表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない  作者: 宇和マチカ
本編2 スキル剥がし編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/212

4.思っていたのと違うような

お読みいただき有難うございます。

食事してて絡まれてヒーロー登場です。

「はいはい、こんな所で揉めるな」

「騎士サジュ様!!」


そう、攻略対象の中でも一番ヒーローっぽい方!!

『騎士』サジュ様ですよおおおお!!

やったねええええええ!!

超お久しぶりでございます!!

覚えておいででしょうかアローディエンヌですううう!!

いやあああこんな所でお目に掛かっちゃったわ!

しかもお助け頂いちゃったー!!

きっとあの冒険者姉弟かドートリッシュを助けるのがメインで私はオマケで全然いい!!

目がハートになりそうー!!



「ぎゃあああああ!」

「!?」


その時、私のミーハー心が雲散霧消するような

野太い悲鳴が上がった。

何だ!?これ以上何よ!?


「えええ!?何あれ!?」

「げっ、シ……ルディ様!!」



其処には……!?



「……土人形!?」



な、何だか……何故か……でかくない?

アレ?何……?

滅茶苦茶リアルだけど……土人形……よね?

ゲーム中でも見た事有るけど……あのサイズよりも遥かに……!?

いえ、そんなどころじゃない。

普通の男の人の身長より1.5倍位有るわ。

一緒なのは……土色で、やたらリアルなのは変わらないけど……。


それに、足を掴まれて逆さ吊りにされているのは……さっきの冒険者姉弟に絡んでたチンピラ冒険者だった。


……あの人、かなりのでっかい人だった筈だったのに……。

その、でっかい土人形にまるで子供のように扱われている……。

冒険者姉弟もぽかん、として動けないでいるわ。


その後ろに、白いフードを被った魔導師風のお兄さんが……あの人が操っているの?

フードでよく見えないけど、物凄く雰囲気に見覚えが……!!

私のサポートキャラとしての勘が久々に告げている!!

アレは…あの人は!!あの薄い茶色の澄んだ目は……!!

ええと、多分……多分だけど……いいえ、絶対……!!



攻略対象一番手『王子』ショーン様!!


……あれ、でも何で街中に居るの?

お忍び?

それに巡り合えるなんて、今の私何という豪運!!

……あ、でも絡まれてる最中なんだっけ。

ふ、不幸中の幸い!!でも、え!?


「えっ、アレ土人形なんですの!?あんなに人そっくりなのに!?」

「ちょっとルディ様!!待っててくれっつったでしょ!?

何で出てくんだよ!!」


カフェが混乱に巻き込まれる中、サジュ様とドートリッシュだけが大声を……。

何故かしら。何だか似た雰囲気ね……。


「僕もまあまあ役に立つぞ、サジュ」

「は、離せええええええ!!」


白いフードのお兄さん……王子様に吊り下げられて、漸く正気に戻ったのか、チンピラ冒険者が喚き出した。

その声で、此方も正気に戻ったらしい連れの冒険者が、私に向かって手を伸ばしてきた。


「お前、こっち来い!!」

「えっ!?」


何で私!?あっ、そうか!!一番弱そうだもんね!

人質にピッタリよね!!

って納得してる場合じゃない!!

ヤバい!!此処で何か有ったら……義兄さまに余計べたべたされた上に暫く閉じ込められる!!

って……何時もの通りか。

いや、それでも心配を掛けるのは忍びないわね。


「いやっ!!」

「ぎゃっ!!」


何故か、私に向けられたチンピラ冒険者の腕が……ごおっと炎に包まれ……燃えてた。


「えっ!?」

「うお!?」


……燃えた!?

燃えたぁ!?

な、何で!?

で、でもこの火……どう見ても生き物のように冒険者の腕に張り付いて……離れない。


「えっ、えっ……」

「こっ……この女!!なんかしやがったな!?」

「え!?」


わ、私何もしてないんだけど?!

て言うか火属性でも無い……火属性!?ま、まさか義兄さまが何処かに!?

周りを見回すも義兄さまは見当たらない……。

燃えるようなものも無い。

なのに、きっちりと……私に伸ばそうとした右手……肘から下が燃え盛っている!!


「ぎゃああああ!!」


その燃える手に呆気に取られていた私に、他の冒険者の男が掴みかかろうとしていた。

私の体は凍り付いたように、恐怖で動けなかった。


「お姉さん、危ない!!こっちに!!」


そんなドン臭い私を救ってくれたのは、さっき絡まれていた女性の弟さん。

の、逃れて来られたのね!!良かった!!

