暴食之王
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スキルを発動した瞬間、俺の意識はそこで途絶えた。感覚的には海の底に沈んでいく様な感じだ。
体から黒いモヤの様なものが自分を中心に周りに広がっていった。
【暴食のスキルの暴走を確認。スキルを進化させ制御化に置きます。成功。これにより暴食のスキルはEXスキル暴食之王に進化します。敵対生物を吸収、それ以外を排除します】
誰に聞かれることもなく祥太の頭の中で声が響き、周りを喰っていった。
その広がる速さは速く、瞬く間に帝国の本部に到達しそこいた生き物は一瞬にしてその姿を消した。止まることなく帝国の方に伸びていきこっちに向かってきていたゾンビを喰って喰って喰いまくった。それでもなお止まる気配は見せず
先に帝国に向かっていた朱堂のチームを喰うことなく通り過ぎ帝国を飲み込んだ。
朱堂視点
「なんだこれ?いきなり後ろからやってきたと思ったら通りすぎていったぞ」
走りながら近くにいた、皇に質問すると
「分からない。けど前にいたゾンビが消えてくれたから早く戻りましょう。この黒いの帝国の方まで向かってるみたいだリリアたちが心配だよ」
「そうだな。みんなあと少しで到着する。そこまで頑張るぞ!」
朱堂や皇はとりあえず自分たちに危害が加えられないなら放置する事にして帝国に戻ることを優先した。
リリア視点
「ふ〜これで少しは時間稼ぎができると思うのですけど」
リリア達帝国に残っていたメンバーは、いきなり周りにいた人たちがゾンビに変わり襲い掛かっってきてパニックになりながらもなんとか撃退しながら全員部屋に立て篭もる事に成功した。しかし、扉の前にはゾンビたちが増え続けいつバリケードを破られてもおかしくない状況だった。
「いきなりなんだよこれ!?」
「街の中は安全じゃなかったのか!」
少しだけ心に余裕ができたのかクラスメイト達から不満の声が上がっていた。
「こんな肝心な時に朱堂達もいないしよー!お姫様!あいつら助けに来るよな!」
一人の男子生徒が、リリアに対して詰め寄り声を荒げた。そんな事には怯まずリリアは堂々と質問に返した。
「この異常事態に朱堂様たちも気づいているはずです。今こちらに頑張って戻ってきてくれてるでしょう」
その堂々とした振る舞いに男子生徒は言い返すことはできず渋々下がった。だがその答えになんの根拠もなく、ほぼリリアの願望であった。それに、ここで心が折れてしまえば何かあった時終わりだと思いここにいる人たちを勇気づける意味もこめてそう言ったのだ。
だが、その願いも虚しく大量のゾンビ達によって押された扉はバリケードが耐えられる許容限界を超え壊れ部屋になだれ込んできた。
一方向からしか来ないのでなんとか対応はできていたが、こちらは人間、相手はゾンビそこに体力という違いが絶対にあり、いずれ人間は体力が尽きる。尚且つ精神的にも疲れが出始めミスが出始め少しづつ怪我人が増えていき前線を維持できなくなった。
それは一瞬のことだった、リリアは王族としての責任感からかずっと前線で戦い仲間を鼓舞していたが、一瞬疲労により意識が飛んだがすぐに意識を戻した。けれどその一瞬でゾンビがリリアに肉薄しその強靭な顎でリリアに噛みつこうとした。
リリアは目をつぶり痛みを覚悟したが一向に痛みはこず、痛みどころか心地よい魔力が自分を包み込んだ事を感じ目を開けると黒いモヤが部屋の中に入ってきており、それに触れたゾンビたちが消えていくのを目撃した。
その光景に、釘付けになりながらも自分たちは助かったんだと思い座り込みながら安堵の息を吐いた。その中リリアは、自分を絶体絶命のピンチから助けてくれたこの心地よい魔力の持ち主は誰か考えるのだった。それから少し立って朱堂たちと合流し部屋の外に出た。
一方リーフレットでは
突如現れた魔物達に苦戦をしながらもなんとか一歩手前で食い止めれていたが、そろそろ限界も近かったそこに
「加勢します!」
心強い声が戦場に響いたと同時に城壁近くにいた魔物を光の刃で斬った。ノートとフィーリアは祥太に任された後、最高スピードでリーフレットに戻りなんとか食い破られる前にたどり着いた。そこからは一方的な殺戮となり裏側ではフィーリアが暴れており最悪リーフレットという国が蹂躙されるところだったのを二人だけで救ったのである。
この光景を見ていたリーフレットの兵士は二人のことを”双璧の女神”と呼んだ。
二人は魔物を全滅させた後、城にはよらず祥太の元に向かった。
黒いモヤは役目を終えたかのようにきた道を戻り、祥太の中に戻っていっていた。
【対象物の全滅を確認。EXスキル暴食之王の発動を停止。次回以降安全に使えます。お疲れ様でした】
その声と同時に祥太は目覚め、意識を取り戻した。
こうして一つの国。帝国が地図から消え、後に”大消失”と呼ばれる戦争であった。
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