~愛の悲劇~ー12
フェルメンの王が付いて数秒後、パトリック2世は木々をつたって降りてきた。
『フェルメンの王よ。何ようだ』そう言うと地面に着地した。
『私の娘がお前たちのエルフの者に襲われた』その顔には怒りがあふれていた。
『なに……。申し訳なかった。だがその手に持っている者……。犯人は殺したんだろう。それで手を打って欲しい』
『こやつらが死ねば娘の傷はいえるのか』そう怒りを抑えきれていないフェルメンの王は言った。
『とりあえず、中に入ってくれ。しっかり話し合おう』
そう言うとパトリック王は手で扉を指し、頭を下げた。無言のままフェルメンの王は宙に浮く水の絨毯を作り、その上へ乗った。そして絨毯は扉の方に動き出した。
『その者達はお預かりしましょう』
フェルメンの王から首を無作法に貰うと、そのまま近くの兵に渡した。
そして、ノースツリー最上階で話し合いが行われた。娘を傷つけられた怒りに我を忘れる王と、エルフを4人失った国の王。二人は一歩も譲らなかった。いや、譲れなかった。ここで和解することは国民からの信頼を失うということ。他国に頭を下げる弱い王だと、弱い国だと、国民からも隣国からも思われてしまう。ゆえに、譲れなかった。そして、最終的に戦争という結論に到達した。
この日から海森戦争が勃発した。
~愛の悲劇~ END
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