必死に私の腕を引いて、冒険者の手から逃れさせてくれた。


「コイツ……いい加減にしろよな!!」

「ブッ飛ばすわよ!!」


ゴッとかガンッっとか……しか私には聞こえなくて……。

取り合えず…常人には全く分からない動きで、あっという間に冒険者を伸してしまった。

何故かドートリッシュも一緒に……。

……え、何で本当に……。

て言うか本当に強いのね、ドートリッシュ。

騎士様と張り合えるんじゃないかしら……。


「おい店の奴!!水差し貸してくれ」

「は、はいっ!!」


ジャバジャバと未だ燃え盛る手に、サジュ様が水を注いだ。

本人の意識は全くない。

何杯も注いでいるけど、……中々火は消えない。

と言うか、全然消える気配がない……。え、何で……。


「……これ、魔術だな……。ある程度も消火は無理か。しつこいなー。水属性でないと無理だな」

「サジュ、あんた水属性じゃない」

「正気か姉さん。

オレが魔術なんか使ったら、何も起こらないかこの店水没するかの二択だぞ」

「あんた未だ調節出来ないの?」

「努力した結果、使用禁止令が出てるんだよ……」


え……水没……!?

え、騎士サジュ様って魔法……魔術?使えたの?

て言うか…水没!?……危ないな……!!

知らなかった……。

ゲーム中で一回も見て無いのは…そう言う理由だったのかも。現実って怖いのね。

い、いえ……結局使われなかった訳だし、いいのだけれど


「ねえさんって……どういうことですの?」

「義妹姫様、ご無事ですか!?」

「あれ、アレッキオ卿の義妹殿」


漸く気付かれたみたい。

影が薄いって……ちょっと悲しいけど私モブだものね。


「アレッキアの義妹……?」


あっ、白いフードの……王子ショーン様がこっちに来た。

ヤバい、近寄ると更にヤバいわ。本物じゃないのおおおお!!

……アレ、でも何だか雰囲気が……違うわね?

フードでよく分からないけど、長く伸ばして後ろで纏めていた髪を切られたみたい。

おお、前髪も短い!おでこ可愛い!短髪ショーン様もいいなあ!!


「シ……ルディ様、何で出て来たんですか……。先輩はどうしたんですか」

「猫を構っていたから声を掛けてから来たぞ」

「……先輩……あの猫狂いめ」


サジュ様が若干イラッとした顔になっている。

……誰かしら猫狂いの先輩って。


「そんな事より、大丈夫なのか。襲われた人たちは」

「あっ、そうだった!!

オレちょっと屯所に行ってきますから……ソイツらって……うっわ、埋めてる……」

「気絶させて放り込んだぞ。其処の工事現場から拝借したから捕縛してから返そう」

「……まあ、大丈夫そうですね。ちょっと行ってきます」

「取り合えず火は消すか。危ないしな」


王子様が何処から持ってきたのか、土を放り投げると火が消えた。

……凄いな。そう言えば土でも消火出来たわ……忘れてた。

あれ、でも魔術でないと出来ないんだっけ……。王子様って凄いのね。

て言うか何で私から火が……。義兄さまのせいだろうけど……。

一応助かったけど帰ったら問い詰めなきゃ。


ボヤっとしていたら、サジュ様があっという間に走って見えなくなってしまった。

足早っ!!

大丈夫……なのかしら。

不安になってチラッと冒険者たちを見るとうわっ、埋まってる…。

ま、まさかさっきの……土人形(元)の土かしら。

………ひ、酷いな……。

い、いえ私も多分被害者の一端なんだけど……それにしても。

肩から上は出てるとはいえ、生き埋めって怖いわ。


「あ、あの……」

「ん?」


ボケっとしてたら、私を助けてくれた男の子が王子様に声を掛けた。

何時の間にかお姉さんも傍に寄ってきていて、丁寧に二人で王子様に頭を下げている。


「た、助けてくれてありがとうございました」

「有難うございます、魔術師様」


王子様だけど魔術師様…そ、そうか……。他所から見たら魔術師様に見えるのか。

魔術関係ってどうも『魔法使い』レルミッド様って頭が有るから違和感だけど、そりゃ他にもゴロゴロいるわよね。

……コレ迂闊に王子様って呼べない雰囲気だわ。

どうしよう。この私の心の昂り……。

ちょっと叫びたい気が凄くする。場違いだからやらないけど。


「……ふむ、礼は言えるのだな。訳アリの様だが」

「!!」

「わ、訳……有りじゃないです」

「レギ!!」


慌ててお姉さんが男の子……レギ君と呼ばれた子の口を塞ぐ。

ん?訳有り?

何だそりゃ…。


「まあ僕も人に何か言える立場でも無いし、いいか」

「随分高飛車ですのねええええ」


アレ、ドートリッシュが何かワナワナしてる……。

何か有ったの?


「……君は誰だ?」

「うわあああ覚えてないでしょうねえええ!!

憎たらしいいいいい!!」


え、ドートリッシュって王子と面識が!?

凄いな…。

私なんか地味に親戚だけど全く会った事すら無かったのに。学園関連かしら。いいなあ。


「……あの、お姉さん」

「はい?」


くいくいと袖を引かれた。

見るとレギ君とお姉さんが神妙な顔をしている。


「……僕たち、行ってもいいでしょうか……」


えっ、何で私に聞くの!?

