~悪魔との闘い~ー7
王都が騒がしい時、故郷に戻った彼女は久しぶりに懐かしい所に寄りたい気持ちを殺して、王城の正門前にドラゴンの背中から少し高いが飛び降りた。そして彼女が指を鳴らすとドラゴンは消えた。
門には門兵が2人、周りには王国に住む住人達が群がっていた。周りの住人は驚き彼女から離れるように後ずさりをした。彼女は少しそれを嫌がったが、すぐにそれどころではないことを思い出し、門兵に言った。
『今すぐ門を開けて、国王に伝えねばならぬことがあるのです』彼女は開けるよう要求した。
『ダメだ。ドラゴンを操る者よ、何やつか。名を名乗れ』もちろん門を開けてもらえるわけはなかった。
彼女は腰に付けた巾着袋を取り出すと、プラチナのバッチを取り出し、門兵に見せた。
『私はディビット国王直属に任務を依頼させている。ケイト・フェニックスである』
バッチにはこの国の紋章が刻まれている。
『プラチナのバッチ、それは最高職業熟練者にのみ与えられる称号。各職業において一番熟練だと王が認めた者にのみ送られる称号。失礼をお許しください』
門兵が頭を下げ、膝を地面につこうとすると、もう一人の門兵が止めた。
『いやまて、最上位戦力制度は9年前に廃止されている。プラチナのバッチを受けた者は全員死んだろ。あの事件を忘れたのか……』
どうやら彼女が王国をでてすぐに最上位戦力制度は廃止られていたようだ。王国に戻っていなかった彼女はそれを知らなかったのだ。
『プラチナバッチの誰かを殺して奪ったのだ』住人の誰かがそうつぶやいた。
門兵2人が顔を見合わせ頷くと、次の瞬間、彼女は捕らえられた。
『離せ、離せ。緊急事態なのだ』
彼女の力は弱く、屈強な男二人に腕をつかまれては抵抗できなかった。
『ようやくおとなしくなったか、牢獄に連行しよう』
『ドラゴンの親玉を捕らえたなんて、きっと俺ら昇格だぜ』
『やっと門の警備から解放だな』
門兵は彼女を両方から抱きかかえ門をくぐって行く。
中庭に差し掛かった時、彼女の上着のポケットからネズミのような生物が這い出てきた。ネズミは彼女の背中に回ると、右の門兵の首裏を噛んだ。驚いた門兵は彼女から手を放してしまった。そのスキに彼女は空いた右手で左側の門兵を振り払うと、王城の広間の門に向かって走した。
広間に向かって走る彼女をちょうど通りかかった騎士が気づき、止めた。彼女は門まであと少しのところで捕まってしまった。
『中では大切会議が行われているのです。どのようなご用件でここに来たのですか』騎士が聞いた。
『私は…』
彼女の言葉を遮るように門兵が叫んだ。
『ロバート様そいつはドラゴンの使いです。今しがた捕らえたところを逃げられたのです』
『もう一度聞く、君は誰だね?』騎士は門兵の声耳を傾けずに聞いた
彼女はしっかりと騎士の目を見てこう答えた。
『私は幻獣使いのケイト・フェニックスです。遥か彼方の東の森から参りました。ここに来るまでに見たものを王に伝えたく、ここを通してください。この国の存亡にかかわることなのです』
ブクマ、評価など頂けると嬉しいです。
章ごとに違うお話なので気になった章だけでも、どうぞ見て言ってください。
同じ世界戦の話なので繋がりはあったりなかったりしますが……。
個人的に好きなのは5章です。
よろしくお願いします。




