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サポートキャラに悪役令嬢の魅了は効かない  作者: 宇和マチカ
本編2 スキル剥がし編

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68/212

5.馬車の中身が豪華すぎる

お読みいただき有難うございます。

アローディエンヌ的に豪華メンツです。

「サッサと帰らねえかな…」

「面倒くせえな…」


何か…お店の人とか冒険者さん達からの視線が痛いわ。

出て行けよ、みたいな視線…。

まあ厄介ごとはゴメンだろうし、分からなくもないけどさあ。

助けにも来てくれなかったのにね。…何処でも世知辛いわ。

まあ、営業妨害ちゃあ営業妨害よね…。


「……事情聴取をお受けするの、我が家で構いませんかしら?」


案外早く帰ることになりそう…。ユールの本邸…私の元引き籠り先へ。

駅馬車で行こうかと思ったけど、そう言えばウチの馬車有るんだったな。

6人くらいだったら乗れるかしら…。

まあ乗れなかったら私が御者さんの横にでもいりゃいいか。


サジュ様以外の騎士様はまだ半信半疑だったみたいだったけれど、

金色旗の駐車場へ歩いて行く私とドートリッシュに着いて来るのに従ってくれた。

あ、勿論お店にお代は払ったし、土人形は工事現場へ土と帰ったわ。

……それにしても生きてるみたいだったわねあの土人形(大)。

流石王子様だわ。土人形劇場を生で…ちょっと捕物だったけど見れたのはラッキーね。


「……すげえ、金色旗」

「入った事ねえ……」

「姉さん、何で義妹殿と仲良くなってんだよ」

「えーと、ルーロさま関係で」

「おいルディ、金色旗って何だ?」

「王族と準王族専用の駐車場だな」


え、この適当に入った駐車場ってそうなんだ。

確かに何か無闇に豪華な気がするな。

……もしかして私、何かお金持ち自慢とか無意識にしてる!?

嫌な奴やってる!?

でも本物の王子様居るし…。ど、どうしたらいいんだ…。

それにホントに何で王子様が街中歩いてるのかしら…。

お忍びだったらお別れしてもいい筈なのに…。

個人的には超私得でしかないけど。


「おや、アローディエンヌ様お早いですね」


御者さんが管理小屋みたいなところからひょこっと顔を出していた。

食事中とかでは無かったみたいで良かったわ。

私はかい摘まんで事情を説明した。


「ご、ご無事で良かった…!!」

「あ、有難う…心配してくれて」

「本当にアローディエンヌ様がご無事で良かった!!」


そんな泣き出しそうな位心配して貰えるなんて…

一体義兄さまはどれだけ脅しているのかしら。

嫌だわ…。気の毒になってくる。


「少し騎士様方に事情をお話するから、長くなるのもなんだし本邸に帰ろうと思って」

「それが宜しいです!!それが本当に!!」


どう考えても14時過ぎに領地へ帰りまーすって言うムードじゃない…。

…万が一門限とやらを過ぎても自分ちの中なら構わないでしょう。

家には変わりないし…。

今日は王都に泊まりますって後で義兄さまに連絡してもらえばいいわ。

……御者さんに被害被らせるわけにもいかないわ。

確かお子さんがまだ5歳とか言ってたな。罪悪感が湧くわ。


「ユール公爵の御者だな…俺見た事ある」

「どうするよ」

「一応コレで身分確認は取れたしなあ」

「まだ疑ってんの!?失礼な騎士達ね!!」

「姉さん、コレがオレ達の仕事だから…」


あら、騎士様達とドリーとサジュ様が話し合ってる…。


「取り合えず俺らはさっきの店で検分するから」

「サジュ、お前この姫様に着いてって事情聴取しろ」

「オレがですか」

「知り合いなんだろ」

「えええ、こんな高そうな馬車に乗るの嫌なんですけど」


うっ、すみません!!

もっと目立たない奴で来るべきでした!!

今度から地味な馬車を用意します!!有るのかしら…。


「まあ確かに滅茶苦茶気を遣うけど……サジュならまだマシね…」


え、ドートリッシュも気を使ってたんだ…。

悪かったかしら…。


「いや何で姉さんが返事すんだよ、持ち主こっち…義妹殿だろ」

「どうぞ辛抱の上とは存じますが、宜しければお乗りくださいませ、サジュ様」

「…何で公爵の妹君に様付けされてんの、お前…」

「いや、知らないですけど…何でだろう」


うっ、何でか言い辛いな!!

ゲームでずっと呼んでたからですけど!!とは言えないし。


そして…


「何で先輩とルディ様が付いてきてんだよ!!帰れよ」

「僕の方は関係者だぞ」

「俺は普通に帰りてえ。アレキちゃんの家とか悪魔城か魔王城だろ絶対に!」


魔王城…。

まあ、悪役令嬢の家では有るけど、魔王は住んでないんですけど…。

一体義兄さまは何をしたの…。


でも、でも!!

ウチの馬車内は個人的に世界で一番豪華な中身になったわ…。

ヒャッホウやったあ!!何だけど…。

なんだけど…。

なんだけどねえええ!?


さっきから…レルミッド様(仮)に散々な言われようだわ…。

一体義兄さまはこの方に何をしたの!?

……お詫びしなきゃいけない雰囲気なのかしら。

そんな気が凄くするわね…。


「あの…」

「アァ!?」


おお、こ、怖っ!!

久々に人に唸られたと言うか…。

で、でもそのお顔で威嚇されると悲しいような、萌えるような…。

ふ、複雑だわ…。とっても複雑。

いやでもモブだからしょうがないのか!?


