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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない  作者: 宇和マチカ
本編2 スキル剥がし編

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77/212

14.私の名前はそんなに長いの?

お読み頂き有難う御座います。

前話から2日ほど経ちましたね。

よく名前を勝手に短くされる系サポートキャラ、アローディエンヌ。

サブタイトルを『サポートキャラは名前が長い』ってのにしようかと思いましたが、

意味がなさそうなので止めました。

雨は2日間止まなかった。

結局…何か、伸びたわ。

何が伸びたって?

……義兄さまにいつも以上に張り付かれる時間に決まってるわ。


……何が有ったかは…アレだ。

物理的に膝の上から離れてた時間が僅かだった…。

…足痺れちゃわないのかしらね…。

肩とか首凝らないの固まらないの?

幾らチートでも流石に血管とか筋肉とかは

普通の人間と変わらないと思うのだけれど。

どうなってんのあの人。

仮によくあるテンプレ科白の、羽のように軽いヒロインでも

流石にあんな長時間抱えてたら重い筈よ。

私はモブだから勿論普通に重いからな。

謎だわ…。


で、今日は晴れ。快晴とは言わないけど、まあまあの秋晴れ。

義兄さまはお仕事で家を出ている。

何と家を出ているのよ。

アレでも筆頭公爵だからね。

たまには王城に出向かなきゃならないみたい。

お仕事多いみたいよ、そらそうだ。

重鎮なのよね…ああ見えて。

悪役令嬢って凄いんだな…。

王妃教育受けてたとはいえジャンルが違いそうなもんだけど。

でもなあ、王城から帰ってきたら無茶苦茶機嫌悪いけどね…。

今日は…また張り付かれるな、きっと。

流石に…早く寝ろと今日こそ諭そう。

私からは癒し物質も何も出ないよ。


そう、今日は、久々の1人だ!

珍しいよな、1人のお留守番。

いや別に義兄さまが居てもいいけど、あのべったり具合は流石に疲れた。

撫で過ぎられて減った気がする。

ああ、何しようかなー。何時の間にか用意されていた編み物セットを触ってみたりしようかなー。


でもいいお天気だしねー。

よし、庭に出てみるか!

あの大雨で葉っぱはすっかり落ちちゃったかしらね。

元日本人としては紅葉狩り出来なくて寂しいばかりだけれど。


玄関から庭に出てみる。

水たまりが沢山出来ていて、キラキラと空の色を反射していた。

おお、低木は赤いのが有るな。何の木か分からないわね。

後で植物図鑑でも持ってくるかな。


ユールの本家の庭は広い。

暫く居なかったが、そんなに劇的には変わらんな。

そう言えば昔にやたら派手な花壇が有ったな…。

百合ばっかとか顔くらいのでっかい薔薇とか…取り敢えず埋まりそうな位のデカい花が多い奴。

アレ?そう言えば何時の間にか、小さめの花が生えた丘みたいなのにされていたわね。

庭の模様替えでも有ったんだろうか。

まあ、私の意向でどうこうって訳でもないからな。それどころじゃ無かったし。


今の庭はどっちか言うと低木と木がメインぽい。

花壇は有るけど、やっぱり小さい花が多いな。

今の季節は…塀に小さい花を付けた黄色の蔓薔薇が伝って咲いている。

…庭には詳しくないが、庭を綺麗に保つって凄いわねえ。

見つめてもスゲー以外の感想が湧いてこない私には…園芸チートは無さそうだな。

……うーむ、何か特殊能力無いのかしら…。


そして塀からふと目線を上にやると…

紺色の毛束らしきものが浮き沈みしているのが見えた。


……何アレ。


……紺色のモップ?

いや、普通に掃除に向かない色だな。汚れが目立たんじゃん。

それにモップ担いで歩いてる割には…一か所で何か浮き沈みしてるような。

…もしかしてモップ持ってエイエイオーとか勝鬨上げてる?

…ってそんな馬鹿な。

ウチの家の塀の前で気合入れてどうすんだ?

もしかして誰かウチに攻め込もうとかしてる?


