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『ドワーフのおとちゃんに拾われた転生児、魔力解析チートで成り上がります』  作者: 草野いずみ


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第13話 フローリアと“ひかりの練習”



フローリアがギルドの外の草原に立っていた。


風で白銀の髪が揺れて、朝の光がよく似合っている。




ぼく


「フローリア先生!」




フローリア


「レン、こっちへいらっしゃい。


今日は“はじめての魔法”の練習をしましょう」




おとちゃ


「……本当にやるのか? まだ5歳だぞ?


 まだ朝飯も消化してねぇぞ?」




フローリア


「大丈夫よ、危険なことはしないわ。


 今日は魔力の“触り方”だけ」




ぼく


「触り方……ですか?」




フローリア


「そう。


魔力をね、“乱暴に出さないように制御する方法”よ。


昨日みたいに鉄鉱石を暴走させないようにね」




おとちゃ


「やっぱ暴走(爆発)だったんだなアレ……!」




ぼく


「ぼく、あれで爆発させちゃってたんだ……」




フローリア


「小さなものよ。それに、悪くないわ。


あなたの魔力がそれだけ元気だったということよ」




ぼく


「元気……か」




ぼく(心):


(魔力を『元気な生き物』として捉える感覚……。なんだか、ちょっと面白いな)




◆




フローリアはしゃがんで、


ぼくの目の高さまで視線を合わせてきた。




そして、綺麗な手を広げる。




「レン。わたしの手を、握ってみて」




ぼくは両手でぎゅっと握った。




フローリアの手は温かくて、


でもどこかひんやりとしていて、不思議な心地よさがある。




その瞬間、


ぼくの指先に“光の線”がぴょん、と走った。




ぼく


「……出た!」




フローリア


「そう。ほら、落ち着いて観察してみて」




ぼく


「きらきらして、すごく綺麗です……」




フローリアは、少し驚いたように目を細めた。




「やっぱり……常人より何段階も感度が高いわね。


 この光、普通は『気配』としてしか知覚できないのよ。


 それをこんなに明確に視視できるなんて……」




ギルド員(遠くから)


「天才かよ……」


「いや天才じゃなくて化け物だろ……」


「最高に可愛い化け物……」




おとちゃ


「かわいいは譲るが、化け物は許さんぞー!!」




フローリア


「じゃあレン、今から“光をなでる”練習をしましょう」




ぼく


「なでる……?」




フローリア


「そう。


 魔力はね、上から押さえつけようとすると暴れるの。


 でも、優しく触れてあげると落ち着くわ」




ぼくは自分の魔力特性である光の線に、そっと意識を近づけた。




「……よし、いい子だから大人しくしてね……」




ぼくの指が触れた瞬間——


光がふわっと丸くなって、


ぼくの指に吸い付くみたいにまとわりついた。




ぼく


「わあ! なんか、くすぐったい!」




フローリア


「大成功よ。


 レンの魔力は、力ずくより“撫でる”ような制御が向いているみたいね」




おとちゃ


「撫でる魔法ってなんだよ!?」




ギルド員


「なで魔法かわいすぎるだろ!!」




フローリアは立ち上がり、


真剣な目でぼくを見下ろした。




「次は、“止める”練習をするわ」




ぼく


「出力を停止するんですね」




フローリア


「そう。光に『もうやめて』と意思を伝えるの。


 声に出さなくてもいいわ」




ぼく


「……えーっと……」




ぼくは手元で踊る光の丸を見つめて、


じーっと集中した。




(やめて……やめて……


 もう、十分に綺麗だったよ。ありがとう)




光がすぅっと細くなって、


ふわりと空間に溶けるように消えた。




ぼく


「あ、消せました!」




ギルド員


「きっ……消した……!? 完全に自分の意志で魔力を!?」


「まだ5歳だぞ!?!?!?」




おとちゃ


「おい……心臓に悪い……


 予想より十倍すごい次元の制御をしてるなこいつ……!」




フローリアは深くうなずいた。




「……間違いないわ。


この子、“感覚制御”が天才的よ。


魔法の理論を頭で理解しているというより——」




おとちゃ


「より……?」




フローリア


「魔力そのものの声を“聞いてる”のよ。


まるで、最初から意思を持った生き物みたいに扱っているわ」




おとちゃ


「なんだそりゃ……」




フローリアはぼくの頭をそっと撫でた。




「レン。


あなたは世界でも稀に見る“魔法使い”になるわ。


いえ……」




ぼく


「いえ……?」




フローリア


「——その先へ行く可能性があるわね」




おとちゃ


「お、おいおい、やめろやめろそんな大層なこと急に言うな!!


 おとちゃんの心臓がもたねぇ!!」




ぼく


「おとちゃん、心臓大丈夫? もつ?」




おとちゃ


「おう……お前の規格外っぷりのせいで毎回ギリギリだ……」




ぼく


「じゃあぼく、もっと優しくコントロールできるように頑張る!」




おとちゃ


「……おう。頼む」




フローリア


「ふふ……いい子ね」




ぼくは消えていったひかる線の残光を見つめながら、


心の中で思った。




(もっと、自由自在にできるようになりたい……


もっと、きれいに、この力を形にしたい……)




その純粋な探求心が、


ぼくの胸の奥でぽうっと温かく灯るみたいだった。

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