「ちょ、先輩!!」

「何なのよアンタさっきからあああ!!

ふざけんじゃないわよぶっ飛ばす!!」

「や、止めてドートリッシュ…。

多分義兄さま…いえ義姉さまが要らないことをした気がするから!!」

「……ふむ」


それまで黙ってみていた王子様がこて、と首を傾げた。

うおおおおお!!

何だその仕草!!萌える!!若干どっかで見た事有るけど!!

王子様が生で動いていらっしゃるうううう!!


「レルミッド、彼女はマトモだな」

「……いや、未だ俺は信じねえぞ。アレキちゃん絡みでマトモな奴の訳がねえ」


うおおおお!!

このモブ!!な扱いされるなら兎も角!!

この目!敵意!!酷い!!義兄さまのせいじゃないの!!

何をしたのよ義兄さまああああ!!!

気が重い!!


……で、他の騎士様がたは馬車に乗って下さらないんですって。

実況見分が終わり次第行くかもって…。

別に乗りあって下さってもいいのになあ…。

ちょっと一生に一回くらい騎士様に囲まれてみたいだなんて

モブには過ぎた望みよね、はい。すみません。反省します。



で、馬車のメンバーは私とドートリッシュ、王子様、レルミッド様(仮)、サジュ様。

ドートリッシュは滅茶苦茶睨んでるし…サジュ様は疲れていらっしゃるわ…。

……き、気マズい。


「滅茶苦茶豪華だな…姉さん、これによく乗れたな」

「気合よ…。自分を空気だと思うの」


気合…ウチの馬車、そんなものが必要だったのね。

まあ、豪華なのは…豪華か。筆頭公爵家の馬車だしね…。

まあ私も数える程しか乗ったことないけど慣れるって怖いな。

貴族らしからぬってのが良くも悪くも私なのに…。


「あの、その……お話をしても宜しいでしょうか」

「姫様、こんな人達にお気を使わなくてもいいですわよ!!」

「何なんだよお前煩えな!!」

「いや、先輩も声デカいって!」


ドートリッシュとレルミッド様(仮)仲悪うう!!

何故かしら!?この二人は初対面よね!?

もう少し歩み寄って…頂けない感じね。

庇ってくれてるのは有難いけど…そんな敵意剥き出しにしなくても…。

平和的に…行かないのかしら。


「ふむ……アローディエンヌと言ったな」

「はいっ!そうですわ」

「僕の顔を知っているのか?」

「ももも勿論ですわ」


お、王子様に声を掛けて頂いた!!

主にゲームでだけどガン見してたから勿論知っております!!

イベントとED素敵でした!!って言えないけど!!

て言うか今私、王子様と会話をしている!!夢の様!!


「其処の…ドートリッシュ嬢は何時会ったか忘れたが、君とは会った事が無いと思うんだが」

「思いっきり失礼ですわねこの王子!!後私既婚者!!」

「「「……」」」


い、一応…隠されているのに、駄目じゃ無いのドートリッシュ…。

……馬車内に物凄く微妙な空気が漂っているわ。


「あっ!!言っちゃった!!」

「……いえ、気付いていたのでもういいのよ、ドートリッシュ」


今更感が凄いしな…。


「すみませんすみません義妹姫様!!」

「さっきから何だよそのイモウトヒメサマって」

「うっさいわね!!大体誰よアンタ!!」

「……ドートリッシュ、もう少し穏やかに…」

「義妹殿の言う通りだ、姉さん静かにしてくれ…」


いくら何でも怒鳴り合いしてたら外にまで聞こえてしまうわ…。

馬車だし幾ら派手でも防音な訳が無いんだし…。

魔法で何とかなるのかしら?防音の魔法なんて有るのかな…。

普通こういう時は持ち主(つまり私)が気を利かせて掛けるもんだろうけど…

全くそう言う技能がない…。申し訳ないわ…。

習い事で生活に役立つ魔法(初級)とか無いのかしら…。

有ったら実にやりたいわ…。

帰ったらもう少しスキル取得に真剣に取り組もう…。


「……ご無礼を致しました。ショーン王子殿下で在らせられますわよね」

「一応まだそうだな」

「ハァ!?まだ降りてなかったのかよ!?」

「手続きに手間が掛かるらしいぞ」

「サッサとしろよな…」

「お前の方は捗ってないらしいぞ」

「何でだよ!!」


ええと、何の事かしら…。王子様とお二人でヒートアップしてるし…。

サッパリ分からないけど、迂闊に突っ込むのは良くないわよね。

一方的に知ってるとはいえ、思いっきり初対面だし。

しかもお1人には毛嫌いされているし…。

うう、そのお顔で嫌悪されるの辛い…。

サポートキャラ如きにお顔を拝ませて頂けるだけでも有難いけれど…!!


「……すまんな。今の僕はジェラルディン・ルカリウムと言う。

ルディでいいぞ」


えっ、何で名前変わってんの!?

超詳しく知りたいんですけど!!

…でも何か…そんな雰囲気では決して無いわね…。

……ミーハーに傾きたいけど、この無表情顔じゃなあ…。

うん、サポートキャラらしく空気を読もう…。

きっとチャンスがやって来るわ。

私は大人…。見た目はまだ十代でも大人…三十路以下略なのだから!!

このメンツだととてもモメます。騎士サジュが可哀想…。

番外編から一年近く経ちますが、まだ『王子』でまだ『王様』なようです…。

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登場人物紹介
矢鱈多くなって来たので、確認にどうぞ。とてもネタバレ気味です。
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