…まさかなあ。

そんなに義兄さまも…外で要らぬ喧嘩を売ってるのかしら。困ったな。焼き討ちとかされたらどう対処しよう…。

…って…義兄さまが良く分からん謎理論で救ってくれそうな気がするわね。

別に今更監視されてても気にならないし、

守ってくれるのは嬉しいのだけれど理屈を説明して欲しいわね。

間違ったスルースキルばっかり育っていく気がする。


取り敢えずどうしようもないが…私は塀に近寄っってみた。


まあ、普通かどうか分からんが、塀ね。

一番上が…あら、陶器の破片が所々はめ込んである。

…コレ、泥棒避けか何かかしら。鉄条網的な?もし刺さったら流血の惨事ね…。怖いな。


そして近寄って分かった。

モップじゃ無いわ、コレって人間の頭だ。


なあんだ人の頭かあ。

モップと間違っちゃうなんて私ってば本の読み過ぎねえ。

視力があんまり良くないみたいだな。

眼鏡デビューも近いのかしら…と言うか眼鏡有んのかな、この世界。

居たかも知れないが…街中で観察する暇が無かったな。

眼鏡…。そう言えば眼鏡っ子居ないな。前作には居たけれど現代設定だったからな…。


……って、ええ!?


人の頭だと!?

何でよ!?


え、何で人の頭が塀の向こうに見えるのよ!?

だって、この塀…パッと見2mちょっとくらい有るわよ!?

もしかして物凄くデッカいビックリな人間なの!?


って……そんな馬鹿な…。

先日出た王都で見た人々にそんなビックリ人間は歩いていなかったぞ!?

普通に…私の常識の範囲内の身長の人ばっかりだった筈!!

……それとも、たまにいるのだろうか。凄く身長が高い人…。

わ、分からん…。平均身長のデータ誰かくれないかしら…。


アホな事を考えつつ、私が呆気に取られていると…フワフワ浮いていた頭が…更に上に浮き……顔が見えた。



……若い女の子だった。歳は…私とそう変わらんか、下くらいね。

……ええこの子、滅茶苦茶デカいの?と思ったけど……僅かに足の先が見える。


なあんだ、身長普通っぽいわあ。

浮いてるだけかあ……。


……え!?


私は目を擦りまくったが、見えるものは変わらない。



信じられないことに…塀の向こうに滅茶苦茶可愛い子が浮いていたのだった。



浮く!?

いや、……何で?


しかも…誰?

うわ、目が合ってしまった!!

好奇心でガン見すんじゃ無かった!!


「その灰汁色の御髪、深い青の瞳……間違いありませんわ!!」

「は?」


アクイロ?

悪?灰汁?

……あくいろ…。初めて聞く色だな。

……髪の毛の色が灰汁の色って事?

初めて言われたな、この黄色がかかった灰色の何とも言えん感じの色…。


「お会いしたかった!!

アロー……ディ……エンヌ・ユールさまですよね!?」


滅茶苦茶噛まれたような気もするが、私の名前を知っているだと?誰なんだこの謎の浮いた人は…。


「……はい??どなた?」


深い紺色の髪は短く切られ、目は濃いピンク……。

また見たことのないカラーリングだわ……。

しかし嫌な予感がするな。ピンク色関係のカラーリングって……。

どっかの行方不明で、ハートでドロドロなオレンジピンクのグラデ頭が脳裏を過ってしまうわ。


いやいや、この間の可愛い男の子もグレーがかったピンク色の瞳だったしな。

ピンクだと必ずゲーム関係あるとか思っちゃ駄目よ。ゲームはもう終わったのよ。

そうそう考えすぎ!と思ってたら……。


「おい、フォーナ!!手離すなボケ!!」


おお、…前世から聞き覚えのあるお声がするじゃないの。

しかもつい最近聞いたお声。

塀の向こうにおられるんだろうか……。


「すみませーんレルミッドさーん」


……わあやっぱりご本人。


アレ?


何でレルミッド様が?

まさか我が家に忘れ物?

……我が家にいらっしゃるの嫌がってらしたみたいだけど。

そしてこの空飛ぶ可愛い子と……お知り合いで!?

しかも気安そうなご関係。

え、何か分かんないけどスゲエな…。

普通に……地面から浮いてるであろう人ってたまに居るとか…?

そんな事ってこの世界の常識なの?

おお、分からん……。


「やっぱりそうでしたよレルミッドさん!!貴方と神のお導きに感謝します!!」

「……クソボケが」


え。何が起こってるの?

塀越しだから何が起こってるのかサッパリ見えない!!

そしてレルミッド様とこの子に…何だかラブコメの波動っぽいのを感じる!!見てえええ!!

私のサポートキャラとしての勘が…久々に動くか!!


