39.マリベナは考える
「うーん、そんなことかいてなかったからね。」
「だよねーーー。どうしよう、マリちゃん。」
マリはこの世界が、前世でやっていたゲームと同じということを知っている。モブですらないマリにとっては、ゲームの進行は気になるけどそこまででもない。けどキーパーソンにあたるなおちゃんにとっては重要だということは勿論わかっている。
「とりまいくしかないでしょ。ゲームの強制力というものがあれば、たまたま街に言った日に出くわすかもだし。それか攻略者に街にいく予定があるかきいてみたら?」
分かってるけど、こんなことしか言えない。これ以外思いつかないし、マリは今も昔も頭のいいほうじゃないし。
「街にいく予定かぁ。それアリだね。でもマティスやリードになると聞にくいんだよね。あんまり関わり深くないし。」
「まぁでも、ヒロインは記憶持ちだったらなおちゃんが何もしなくたってゲーム通りに行動してくれるんじゃない??」
「そうかなぁ。」
「なんとかなるよ。」
「とりあえずリュートとグレンに聞いてみるね。ありがとう、マリちゃん。いつも助かってます。」
「マリもゲームの進行聞きたいからいいんだよ。こういうのなんていうんだっけ?あ、一石二鳥だ。」
「なんか違うような気がするけど。」
「ま、頑張って。なおちゃん。また話聞かせてね。」
「ありがとう、マリちゃん。」
夕日も傾いてきたということで、馬車を用意してもらい、屋敷を後にした。
「送っていただきありがとうございました。」
家の前までだと目立つから、なおちゃん達がいつも止めている人気の少ない少し離れた所に、下ろしてもらうのは毎度のことである。
しかし今日は話しすぎたみたいだ。いつもよりだいぶ薄暗いので、足早で家路を急ぐ。
「明日から仕事かぁ。楽しいっちゃ楽しいけどやっぱり憂鬱だよね。」
ガサガサッ
何かが近づいてくる音がする。動物かもしれない。でも本能的に全力で走る。
(誰か誰か誰か。)
息は上がって苦しいし、涙が溢れ出てくる。
「マリベナ。」
自宅まではもう少しある距離だった。でもそこにおじいちゃんはいた。
「いつもより遅かったから迎えに来たよ。心配性でごめんね。」
なにも言わず抱きつくとおじいちゃんは優しく頭を撫でてくれた。するとさっきまでの恐怖が嘘のように和らいでいくのを感じた。
「あ、りがと。」
「さぁ帰ろう。」
おじいちゃんは気も利くし優しい。なおちゃんが慕うのは当然だと思う。マリの自慢のおじいちゃんなんだし。




