転送
ようやくダンジョンを脱出できそうです!
「さっきからボコボコ吹き飛ばしすぎなんだよ!」
「うるさいわね。私の部屋に勝手に入っておいて」
「は?ここお前の部屋なの?」
「なにあたりまえ・・・どこここ?」
彼女はあたりを見回すとそう言った。
「勘違いで俺を二回も吹き飛ばしたのか?」
俺はジーっと彼女を見て質問した。
「えっとあのその・・・ごめんなさい」
さっきまでの勝気な雰囲気がなくなり勘違いで俺を吹き飛ばしていたのを自覚したのか彼女は謝ってきた。
「まぁ勘違いは誰にでもあるからな。謝ってくれたからもういいよ」
「ありがとう」
彼女は先ほどまでの勝気な笑みじゃなくて、柔らかく微笑んだ。俺は不覚にもその微笑みにみとれてしまった。その事実を隠すために俺はすぐに質問した。
「ここがどこか見覚えはあるか?」
彼女はもう一度見回してみると
「いや、見たことはないわ。初めての場所だと思う」
「そうか俺がお前を「ねぇ、そのお前ってやめてくれない」み、なんて呼べばいいんだ?」
「普通にフィーリアでいいわよ」
「そういえば俺は自己紹介してなかったな、立花祥太だ。祥太でいい。召喚されてこの世界にやってきた」
「えっ!祥太って勇者なの?」
「違う違う、勇者は別の奴がなってるよ。俺はただの村人だよ?」
「なんで疑問形なのか分からないけど異世界人なのね?」
「あぁ」
そう答えるとフィーリアは子供っぽい表情をうかべてこっちを見てきた。
(こいちこんな表情もできるんだな)
「異世界人って珍しいのか?」
「だいぶ昔にいたみたいだけど「いたのか!」・・うん」
「その人は元の世界に帰ったか?」
「昔に聞いた話だからどうなったかまでは覚えてないわ」
(帰れる希望になると思ったが、そんな上手くは進まないか)
「帰りたいの?」
フィーリアは質問してきた。
「当たり前だろ。いきなり家族と引き離されたんだから、まぁここを出ることをできたらの話しだけど」
「話が脱線したわね。結局ここはどこなの?」
(そういえば、そんな話だっな)
「ここはエルドリア王国の所有するダンジョンの中だよ」
「王国!ダンジョン!?どうしてそんなところに」
フィーリアはとても驚いていた。
「もしかしてなんでここにいたのか覚えていないのか?」
「えぇ、記憶が虫食い状態で思い出せない」
頭を抱えて必死に思い出そうとするが思い出せなかったらしい。
「俺がフィーリアを見つけた時は大きなクリスタルの中に入っていたぞ」
「なによ、大きなクリスタルって・・・ダメだわ何も分からない」
「どうしたものか」
俺はここからどうするか考えた。
「すぐに出れないの?」
「フィーリアを見つける前に俺はここを探索していて階段もなければ、魔法陣もなかったんだよ。今までそのどっちかで移動してきたんだ」
「そうなの。ならまた探索してみましょう!魔王の娘である私がいれば気づかなかったことに気付けるかもしれないし」
「そうだな。期待してるよ」
今度はフィーリアを連れて探索を開始した。探索の間お互いに色々質問をした。
「なぁ、俺たちは魔王率いる魔王軍が他種族に攻め入られてて、それでこの世界に召喚されたんだがなんでフィーリアはなにか知らないか?」
「えっ!魔王軍が攻めてるの!?」
「あぁそう聞いたけど」
「お父様はそんなことする人じゃないのに私が寝ている間に何があったの?」
フィーリアは一人で考え始めてしまった。
「おいっ!ここで考えても想像の域をでないんだから早く探すぞ!」
「えぇそうね。今はここから出ることだけを考えましょう」
しばらく探していると
「全然見つからねぇ。ここがゴールなのか?でも出口ないし」
「見つからないわね。本当にあるのかしら」
「一回休憩するか」
一旦俺たちはその場に腰を下ろして少し休憩することにした。
(ふ~疲れた。どうしてなにもないんだ出口はあるはずだ。じゃなきゃ干渉してまでここに転送されるわけないよな。誰かは分からないけどきっとフィーリアに会わせるために飛ばしたとみて間違いないだろうけど)
そう考えながらフィーリアの方を見た。
「ん?どうしたの?」
「いや、本当は次の階層に転送されるはずだったのに何かに干渉されてここに飛ばされたんだよ」
「それって」
「あぁ、フィーリアに会わせるために飛ばしたんじゃないかって思ってね」
「でも、誰が?」
「さぁ?それは俺にも分からないけど、でも久々に人と話せたからここに来れてよかったとは思ってる」
「そう」
少しの間沈黙の時間が続いて、しばらくするとフィーリアが何かに気付いた。
「ねぇ、あなたの下にうっすらと何か描いてあるような」
「えっ?」
俺は立ち上がって見てみると確かに何か描いてあった。
「なんだこれ?」
俺たちはそれを詳しく調べてみたら、どうやら次に行くための魔法陣だと分かった。
「見つけたわね。だけど」
「あぁ起動してないな。これどうやったら起動するんだ?」
「私が知ってる方法で二つあるは、一つは魔力を流す、もう一つは血を垂らす。でも基本的に転送系の魔法陣は悪用されないように二つの方法とも適正を持っている人のじゃないと起動しないの」
「そうなのか、でもあれだけ探してこれしか見つからなかったからやるだけやってみよう。別にペナルティとかはないんだろ」
「えぇないわよ」
「よし!やるか」
俺たちはまず交互に魔力を流してみたが起動はしなかった。
「次は血か、」
「えぇ、まず私からやってみるは」
そう言って、フィーリアが血を垂らすと一瞬光ったがすぐに光が収まった。
「いま起動しかけたよな?」
「光ったから起動したと思ったんだけど」
次に俺が血を垂らした瞬間
パァアアアアアアアアアン
「うわ!起動した?」
「起動したわ!行きましょう!」
フィーリアは俺の手をつかむと魔法陣の中に入った。
「おいっ!ちょっとまっ」
光が収まると二人の姿はどこにもなかった。
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次回更新は2月20日土曜日になります!