「……兎に角、玄関まで来て頂けますか?」


私は…また好奇心の儘に…義兄さまの言いつけを破るのだった。

いや、レルミッド様はお知り合いだし!!

…嫌われているようだけれど。

そして浮いてる女の子は何だかよく分からないけれど!!


「……よ、ようこそいらっしゃいました?」

「今日は!お初にお目に掛かります!!」

「……」


取り敢えず、家の中に入れたら義兄さまが煩そうだから、お庭に招き入れた。

外に設えたテーブルセットに掛けるように促すも…レルミッド様は座って下さったけど、女の子は浮いたまま…。

不躾だとは思うが、思わずガン見してしまう。

が、向こうもガン見してくる…。

…私はそんなに見るところないと思うのだけれど。

しかし本当にどういうメカニズムで浮いてるんだ、この子…。


レルミッド様は…相変わらず私から顔を背けたままでいらっしゃるわ…。

でも、女の子の着てる長めの上着のウエスト部分の紐を握ったまま…。

…女の子が浮いてるからも有るけど、風船握ってる人みたい…。

あ、犬とかモチーフのお散歩風船みたいな奴ね。正式名称は知らないけど。

それ以前にこの世界に風船有るのかどうか不明だけどな…。

まずゴムを精製出来るのかも分からんな。


しかし、何故かしら。彼女は…ただ浮いているだけではないの?

まさか握ってないと飛んでっちゃうのかしら。

本当の風船のように…。


「レルミッドさん!!

どうしてそんな態度をアロンさんにお取りになるんです!?」

「煩えな。大体連れてきてやっただけ有難いと思えボケが」


え、アロンさんって誰だ。…もしかして私の事?

…よく略されるなあ私の名前。そんなに言い難いか?

自分の名前だから分からなくなってくるわね。


「あのアロンさんって」

「ああ、つい!!よくニックから伺っています」


誰だ、ニックさんとやらは。

全く知らんぞ。

最近僅かに広がったとはいえ、まだまだ極狭なんだからな私の知り合いは…。


戸惑う私に、女の子は手を滅茶苦茶握ってきた…。

…浮かんだ人と握手って凄い体験だな。

何て言うか…感触が体重を感じないと言うか。


しかしマズいな。

親愛の握手だとは分かっているけど…今義兄さまが帰ってきたら滅茶苦茶怒りそう。

あの人の嫉妬の対象って男女もれなく含むんだよなあ…。

自分が両方だからなのかしらね。


「お願いします!私の傍で私を支えてください!!」

「……ハァ?」


しかも物凄い発言来たよ!?

勿論私は固まった。

…え、何?……会ったばかりなんだけど。

何でそんなプロポーズのような科白を言われるんだ?

しかも女同士で。

レルミッド様も目を剥いている。

えええちょっと、冗談でしょコレ。義兄さまに聞かれたら…ヤバすぎる。


「ハアアアア!?お前、ボケか!?」

「だってレルミッド様、私、私には…

アロンさんが必要にゃんですってびゃ!!」

「「……」」


おお、変な人が二重に噛んだ…。

思わず見つめた私とレルミッド様の視線を浴びて、真っ赤になってるわ。

それでも可愛いとか…顔可愛いと得ね…。


「わ、私フォーナ・トドロンと申します!!」

「は…」

「正義を掲げ携える御神神殿の神官です。

いつもは神さまの御許に侍っております!」


…変な…名前…。……名前ぇーーーー!!

どう聞いても主人公ーーー!!

て言うか4作目出てたんかいーー!!

顔を盛大にひきつらせる私に構わず、

自己紹介を繰り広げる4代目主人公。

どう聞いても名前で確定している…。

突っ込みたくないが、突っ込みたくないが…。

フォーナ・トドロン…4なとどろ…轟…!!


マジか!?

マジなの!?

いやこんな変な苗字は間違いない!!絶対そうだ!!

でもこの子、…今、私の前に…4代目の主人公が…浮かんでいるだと!?

しかも、レルミッド様と一緒に訪れるイベント!?

どういう事なの!?

まさかの4作目でレルミッド様が公式一番手!?

実は続き物だったの3と4は!

ま、まさか…まさかすぎる展開!!

あああ、是非ともゲームをやってみたかった!!悔やまれるっ!!

でもこの目で攻略対象と主人公を見られるなんて!!何という、サポートキャラ冥利に尽きるっ!!

