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[転生したら心臓を契約の代償にされました]  作者: ニルム
第一章 ~世界の始まり~

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第三話 ~冒険者~

前回、ルアは冒険者たちと共に街へ辿り着き、自分が本当に異世界へ来たことを確信した。

そして今回は、冒険者ギルドでの登録へ。

この世界の「契約」とは一体何なのか__。

街へ入るため、俺はオルセたちと巨大な門へ向かう。

門の前には鎧を着た門番が立ち、行商人や冒険者が次々と身分証のような物を見せて中へ入っていく。

俺は立ち止まる。


ルア「……身分証?」


オルセが笑う。

「嬢ちゃん、持ってねぇのか?」

俺は苦笑いするしかない。

[記憶を失った]という話を聞いた門番は警戒するが、オルセたちが保証人になり、仮入国を許可してもらう。

街へ入る。

石畳の道。

武器屋、防具屋、屋台。

耳の長い種族や獣人らしき人物も普通に歩いている。

ルアは圧倒される。

(本当に異世界なんだ……。)

オルセ「珍しいか?」

オルセ「ここら辺で有一多種族が住んでいる都市だからな!」

オルセが言う。

「まずは冒険者ギルドだ。」

ルアは首を傾げる。

「ギルド?」

「魔物を倒したり依頼を受けたりする場所だ。」


ギルドへ入る。

酒場のように賑やかな空間。木製の長机では冒険者たちが酒を飲み、豪快に笑い合っている。奥には受付カウンターが並び、忙しそうに書類を整理する受付嬢たちの姿が見えた。

壁一面には無数の依頼書。武器や防具を身に着けた者たちが真剣な表情で依頼を選んでいる。

ルア「……すげぇ。」

思わず声が漏れた。

オルセ「ははっ、驚いただろ?」

オルセが笑う。

「ここは冒険者が集まる場所だからな。朝から晩までこんな感じだ。」

その時だった。

「おっ! オルセじゃねぇか!」

奥の席から大柄な男が声を掛けてきた。

大柄な男「西平原の依頼だったんだろ? 今日はどうだった?」

オルセ「あぁ、問題なく終わった。」

オルセは軽く手を挙げて答えると、俺の肩に手を置いた。

「それより今日は新入りを連れてきた。」

その一言で、ギルド中の視線が一斉に俺へ集まる。

「……。」

(な、なんだよ……。)

居心地の悪さに思わず肩をすくめる。

「おいおい、珍しいな。」

「こんな若い子が冒険者になるのか?」

「銀髪か……綺麗だな。」

「可愛い嬢ちゃんじゃねぇか。」

あちこちから好き勝手な声が飛んでくる。

(……俺に言ってるのか?)

何とも言えない気持ちになり、思わず視線を逸らした。

「お前ら、からかうな。」

オルセが低い声で言うと、冒険者たちは苦笑しながら元の会話へ戻っていく。

「ほら、行くぞ。」

オルセは受付カウンターへ向かって歩き出した。

受付に立っていた女性は、にこりと微笑む。

「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「この子を冒険者登録してやってくれ。」

受付嬢は俺を見つめると、小さく頷いた。

「かしこまりました。それでは、お名前を教えていただけますか?」

ルア「ルア・アーク...です..。」


受付嬢「それでは、契約している相手を教えてください。」

(契約……?)

思わず言葉に詰まる。

オルセたちも不思議そうな顔で俺を見ていた。


ルア「えっと……契約って?」


その一言で、受付嬢の笑顔がぴたりと止まる。

受付嬢「……ご存じないのですか?」


ルア「すまない。覚えてなくて....。」


オルセが苦笑しながら口を開く。

オルセ「この嬢ちゃん、名前以外ほとんど覚えてねぇんだ。」


受付嬢「なるほど……。」

受付嬢は納得したように頷く。


受付嬢「この世界では、契約を行い、契約相手から力を授かります。」


受付嬢「契約相手には、精霊、魔獣、聖獣、悪魔、天使、神獣……そして神など、さまざまな存在がいます。」


「契約相手によって扱える力や才能は大きく変わります。」

「冒険者登録自体は契約相手が分からなくても可能ですが、分かっていた方が依頼の選定や実力の把握がしやすくなるため、確認をおすすめしています。」

受付嬢はカウンターの下から透明な水晶を取り出した。

「この水晶に手を当ててください。」

「契約相手と契約が成立している方であれば、反応が現れるはずです。」


受付嬢は透明な水晶をカウンターへ置いた。

「それでは、この水晶に手を当ててください。」

「契約相手と契約している方であれば、何らかの反応が現れます。」

俺は言われるまま、水晶へ手を伸ばした。

ひんやりとした感触が手のひらに伝わる。

ギルド内が静まり返る。

数秒が過ぎた。

しかし__。

何も起こらない。

受付嬢は首を傾げた。

「……反応がありませんね。」

オルセも腕を組み、不思議そうな顔をする。

「壊れてるってことはねぇよな?」

受付嬢は自分で触れる。

淡い青色の光がゆっくりと灯った。

「水晶に異常はありません。」

「おそらくルアさんは契約をしていないようですね。」

「ですが、契約相手が確認できなくても冒険者登録は可能です。」

(契約...。)

「では、このまま登録を進めますね。」

受付嬢は紙を取り出し、ペンを走らせ始めた。

「最後に、ランクを決めるための簡単な適性試験を受けていただきます。」

「試験……?」

オルセがニヤリと笑う。

「安心しろ。死ぬようなもんじゃねぇ。」

第3話を読んでいただきありがとうございます!


今回はギルドと「契約」という、この世界の重要な設定が登場しました。

次回も物語が少しずつ動き出しますので、ぜひお楽しみに!

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