視界を奪う。
「すっごく気持ちよくなって欲しいから…ゆっくり高めてあげる……」
【IVE】は頭に触れるか触れないか、輪郭をなぞる程度の動きで、被疑者の頭を撫でていく
「無数にある毛穴ひとつひとつが、手が通るたびにくすぐったいでしょう?」
「でも、だんだんと気持ちよくなっていくからね~……」
「よしよし……♡」
2回、3回、4回と繰り返されるたびに、
くすぐったさと心地よさの境界線が薄れていく
「ふ、ふざけてんのか…」
(……っ!? な、なんなんだ……痛くされない……?)
視界を奪われたせいで、どうしても「嗅覚」「聴覚」「触感」に意識が向いてしまう
自分のすぐ傍から発せられ続ける「魅惑的で甘美な香り」に鼻が集中してしまう。
相手の布が擦れる音と、吐息が耳のすぐ傍を通過していくせいで鼓動が少し早くなる
触れてくる手から期待感や多幸感を"与えられてしまい"、どんな感情でいればいいのか分からなくなっていく。
「そろそろ首と肩を気持ちよくしてあげるね...」
マッサージというには程遠い繊細な手つきで頭から首、首から肩にかけて手を這わせていく。
時折、少しだけ"揉む"に値する力を加えるが、すぐに力を抜いてまた首から肩にかけて手を這わせ続ける。
繰り返される首と肩への優しい愛撫に、背中と腕の鳥肌が止まらなくなっていく。
「そんな撫でるようなマネで……っ、ん……ッ!?」
ぞくっ、と背筋から頭にかけて小さな電気が走る
「はっ……はっ……♡ 甘い匂いが……っ、手つきが、優しすぎるだろ……ッ♡」
想定した"痛み"が来る事はなく、絶え間ない"愛"が皮膚を駆けずり回る。
「んっ……んしょ……気持ちいい……?♡」
視界の無い状態で甘く優しい声に問われ、生み出され続ける快感と向き合う事を強制される。
「き、気持ちいい……かも……♡」
「い、いや、なめるな……俺は、訓練を受けた……っ、んおっ♡」
抵抗しなければどうなってしまうのか、"未来"が微かに見えた【タナカ】は抵抗する事を思い出した。
「可愛いお耳ちゃん発見、ふ~~~♡」
だが次の瞬間、柔らかく温かい吐息が感度を高められ続けた状態の体に、直接的な快楽を与えようと耳奥まで届けられる。
「お"っ"……ひっ……♡ (ヤバい……これ、声出したら止まらなく……♡)」
「あっぐ♡ や、やめ……やめっ……♡」
耳に吐息が届くと同時に鳥肌が全身を覆い、鳥肌一つ一つの突起がもはや性感帯と言える状態にされてしまう。
「あ~、イケないんだ~♡ 鳥肌ビンビンにして……♡ 触って~って事?♡」
「((イイよ、全部シテあげる))」
頭頂部から、耳、首、肩、鎖骨、少しの間を空けて耳に息を吹きかける。
それから更に胸、お腹、脇腹を通って腕に手を這わせる【IVE】
鳥肌で生まれた全ての突起を短時間で可愛がるように、撫で散らかす。
「はひっ……♡ もう無理……♡ ん”お"ッ……ばかになりゅ……ッ♡」
「ばかになっちゃおうね~♡」
「ひぃいいんっ♡」
懇願は相手に届く事なく、抵抗する為の手足は確実に動けないように縛られている。
「それじゃ、どうして武器を持ち込もうとしたのか教えてくれるかな~?」
「言ってくれないと、やめちゃうかも……♡」
胸の中心部を避けて、円を描くように撫でまわす【IVE】
「やっ..….♡ やめないれぇ……♡ 言うからッ……♡」
「港から国会議事堂近くの駐車場まで運んで、そこから近くの倉庫ッ……♡……にっ♡」
「運ぶ予定ッ♡ でしたッ……♡」
暗く濁った内容の供述を、蕩けた声で告げられた【IVE】は、手を止めず触り続けながら思考を巡らせてた。
(国会議事堂を狙ったテロ……?一体誰がそんな強硬手段を取ろうとしたの……?)
(それにもしそれが実行されていたら……国を揺るがす大事件に……)
「誰から依頼されたの?」
甘い声は取り払われ、真剣な声が部屋を漂う。
「フーッ……♡ フーッ……♡ 依頼者は「ジャッカル」って名乗ってたぁ……」
豹変した声に対して反応する事も出来ず、相手の求めを満たす言葉が口から零れ出てしまう。
「ジャッカル……そう、ありがとう。じゃ、お礼に高速で胸の中心部コスってあげる♡」
胸の下部に添えられた手から伸びる人差し指が、確実に乳房の中心部を刺激すべく、中空で待機している。
数秒後、強烈で味わったことのない快感が来る"予知"の段階で、鼓動は早まり、期待感と恐怖で汗が噴き出す。
「今らめぇ……♡ それ絶対やっちゃらめなヤツ……♡」
口からは否定の言葉が出るが、体は"ソレ"を強く肯定しており、期待感で更に感度が高まってしまう。
「ダ~メ♡ ほら、キちゃう、キちゃうよ~♡」
「3……2……1……えいえいえいえいっ」
「おホッ♡ オホッ♡ オホォォォッ♡♡」
「おほぁ……♡……あっ♡」
白目を剥きながら舌がダラしなく口から飛び出し、幸せを体現したかのような表情で、
【タナカ】は椅子に力なくもたれかかった。
縛られている両手では、力なくピースサインが作られていた。
…
絶頂の余韻でぴくぴくと痙攣する【タナカ】を見下ろしながら魅惑的な吐息を吐き出すと、
耳元のインカムに細い指先を添えた。
「ふぅ……1210(ヒトフタヒトマル) 状況終了……」
(ジャッカル、一体どのような人物なのかしら…)
思案する【IVE】を気遣うような声色が、隣室から通信で届く。
《中将、おつかれさまでした……ジャッカル……》
【IVE】はアヘ顔を晒し散らかしている対象者を微笑んだ顔で眺めながらも、
冷徹な瞳はまだ見えぬ【ジャッカル】を見定めようとしていた。
面白かったら評価、レビューお願いしますっ♡ お"っ♡