あんまり私に決定権とか委ねられないからビックリだわ。


「……どうなさったの?」

「…あの白い魔術師さんの言う通り、あんまり僕たち……その……」

「本当に御免なさい……。あまり目立ちたくなくて」


姉弟はぼそぼそと困ったように言って来た。

……うーん、どうしよう。

王子様とドートリッシュは何か言い合いしてるし……確かに長くなりそうね。

まあ…この人達被害者で絡まれただけだしなあ。

目立ちたくないとなると……気の毒よねえ。


「分かりました、私が騎士様方にお伝え致します」

「有難うございます!!」

「有難う、お姉さん」


で、姉弟はコソコソっとお金をテーブルに置いて、カフェを出て行った。

……いいことしたような、しないような……。……証人は多い方が良かったかしら。

でも行っちゃったしな……。


「ってあああ!!何で人減ってんだよ!!」


あっ、サジュ様が戻ってきちゃった。

騎士様何人かと……またフードを被った人を連れている。

フードの色は……赤!!見覚えのある……羽紋様!!

もしかして!!もしかしちゃううう!?


「え?」

「あ」


言い争っていた王子様とドートリッシュも気付いたみたい。

……うっ、久々に大多数の目が私に!!

注目され慣れてない!!


「……絡まれたのは私ですし、私が証言致しますわ」

「いや、でもな」

「何だ誰だこの娘は……服装は高そうだが、地味だな」


他の騎士様からの視線が痛い!そりゃ本体は地味です!!モブだから!!

服が高いのも分かってるけどな!!

うっ、でも行ってもらったの私だし、責任取らなきゃな!!

大人大人私は大人!!社会人として!!

……今はちょっと特殊だけど!!

私は出来るだけゆっくりと立ち上がって、習った割には大して使ってないカーテシーを披露した。

王子様もいらっしゃるしね。間違いではない筈!


「私はアローディエンヌ・ユールと申します。この騒ぎに関しては、嘘偽りなく証言致しますわ」

「……」


うっ!!沈黙が痛い!!

コレもしかして……ホントかよみたいな視線!?

貴族オーラ無くてゴメン!!そう言う高貴さとか全く持って無いの!!


「……本物か?」

「はい?」

「ユールの姫君の名を騙る偽物ではなくか?」

「大体何でこんな治安も悪いややこしい店に、筆頭公爵の妹君が居るんだ」


うっ、そう言われると!!適当に見かけて入っただけなんですよ!!

……特に身分証も何も無いわ、そう言えば。

免許証でも持ってりゃ……無いか。

どうしよう。

今度から身分証携帯しなきゃ!!

有るのかどうか不明だけど……。


「失礼ね!!本物に決まってるでしょ!!思いっきりアローディエンヌ姫様よ!!」

「アレッキオ卿と一緒に居たの見たからオレも保証します」

「まあ本物だな。発動したのアレキの魔術だったし」

「……思いっきりアレキちゃんの魔術の匂いすんな……。あの女、何したんだ」


ドートリッシュと、お会いしたことがあるサジュ様は兎も角、

思わぬところからお二人からの援軍が……ヤダ私のラッキーまだ続いてたのね!!

いや…、ん!?アレキちゃんって言ったの誰?

とても聞いたことの有るお声だけど。

主に前世で……ゲームの中で……。


「あの、アレキちゃんって、義兄さまの事ですか?」

「ハア?にいさまだぁ?」


……粗雑な感じのお言葉ね。

私の見間違えと耳が損傷してなかったら……この赤いフードから覗く神秘的な紫の瞳の方が、言ってるように見えて聞こえるんだけど……。


……魔法使いレルミッド様、よね。


……顔は一緒だと言うのに、お話の仕方が思いっきり違うな。

双子の兄弟とかいらしたの?

いやでも……何というか……双子って声まで一緒なの?

二次元じゃ多いわね、そう言う設定……。

現実どうなんだか知らないけど…。


「お前、アレキちゃんのイモウトなのかよ」

「……は、はい」


私の知るアレキって付く名前の人って、義兄さま…アレッキオ・ユールか、義姉さまアレッキア・ユールしか居ないしな。

と言うか同一人物だけど。

だって私の人間関係って狭小住宅よりも狭すぎるからね!!

そんな思い出す程いない!!悲しい!


「何なの!?さっきから義妹姫様に失礼な奴らばっかりね!!

どうなってんのよサジュ!!」

「いや、姉さんもある意味失礼なんだよ…。この2人も微妙だから訳は言い辛いけど」

「うむ、微妙だな!」

「納得すんなルディ」


そして……王子様とレルミッド様(仮)の気安さは一体何!?

ゲーム中でそんなに仲良くなさってるの見た事ないけど!!

一体何が起こったの!?どうなさってるの!?

サジュ様とドートリッシュも此方も何だか……気安いご関係だし!

ねえさんってさっきからサジュ様がドートリッシュを呼んでいるけど……。

えっ……まさか、姉弟!?

嘘!!知らなかった!!ゲームで……ドートリッシュは出て無かったわね。

どっちも詳しく聞きたい!!知りたあああい!!

どの攻略対象が来るか予想はして頂けましたでしょうか?

『旅人』以外の全員でした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。とてもネタバレ気味です。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