戦争
場所を会議室に移して、これまでのことを説明することになった。
「まず、心配かけてごめんなさい。あと、妹のリアを助けてくれてありがとうございます。そして、私のフルネームはエリサ・リーフレットこの国の第一王女です。黙っていてごめんなさい。そして、どうして私がここにいてしかも女王なんてやってるか説明します」
エリサさんは、頭を下げてから真剣な顔で話し始めた。
私はあの時、頭痛のせいで体調が悪く部屋の中で安静にしてました。ギルドマスターが念の為と冒険者を部屋の護衛を頼んでたみたいなんですが、スタンピードが予想以上の規模で私は市民の方を守るために少しでも戦力が多い方がいいと思い、冒険者の方に私の護衛ではなく街の守りの方に行ってもらいました。ずっと頭痛で寝込んでいたんですがしばらくすると、パタリと頭痛がなくなりました。なぜ治ったのか分からなかったのですが、今の現状を一刻も早く知りたくてギルドに行こうと扉を開けたらフードを被った二人組に眠らされました。病み上がりだったこともあり、碌に抵抗もできずに、次に目を覚ましたらこの城のベッドに寝かされていました。
私は、様子を見にきたメイドを見て、連れてこられた場所がリーフレットだと知りました。私は当初はすぐに戻ろうとしたのですが、この国の現状を聞き帰るに帰れなくなりました。今現在この国は帝国によって滅亡の危機に陥ってます。リーフレットは、たびたび帝国に攻められていたそうです。でも、森の中はエルフの領域全て返り討ちにしていたそうです。それがある日、一人の冒険者を保護したそうです。その冒険者は、魔物に襲われそうになったエルフに子供を助けて、送り届けてくれました。
(俺らが来た時と、同じ状況だな)
リーフレットの市民は、これまでの戦いで心が疲れていました。そこに、人が子供を助けてくれたその知らせは嬉しいものでした。快く冒険者を中に入れました。でも、その判断は間違いでした。そいつは、冒険者のフリをした帝国兵でした。その男の滞在三日目、帝国はまた襲撃してきました。いつものように返り討ちにできると誰もが思っていました。中にいた帝国兵が、門を守っているエルフを殺し、門を開け中に帝国兵を招き入れたんです。そこからは、地獄だったそうです。女性や子供は捕まり、私の母も人質にとられ帝国に連れてかれました。王族はまだ、幼いリアしかおらず戦争するにも旗印としては弱く、しかも流石に幼い子供を戦場に連れて行くのは抵抗があったようです。そして、昔にリーフレットから出て行った私を旗印にしようと動き始めました。そしてスタンピードのあの日私を見つけた二人の密偵がローレンに入りました。私は別に顔を隠してたわけではないのですぐに見つかったそうです。
(あの兵士が話を聞こうとしなかったのも納得だな)
「ちょっと待ってくれ、もしかしてスタンピードを起こしたのって」
あまりにもエルフにとって都合が良すぎて、俺はもしかしたらと思い質問した。
「そんなことは、ありませんので安心してください。もしそれが事実なら私はここに座っていません」
エリサがキッパリ違うといい、その言葉を信じることにした。
「分かった。エリサの言葉だから信じるよ」
「ありがとうございます」
「で、エリサは何をしようとしてる?ただ、今まで座ってたわけじゃないんだろ?」
「はい。私はこの国の現状を見て、そしてこれからの帝国の行動を考えると戦うしかないと思ってます」
エリサの口から出てきた言葉は、戦争するという言葉だった。
「本気か?」
「はい。私は本気です。戦わなければ守るものも守れない。私はこの国の第一王女、いえ女王としてこの国を守ると決めました」
エリサの目を見れば、覚悟がしっかり伝わってきた。
(これは何を言っても無駄だな。ひかない目をしてる)
「でも、相手には人質がいるんだろう?人質がいる状態じゃ戦えなくないか?」
「翔太さんの言う通りです。私たちはまず、人質の奪還及び生死の確認です」
「もし死んでた場合は?」
「その時は、遠慮することなく帝国を滅ぼします」
エリサさんから表情が抜け落ち、無表情でそう言った。
「なぁ、その人質奪還俺たちにやらせてくれないか?」
「翔太さんたちは無関係です。無理に危険に突っ込むことは」
「水臭いこと言うなよ。ノートがお世話になったし、それにエリサにはそんな表情は似合わない。だから、俺たちに任せてくれ」
俺は目を逸らさず、見続けた。
「はぁ〜、相変わらずお人好しですね。それに、人間である翔太さん達の方が潜入に向いていますしね。分りました。リーフレットの女王エリサ・リーフレットが依頼します。捕まったエルフを取り戻してください!」
「その依頼、承りました」
俺はその場のノリでかしこまって言ってみた。
「ふふ、ただし危ないと思ったらすぐに逃げてくださいね」
ようやく、笑ってくれたエリサに
「大丈夫だよ。俺たち最強だから」
安心させるように笑いかけながら答えた。心の中でこの笑顔を曇らせないように絶対助けると誓って俺たちは会議室を出た。
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