⑴フェリス
省略しすぎの結末だったので、もう少し続けたいと思っています。良ければご付き合いください。
「ココノア!」
「またここにきたの?」
「ココノアも俺に会いたいっと思ってな。」
「ふふ、残念、ノアには僕がいるので貴方は必要ないですよ。」
「まだいやがったのか。ココノアを手放したお前がココノアに付き纏うな!」
「僕は了承していませんから。」
「なに馬鹿なことを。ココノア、嫌ならハッキリ断れ!」
「断ってはいるのですが…グレン、貴方いつまでここにいるつもり?国に戻らなくても大丈夫なの?」
「大丈夫です、今回こちらにきたのは交渉ですから。国王の命で。」
「交渉?」
「えぇ。とりあえず3ヶ月はこちらにいさせてもらうつもりです。」
「嘘おっしゃいますね。でん、坊ちゃん。」
「あ、お兄さん!」
音も気配もなく、平然と隣の隣の席でコーヒーを飲んでいたその人は、いつの日かの“影“のお兄さんだった。
「お久しぶりです。」
「グレンのお守りかしら、ご苦労様ね。で、何が嘘なの?」
「坊ちゃんはずっとお嬢ちゃんを探してたんだよ、で、見つけたと報告受けた時から何かしら滞在する理由を付けては時間調整を…」
「アルガーナ、死ぬ準備はできているかな。」
「坊ちゃん、ここはただのカフェなんですから、そんな物騒なことは辞めましょう。」
「ま、とにかくしばらくはガイ殿のお世話になります故、よろしくお願いします。」
「ん!?どういうことだ、もしかしてお前が、これから来ると言われているタリスミアの…」
否定も肯定もせず、殿下はにっこり笑った。
「でもココノアは、こいつの婚約者だったと言っていたな。ということは、他国の令嬢ではないか!?なら、周りを説得するのも容易いに決まってる!」
「私は家をでた親不孝の娘ですよ、今更貴族ということに期待はしないでください。」
「ノアの名は除籍していないよ。」
「なぜ、ですか。お兄様。」
「僕と父上は、君の帰りを待ってるから。薄情な兄を許せとは言えない。僕はノアにまた会えたからそれで十分だ。でも父上には会ってあげてくれないか?ノアがいなくなってからは酷く落ち込んでいたから。」
「お、とうさま。」
私が自殺したその後、お母さんは絶対後悔している。きっとそうだと思っている。だからこそ、今度は親孝行しようと思っていた。でも、また私は両親を傷つけてしまったに違いない。
「わかりました、お兄様。お父様には精一杯の謝罪を致します。お兄様も、その場にいてくれますか?」
「勿論、ノアが殿下と一緒に居たくないのなら殿下がこっちにいる間に戻ろう。」
「リュート、何を言っているのですか。」
「家族の情は残っているとしても、元婚約者の、それも婚約破棄をしてきた婚約者の傍にいたいとは普通思いませんから。」
「リュート、貴方ね。」
「ノア、聞いて?もしノアがこっちに残りたいというのなら僕達も移住できるよう準備は進めている。だからその時はこっちでみんなで暮らそ?貴族としては難しいだろうから、平民としてになるだろうけれど。」
「私のために、そこまでして、くれるんですか?わたしは、だって、勝手に家を出て、お兄様方に非常に迷惑を…」
「できるなら家族と共に居たいのは皆同じだろ?」
「お兄様。」
涙が零れ落ちそうだった。最近は泣いてばかりで涙腺が弱くなったのかも…
「ココノアの家族がこちらにやってくるのなら俺が歓迎する。男爵か子爵か、それで良ければ貴族籍も用意するぞ?タリスミアの王子の元婚約者ならばどうしても爵位は低くなってしまうと思うが、出来によっては上がるだろう。この国は実力主義な所があるから。」
「ガイ様。」
「そうなったらココノアも俺の婚約者に問題なく、なれるだろう?」
なんでだろう、ガイ様がとても頼れる男に見えてしまう。
「ガイ殿下、ご配慮ありがとうございます。」
「ちょっと待ってください!僕は絶対にノアを連れて帰りますからね!!」
今日もカフェ、フェリスは賑わっている。