何故か私が意味の分からん口説きを受けているけど!!

うんきっとイベント的何かのせいね?気のせいよね!?

それなら納得する!!


だけど、だけどおおおお!!


「……スタッフのネーミングセンスーーーー!!」

「アァン?」

「恋を愛する女神さまの兄弟神さまであられる、正義を掲げ…

え?すたっふ?杖ですか?」


はっ、しまった、錯乱した。

また心の中で此処に居もしないスタッフに文句を言ってしまった。

いや言ったって構わんか。現に苦労してんだから。


「いや…何でも有りません」

「申し訳ございませんアロンさん、

私の武器は杖を使用いたしません。

主に拳とかですの」

「…は?」

「ハァン?」


思わぬ言葉に私とレルミッド様は彼女を見つめた。

え、武器?何で武器?

今…神様に仕えるのどーのって話じゃなかった?


「正義とは真摯な言葉、そしてたまの殴り合…打撃で解決せよ、とのお教えです。

刃傷沙汰はいけません。

節度を保った打撃なら運が良ければ打撲で済みますので」


物騒だな!!て言うか初めて知ったそんな宗教!!

節度を保った打撃って何!?

打撲だって、普通に打ちどころ悪かったら人死ぬよ!?

そんな運で解決していいの!?


「ただ、今は諸事情にてちょっと浮かんでおりますので、

今は言葉でのみ精一杯お伝えしたいと頑張っております」

「諸事情!?」

「妹と喧嘩致しまして」


え、姉妹喧嘩?それでどうやったら宙に浮けるんだ。どういう理論?


「て言うかお前神官じゃねえのかよ!?そんな物騒でいいとか思ってんのか!?後節度を保った打撃っておかしいだろうが!!」


あ、レルミッド様に突っ込んで頂けた!!

流石、頭の回転も宜しいし口の回転も…半端ないわ!!


「ええと…こう、ていって所をえいって感じでします」

「「……」」


成程、4代目主人公ってフィーリングで解決する系か。

コレはどんだけ語られてもサッパリ分からんタイプだな。

そう言えばたまにドートリッシュもそうだな。

それに、何か振り回してる仕種だけど武器は拳じゃないのか?

何が武器なんだろう。

気になるが、あんまり踏み込むべきでは無さそうかしら。


うん、帰って貰おう。

レルミッド様のお姿も拝めたことだし。

何より義兄さまが知ったら滅茶苦茶面倒くさいし。

大体私、4代目のサポートキャラじゃないだろうしな。

だってシステムすら何にも知らないもん。無理無理。


「あの…我が家では間に合ってますので」

「な、何故若干引かれますかっ!?」


いや、安心してくれ。がっつり引いてしまったわ。


「申し訳ありません。私が知らない方とお話をすると、知らない方が危ないようなんです」

「え?あの、どういう意味でしょう!?」

「だから来ても無駄だっつっただろ」


下手すると燃やされるからなあ、義兄さまに…。

さっきの発言まあまあ…アウト寄りのアウトな気がする。


「知らない方を危険に曝したくないんです。どうぞお引き取り下さい」

「そ、そんな!!何が何だか分かりませんが、私悪徳宗教の勧誘ではございません!!」

「いえ、そちらの心配事も有るんですが…」

「私、間違いなく神殿の関係者です!!これが証です!!」


止める間もなく踝まである上着を捲られた。

って雄々しいな…。レルミッド様も居ると言うのに。

おお、固まっておられるし。

流石に止めろと諭そうと思って…止めてしまった。

中の服が…所謂神官っぽい服じゃ無い…だと?


フォーナは、この世界観にしては物凄く薄着だった。

所謂キャミワンピに短パンだもの。

勿論マキシ丈ではないよ。がっつり太腿出してるよ。

可愛いんだけど…この装備の薄さ、歴代一じゃない?

現代学園モチーフの1と2でも制服だったし、

此処まで思い切った私服も無かったぞ。


そしてさあ、今秋だよ。

多分…今からゲーム始まるなら、舞台は秋冬入るよね。

スゲーな、4代目主人公。寒くないのか。何故こんな服デザインにしたし、製作スタッフ。


「…大胆なお召し物ですね」

「いえそうではなく此処の紋章をご覧ください!!」


あ、キャミの胸部分に同系色で刺繍がしてある。

…うん、旗の模様だな。それしか分からん。

て言うか神官がこんな装備でいいのか。

もっと着込んで、ストイックで禁欲的なエロいかも?な感じじゃ無いのか。

…って私も大分錯乱してるわね。

そんな二次元的な欲望を通す服は、現実要らんっての。


「旗ですわね」

「本物ですよ!?」

「そう言われても私は世情に疎くて本物を知りません」


うーん、警察手帳見せられても本物知らないし、偽物か分からんみたいな感じって言うか。

あ、此処に警察居ないから騎士様か。騎士様の身分証って有るのかしら。


「ああー!!まさかですか!?

