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スローライフが程遠い!  作者: 嘉七


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第二話:僕は君で僕は僕②

リアク?(リアク、余り無茶はしない方が良いんじゃなか?)


リアク(でも、むらのひとこまるかもって、いってるよ?)


リアク?(リアクが居なくなったら、困る人はもっと居るんだよ?)


リアク(でも・・・)


リアク?(じゃあ、必ず男の人の側を離れない様にするなら僕は良いと思うよ)


リアク(わかった)


リアク「ぼく、おじさんのそばにいるからいってもいい?」


珍しく我儘を言い出すリアクを見て、迷うマリアンナ。

その時リアク?がある事を懸念する。


リアク?(リアク、魔獣がいる場所に怪我した人は居ないのかな?」


リアク?の疑問にリアクが大人にぶつける。


リアク「魔獣さん、いるところに、けがしたひとはいないの?」


マリアンナがハッとする。


マリアンナ「居るかもしれないわね、リアク行かせてあげるから、必ずお父さんかダバットおじさんの側に居て言う事を聞きなさい、分かったわね?」


リアク「うん」


ジャック「用意出来たぞ、リアクはちゃんと言う事を聞くんだ、聞かなかったら死ぬ事もあるからな?」


リアク「わかった、とうさん」


三人は森の中で暴れている魔馬の元へ向かった。

既にかなり暴れたらしく、森の木々がところところで折れている。

三人が到着した時には大分疲れてはいるがまだ威嚇するだけの元気があり、村の男達が寄ってたかってロープを投げて拘束していた。


ジャック「まだ子供じゃ無いか、大分暴れたな」


ダバット「何かに襲われて、ここまで来たのかかなり腹の怪我が酷いな」


リアク?(リアク、あの怪我治せそうか?)


リアク(わかんない)


リアク?(父さんにお願いしてみたらどうかな?)


リアク(きいてみるね)


リアク「とうさん、まじゅうさんのけが、ヒールしてみてもいい?」


リアクが突然魔獣にヒールをしてみたいと言い出して下さい一瞬考え込むジャック。

リアクが動物にヒールをして怪我を治しているとは聞いてはいるが、暴れる魔馬に近づかせて万が一何かあったら取り返しがつかない。

今まで手が掛からず家族での自分の立ち位置までわかってる子が言い出したら叶えてあげたいとジャックが思うのは当たり前であった。


ジャック「リアク、危ないから一度だけだ良いな?」


リアク「うん、わっかた」


ジャックが指示を飛ばす。魔馬を縛っているロープを更に増やし、木々に結び付ける。

更に暴れようとする魔馬に大人達がロープを引っ張り動けなくする。ジャックがリアクに合図するとリアクが手にヒールの呪文を唱え、魔馬の顔に近づけヒールを魔馬の鼻先に当てると、魔馬がその場にゆっくり体を寝かせて行く。

魔馬は腹を見せるかの様に横になり、リアクが酷い怪我の腹に呪文を唱えヒールをして行く。

一度での回復は見込めず何度も繰り返しヒールを行うリアク。


リアク?(もうちょっと・・・、もうちょっとで傷口が塞がる・・・)


