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年下男子はお断りです!  作者: 篠宮かおる
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49.マティス=クロノワールは鈍感である。

我が家は大体騎士の家系だ。王家に忠誠を誓い、曽祖父の代から王国騎士団長を務めていた。ということは、王家からの覚えも良いため、1つ下の第1王子グレン様の従者として小さい頃から傍にいた。


グレン様は素晴らしい方だ。大抵のことは少しやればできるし、賢い。だからこそ身分も加え、他の子とは相容れないようだった。年齢に比べ、精神年齢が高すぎるのだ。声には出さないけど、いつも遠い目をして窓の外を見つめていた。俺がグレン様の望む関係になれたら良かったのだけれど、難しい相談だった。

そして、7歳の婚約者を決めるパーティー。グレン様はノア嬢を選んだ。1回だけノア嬢と会ったことがあるといっていたが、前回と今回では様子がどうも違うらしい。前はキラキラした目を向けていたが、今回は1歩控えめに下がっており、早々に退散したらしい。そして自分の都合に沿わない場合、癇癪を起こす令嬢がどうやら人助けをしていたやら。


グレン様はノア嬢に興味を抱いたらしい。いつも楽しそうにノア嬢の話をしている。

完全にグレン様はノア嬢を好いている。のは確実なんだが…


どうやらノア嬢は俺より鈍いらしい。


「ノア嬢は、その、グレン様がカティー嬢のことを好いていると思っているのか?」


「えぇ。」


なんでそんな話になったのか、ノア嬢の言葉が衝撃的過ぎて忘れてしまった。いやとにかく、今はこっちが優先だ。


「グレン様はカティー嬢のことを好いてはいないぞ。」


「クロノワール様は、その、人の気持ちに鈍感な所がありますから。私には分かります。」


「うむ、俺はよくグレン様と話をするがカティー嬢の話はされないが。それよりノア嬢の名がよく上がるんだがな。」


「王子は思い込みを実践しているのです。アルヘルド様に心が傾いているのに、私と婚約解消することが出来ないのですから。だからアルヘルドのことを諦め、私のことを好きになろうとしているのです。」


グレン様からは、ノア嬢が婚約を解消したがっているという話を聞いていたが、婚約を解消したいのはグレン様の方?いや、そんなはずは無いだろう。だってグレン様はノア嬢のことを好いているのだから。何故ノア嬢はこんな勘違いを…


「何故、そう思うのだ?」


「グレン様の初恋相手はアルヘルド様ですの。心の中で探していた初恋の相手が目の前に、こんなに近くにいるのですよ。結婚したいに決まってるじゃありませんか。まぁクロノワール様には分からないと思いますが。」


初恋の相手。そんな話聞いたこともないが。いやでも人の機微に鈍感な俺のことだから、話してもしょうがないと思って話していないのかも。それに初恋の相手の話なんて普通自分の胸の内に秘めているものか。

俺にはまだ恋というものがよく分からないが。


「1度今のノア嬢の気持ちをグレン様に伝えたほうが良いのでは?」


「私が言ったところで王子は、はぐらかすだけですわ。そうでなきゃ、自分からアルヘルド様が好きだと言っていますもの。所詮私は侯爵家の後ろ盾を得るためだけの存在ですもの。という訳でクロノワール様が伝えていただけないかしら。自分の思いを捨てても国王になりたいかと。」


「は、はぁ。」


「ちなみに私は一夫多妻制なんて反対ですとお伝えください。お願いできませんか、クロノワール様。」


「つ、たえるだけ伝えておく。」


「ありがとうございます!」


そうこうしているうちに休憩は終わり、クラブは再開した。


ちなみに今日のことをグレン様に話したのは今から1週間後のことだった。

俺としたことがすっかり忘れていたのだ。やはり俺は剣を振るうことしか出来ないらしい。




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