レルミッドさんだけでは無かったのですか!?」

「いや、フツーに知らねえだろ、そんな神殿」


レルミッド様がバッサリ断じて下さった所を見ると、別に知らなくても問題ないみたいね。

常識人が居ると助かるわ…。

私の方をあんまり見て下さらないけど。


「何でですかー!!

ドゥッカーノでは、我が国の神様は意外と知られていないのですか!?」

「…え、他国なんですか?」

「そ、其処からですかー!?」


いや、其処からも何処からも無いだろ…。

と言うか4の舞台、まさかの他国?ドゥッカーノ王国じゃないの?

また変な名前じゃなかろうな。


「此方の南に位置します、ソーレミタイナ神皇国です!!」

「……」


な、名前…。

やっぱり変な名前だった!!

変な名前の国しか無いのかこの世界は!!


「ご存知ですよね!?」

「いえ…世俗に疎いもので知りません」

「ええええ!?」

「それに、その模様ですけど、本物に似せてあれば…それこそ関係者でもなければ、間違い探しのような事は不可能ですし」

「ご、ご尤もですが!!

ああでもこの慧眼、やはり貴女は私の求めていた方!!」


えーこんなレベルの突っ込みに感動されても…。

何なのこの人…。

あ、4代目ヒロインか。


「お前っなあ…!!いい加減服下ろせちゃんと着ろや!!

ベラベラウゼエんだよ!!」

「す、すみませんレルミッドさん!!」


あ、ちょっとレルミッド様の顔が赤い。

そうか、コレは脈在り系では無いかげへへ。

うーんラブコメ可愛いな。

観察楽しいけど何故か勧誘されているのは私だし。


「お願いします、どうかアロ…えーアローディエ…ンネ様もう少しお話だけでも!!

会わせたい人も居るんです!!」

「いや、義妹の名前、多分間違ってんぞ」


レルミッド様のご指摘通り…惜しい。

ヌだ。ネじゃないんだ。

うーん、言い難いのか。

そう言えば、ドートリッシュにも義妹姫様以外呼ばれたことが…ここの所無いな。

サジュ様にも義妹殿だったし。

…義兄さま以外にマトモに呼ばれたのって、

最近はルディ様だけでは無かろうか。


「お話だけと言われても…知らない方に着いて行くなと

義兄にきつく申し付けられておりまして」


庭に上げちゃったからマジで今更だがな。

さっさとお引き取り願わないと、フォーナが危ない。

物理的に危ない。

それに私も、いつぞや王宮の馬車に乗っちゃったアレみたいになっちゃ困る。

…町中を常に手を引かれて引き回された挙げ句に、家に帰ったらやたら飾られて大変だった。


「貴女に命の危機が迫っているのですっ!!」

「はあ、命の危機ですか」


え、私に?何で?

そりゃ私は何の実力もないモブだ。

こんな剣と魔法の…いや、剣の事はあんまり知らないが、

魔法が飛び交う世界では大したことない理由で即効で死ねるだろうな。

道歩いてて遠距離魔法被弾するとか…有るかもな。

あ、最近スキル剥がしとやらで治安悪そうだし。

そうそう、先日は不敬罪になりかけてまだウヤムヤに…。

あれ、そう言えばこの頃、命の危機っぽい出来事が多いな。


「どうして動じていただけませんか!?

普通身の危険が迫っていたら…いえ、胆力が備わっているからですね!!」


単にモブはモブの身の程を知っているだけなんだがなぁ。

うーん、話が長くなりそうね。どうしたもんだ。

義兄さまが帰ってこないといいけれど。

義兄さまから解放されたかと思ったら

空中に浮かんではいますが、追悼してる訳では有りません系主人公との対峙です。

4代目です。3代目はチンピラヒロイン失踪中です。

レルミッドは巻き込まれ中。


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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。とてもネタバレ気味です。
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