リアクの懸命なヒールもあって魔馬に怪我が塞がった。

へとへとになったリアクは魔馬に寄り添う様に寝てしまう。

魔馬はリアクが自分の怪我を治し、危害を加えないのを察して、リアクの枕代わりとばかりにそのまま横になっている。


ジャック「我が息子ながら、ビックリだなこれは・・・」


ダバット「魔馬がここまで警戒しないのは初めてみるぞ」


ジャック「そうだな、ドレイクホースの子供か」


ダバット「この辺には居ないから、親と逸れたか、追い出されたか・・・」


ジャック「リアクと心境が似ているから、何かしら感じ取ったのかもしれないな・・・」


その後リアクは暫く眠っていたが目を覚ました時にドレイクホースと一緒に寝ていた。

ドレイクホースはリアクが気に入ったらしく、森に帰そうとその場に居た大人達が餌をチラつかせて誘ってもリアクから離れようとはしなかった。

ジャック達が相談し、一旦リアクとドレイクホースを連れて村に帰る。

村に到着して心配していたマリアンナがリアクを抱きしめ、ロックも一緒に抱きついていた。

ジャック達対応した大人達が村の人達に説明して、どうするか協議した結果、ドレイクホースがリアクについて来てしまっている事、森から村まで全く暴れずに素直で穏やかだった事、リアクが世話をするならジャックの家に厩舎を建てそこで世話をする事などの決め、村長がリアクに意識確認をする。


リアク?(リアク、ドレイクホースと一緒に居たい?)


リアク(いっしょにいたいけど、おせわたいへんかな?)


リアク?(そうだね、でもドレイクホースさんはリアクの事大好きだと思うよ?、だからリアクが一緒に遊べる様に、みんなに聞いてごらん)


リアク(うん、やってみる)


村長がリアクの家を訪ねて来て、大人しくしているドレイクホースを見て安心するとリアクに声を掛けてきた。


村長「リアクはこの魔馬をお世話するかい?」


リアク「おとさん、かあさん、そんちょうさんいっしょうけんめいおせわするのでぼくにドレイクホースさんといっしょにいさせてください」


こうしてジャックの家に新しく家族が加わった。

新たな厩舎をジャック家に増築すると聞いた村人達が聞きつけて来て皆で作業する事になり、馬が一匹だとかなり余裕のある厩舎になったがドレイクホースが成体になると馬の1.5倍の大きさになるので成体に合わせて増築された。

ドレイクホースはリアクが近いに居ないと不安らしく、離れていると悲しげに泣くのでリアクは増築されて厩舎で寝起きを共にする事になり、ロックと二人部屋から自分が寝ている大きめのクッションを厩舎の隅に小上がりを作りそこへ引き、一緒の空間で寝る事にし、ロックは思いがけず一人部屋となって少し寂しそうではあった。

厩舎に寝泊まりする様になりすっかりリアクの事を信頼する様になったドレイクホースに些細な問題が起きる。


ジャック「名前をどうする?」


そうリアクにべったりなドレイクホースの名前が決まって無かった。


リアク?(簡単にドレイクホースからレイクで良いと思うけど・・・」


ジャック「格好良い名前が良いな・・・」


暫く親子で考えるとジャックが突拍子も名前を言い出す。


ジャック「ルエモンティ・ワルドネルド・リードなんて言うのはどうだ」


リアク「るえもんてー・わーでるど・るーど?」


ジャック「違う、ネルデルデ・リカルド・ニード」


横で聴いていたマリアンナから横槍が入る。


マリアンナ「貴方、一つ目と二つ目の名前が全然違うわよ」


ジャック「そうか?」


マリアンナ「それにリアクが考えて付けてあげないと、折角リアクがお世話してるんだから」


マリアンナがリアクの顔を見て何かを促す様な目で訴える。


リアク?(決まらね・・・、あー、リオンってどうかな?)


リアクがボソッと一言つぶやく。


リアク「りあん」


マリアンナが聞き逃さなかった。


マリアンナ「リアンですって・・・、って、もしかして私の名前からなの?リアク」


リアク「なんとなく・・・」


リアク?(リオン!リオンだよリアク!)


突然自分の声が頭に聞こえて来る。

その声に流されるようにリアクが咄嗟に声をだす。


リアク「リオン!リオンがいい!」


ジャック「リオンか・・・」


3人の間に暫しの沈黙の時間が流れる。


ジャック「リオン!良いじゃないか!、リオン」


マリアンナ「リオンね、うん良い名前だわ」


こうしてドレイクホースの名前が『リオン』と命名された。

その夜リアクが深い眠りに着いた頃・・・。

何処からともなく声が聴こえる・・・。


男性「ーーーー、凄じゃあないか!、もう出来るのか!」



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