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年下男子はお断りです!  作者: 篠宮かおる
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(10)再終話

「えぇー!お兄様の婚約者ってマリちゃん!?」


「そうなの。驚いた?」


「驚くに決まってるじゃない!いつの間に…」


3年ぶりにマリちゃんに会った。マリちゃんは、なにも言わず国を出た私を責めることはなく、おかえりと笑って言ってくれたのだ。どれだけ嬉しかったことか。

そして、今までのことを掻い摘んで話したあと、マリちゃんからまさかの衝撃発言を聞かされた。


「えへへ。いつだったかな。奈緒ちゃんの代わりにリュート様がマリを送ってくれたことがあったでしょ?その時に色々話して、仲良くなったんだ。」


確かに3年前、行くと言って聞かない私に、お兄様は僕が行くからと、マリちゃんを送ってくれた。でも、そんな前から交流が深まってたなんて。私が飛び出すまで、少し時間があったと思うのに、そんなこと一言も…


「マリね、途中で本気でリュート様のこと好きになって、ダメ元で告ってみたんだ。フラれるっていうのは分かってたから。だって、平民の女の子と次期侯爵、それに、私のほうが3つも上だからね。勿論最初リュート様は断ったんだけど


『そうですよね、私は平民ですもんね。分かってました。そんなことくらい。でも伝えておきたかったんです。』


『違います!身分が、どうとかじゃなくて…僕は、ノアが望むならノアと一緒にその国で暮らしたいと考えていて。そうなったら、侯爵の籍も返上しますし、平民として、暮らすつもりですから。だから、そんな苦労を貴方にかけたくないんです。』


『それだけが理由ですか?私に苦労をかけたくないと?なら問題ありません!私の方が平民としての暮らしに慣れてますから、平民の暮らしを教えることもできますし、むしろ養ってあげます!それに、行ったことない場所に行くなんて、楽しみ以外なにもありません。』


『マリベナさんが僕を養う?ふふ、その発想はなかったですね。でもそれだと最低人間じゃありませんか?』


『甘える相手が私限定なら最低ではありません。むしろご褒美です。』


『マリベナさんのそういう所が好きです。こんな僕で良ければ僕と生涯を共に生きてください。』



って!もう胸きゅんが止まらなかった~」



確かに…お兄様の色気と声でそんな甘い言葉を囁かれたら、死ねるかも!


「私も見たかったなー。ん?マリちゃん、お兄様に養うって言ったの?」


「うん、そうだよ。リュート様のためならマリ頑張るもん。」


結婚はしないって断言してたマリちゃんが結婚だなんて、マルベス様に聞かせたかったな。きっと、泣いて喜ぶに違いないのに。


(あれ?お兄様を養うってマリちゃん言ってたよね。なんだかそんな話の展開を聞いたどこかで聞いた気が…)


この世界では男性が女性(=妻、恋人)を養うのは当然だが、女性が男性を養うのはありえないとされていた。のだが、ある小説家が、その風潮を壊し、一時期すごく話題になっていたのだ。まぁ、私は人伝にきいただけで読んではないんだけど。


「ねぇマリアンヌって、知ってる?」


「マリのペンドルネーム。」


「やっぱり。」


この世界にツンデレなんて言葉あるんだ!?と思ってたけど、まさか流行らせたなんて。それよりマリちゃん凄くない?そんな有名小説家だったなんて。


「王子もファンだから、知ったら喜ぶだろうね。」


「グレン様も見てくれてるんだー!マリ、嬉しい~ねぇ、次回作、国を追い出された女の子と、後悔して女の子の後を追う男の子の話にしようと思ってるんだけど、どうかな?」


どうって言われても…


「私達のことじゃないよね?」


「勿論奈緒ちゃんとグレン様の元ネタに決まってるじゃん!こんな純愛、きっと皆喜ぶよ。」


そんな本出されて、もし私と王子が元ネタになってるって知られたら…無理無理、恥ずかしくて死ぬ!


「絶対嫌!」


「奈緒ちゃんはマリの義妹になるんだよね?義姉の役に立てるんだから勿論了承してくれるよね。」


結論を言えば?マリちゃんを止めることは出来なかった。けれど諦め切れない私は、王子が反対すればマリちゃんも諦めると思い、王子に事の事情を話したのだが、昔からマリアンヌ先生を慕っている王子は、二つ返事で了承してしまい、むしろ多額の援助金までだす始末で。いや、本当アテにならなさすぎるでしょ…


タリスミア王国だけにとどまらず周辺諸国で扱われるこの本の売上はそれは、それは素晴らしいものとなった。けれど書籍だけには留まらず何故かミュージカルまで始まり、後世に残る歴史的恋愛話となったのだった。


めでたしめでたし


いや全然、全然良くないんですけど!








マティス:「ふむ、結局最後まで登場することはなかったな。卒業パーティーだって参加していたのだが。」


グレン:「しようがないよ。マティスは、ほら作者から好かれてないから。」


マティス:「うーむ、なら仕方ないな。」


グレン:「マティスのそういう潔い所嫌いじゃないよ。」


マティス:「俺もグレン様のことは大好きだ。」


ノア:「何馬鹿なやり取りしてるのよ。ほら、皆待ってるでしょ。早く来なさい。」


マティス、グレン:「はーい」×2

ご愛読ありがとうございました。1年ちょっと、かかりましたが最後まで描ききれたこと本当に嬉しく思います。見てくださった皆様の応援もあり、こうして今を迎えられたと思います。本当にありがとうございました!

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