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年下男子はお断りです!  作者: 篠宮かおる
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46.悪役令嬢は謹慎なんか致しません

ノア=パンドュースが、カティー=アルヘルドを突き落とした。

という噂は瞬く間に広がった。

結局ヒロインは床に衝突した影響により脳震盪を起こし、足を捻挫したがそれだけで済んだ。

だが、事が事なので、学園側も無視することは出来ないようだった。


「ですので、私は何もしておりません。あの方は足を滑らせ落ちたのです。」


「パンドュースさんを私はクラス・クラブと見ておりますが、人を突き落とすという浅はかな行為をする人ではありません。」


クラス担任であり、剣術クラブ担当であるカルク先生は私のことを信じてくれている。というのに当の私は、リード・カルクルートにこんな場面あったなぁと思い出しながら先生を見ていた。


「うーん、私もそう思いますよ。優秀で冷静なパンドュース君が、そんなことをするとは思っていません。」


どうやら学園長も私のことを信じてくれているみたい。普通だったら、ヒロインの援護をしてもおかしくないけど。いや、学園長は範囲外なのかな?


「彼女はなんと?」


「覚えていないと。だが背中を押されたような気もすると。」


「そうですか。私は、退学ですか?」


「退学にはしません。しかし、もうすでに学園中にアルヘルド君はパンドュース君に突き落とされたという噂が流れ始めています。なにしろ君は有名人ですからね。で、噂というのは時間が解決してくれることもありますが、パンドュース君はどうしたいですか?」


時間が解決してくれることもある。でもそんな簡単に収まる訳もなく、例え停学から復帰しても私は悪意の目を向けられるだろう。


「私に落ち度はありませんもの。謹慎をうける意味がわかりません。」


「謹慎ではなく、休学を認めるとしても?」


「はい。」


「君の気持ちは分かりました。とりあえず、今日の授業はもうすぐ終わるので、今日は帰って明日に備えなさい。」


「ありがとうございます。では失礼します。」


学園長室を後にし、ユランやココリア達のいる寮を目指す。とりあえず今は疲れたので、癒されたい。


それにしても、やっぱりゲームとは少し違うみたいだ。ヒロインは確かに階段から突き落とされるが、それは私ではなく、取り巻きの1人がノアに命令されたからだ。その時は、現場をハッキリ目撃した人が証言し

たためその子は退学となったのだった。


「まぁ自作自演に目撃者がいたら、すぐ嘘だとバレるものね。」


下手したら、人殺しになりそうな罪までは背負えない。私は、なるべく穏便に婚約破棄されたいのだから。


※※※


「ん、あら、私眠ってたのね。」


寮に戻るとすぐベッドにダイブした覚えはあるが、そのまま眠ってしまったみたいだ。いつの間にか窓の外は暗くなっていた。今は何時なのだろうか。

まるで、私が起きたのを計ったかのように寝室の扉が空き、ココリアが入ってくる。


「お目覚めですか。お嬢様。」


「えぇ、よく眠れたわ。」


「そうですか。お夕食はどう致しましょう。」


「お腹空いちゃった。用意してくれる?」


「かしこまりました。それはそうと、リュート様と殿下よりお手紙を預かっています。」


「あら、そうなの。」


どうせあの話のことだろう。お兄様は私を心配しているような手紙だろうけど、王子から手紙とは。幻滅したみたいな手紙だろうか。そんなことわざわざ手紙にしなくても明日直接言えばいいのに。


「リュート様よりお聞きになりました。お嬢様は、その、大丈夫でしょうか。」


「大丈夫も何も何もしていないんだから、心配なんかしなくていいわ。それより貴方は今から他の勤め先を探しなさい。休みをあげるから。ユランやターナも休みが取れるよう貴方が調整しなさい。」


「これは、お嬢様が言っていた夢の直前ですか?」


「直前という訳ではないけど、あともう少ししたらね。」


「お嬢様は、本当にそれでいいんですか?」


「ふふ、冒険者とか護衛とか楽しそうでしょ?」


「…お嬢様は変わった方ですね。私は最後までお嬢様のお傍に居させていただきます。。」


「そ、う。ココリアもだいぶ変わってるわよね。でもありがとう。それはそうと他の2人にはさりげなく話を持ち出しておいてね。」


「かしこまりました。ではお食事の用意をさせていただきます。」


一旦ココリアは寝室を出てしまった。準備が整うまで少しは時間がかかるだろうし夕食、いや夜食を食べる前に2人の手紙を見ることにした。

案の定、お兄様の手紙は私のことを心配している内容だ。今日は夜も遅いし、今から手紙を届けるのもなんだ。明日会いにいこう。

次にと王子の手紙を開く。夏イベ以来関わりも少なく、その時も色々言われたから、今回の手紙も次期王妃失格だ!というような内容かと思ったけど、意外にも私のことを案じているような内容だった。


『1つ言っておくけど、ノアとの婚約を解消することはないから。』


そして手紙の最後には、まるで私の行動を読んでいたかのような一言が書かれていた。


ターナとは、寮内でノアのお世話をする女性の使用人です。

ちなみに使用人はココリア・ユラン・ターナの3人います。

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