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スローライフが程遠い!  作者: 嘉七


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第一話:ファーストコンタクト➂

ロックが身体強化のスキルを付与されて一週間が経った。

ロックはジャックから剣術を習い始めていた。

身体強化自体は魔術でも使用出来るありふれたものだが、いざそれがスキルとなると話が変わってくる。

魔術では使用者の魔力量=時間や効果となるがこれがスキルとなると魔力を使わないし下手をすると起きてから寝るまで使用中となるらしい、なんなら寝てる最中もスキルを使ってるらしく、感覚が研ぎすまされているので慣れると寝込みを寝たまま防ぎ追撃まで出来る達人が居るらしい。

そんなスキルがロックに付与されしかも3歳児に付与されたものだから、家の中はひっちゃかめっちゃかになっていたが、当面の引っ越しはないので嬉しそうに母さんとリアクで片付けていた。

兎に角3歳児が大人の力加減で生活しているので使っていたおもちゃやコップから何から何まで壊れまくって、泣くわ、食べれないわで大変な一週間だった。

ジャックは苦肉の策で剣術を教えるとにして、ロックは父と剣を振る事が出来楽しそうに過ごす事が出来るよになった。

リアクの方はというと、おとといマザーが家に訪ねて来て、村長、領主、マザーの三者での会談の結果を知らせに来た。

マザーと村長の必死の説得に領主はリアクの養子を一旦諦めたといことになった。

流石に村長も村一番の剣士とスキル持ちの息子を村から逃すとなるとみんなから刺されると思ったのかマザーと一緒に説得に回ったらしい。

今回、騒がせたお詫びとして昨日騒動の発端となった日の本来の目的であった図鑑等の入れ替えがあったらしく要らなくなった本は街の古本屋に売られ村の貴重な現金となっていたのだが、その古本の図鑑と魔術書に加え、新書の言語辞書と炭筆と言われる鉛筆の芯を太くした物、小さな木彫りの女神像をリアクにくれた。

ロックはをくれやと思ったらしいが、中身が一切興味の無い本と木彫りの女神像だった為、あっという間に外の庭に行ってしまった。

 

マザー「本当に、ごめんなさいね、貴方があまりにも賢く、良い子で熱心に祈るにを見ていて、街に出てそこで暮らした方が貴方の為と勝手に思ってしまったの、もう言わないからまた女神様にお祈りだけでも良いので、教会に来てくれる?」


マザーがリアクの手を取り膝をついて謝罪した。


リアク「うん、ぼくもめがみさまにおいのりできなくて、いやだったから、またいくね」


その言葉を聞いたマリアンナとマザーが号泣してしまい、どうして良いのかわからずオロオロしたリアクが居た。

そんな事があり、リアクの生活リズムが変わった。

朝、大きなクッションから起き、リビングの棚に置いた木彫りの女神像に備える水と育てている野菜を備え、祈りを捧げる。

ジャックとの稽古で疲れて寝ているロックを起こし、マリアンナが用意してくれている朝食が食べられる準備をする。

朝の巡回から帰ってきたジャックがテーブルにつき朝食となり、マリアンナと一緒に片付けをする。

それが終わるとマリアンナは洗濯をするのだが、まだ3歳児出来ないので、マリアンナに一声かけて教会に行き女神に祈る。

以前はそこでマザーの執務室で過ごして居たが、今は家に帰り、家の中で字の練習をしたり貰った植物図鑑を眺めて一日を過ごす。

夕食を食べ、ジャックが夜の巡回に出る頃リビングの棚の木彫りの女神像に簡単に祈りをして二人部屋の大きなクッションの上で寝る。

それが1日にサイクルとなっていた。

そして、その日は突然やってきた。


マザー「リアクに3歳の洗礼をさせてはどうでしょうか?」


マザーが珍しく訪ねて来たと思ったらいきなり洗礼と言い出した。


マリアンナ「確かに、もう3歳を超えてますでしょうし・・・」


母さんがどうしようか迷っている。


マリアンナ「本人が受けたいと言うのなら良いのですが、何せロックの時のやり取りを見てますし、本人も薄々気が付いてはいるとは思うのですが、事情を本人に説明してからでも良いですか?」


マザー「それはもちろん、その方が良いでしょう」


マザーが出されたお茶を飲み干し、家を出て行った。

その夜、晩御飯前にテーブルを囲み、父さんからロックとリアクにリアクがこの家に居る事への事情を分かりやすく教えられる。


ロック「りあくは、ぼくのおとうとだけど、とうさんとかあさんのあかちゃんじゃないってこと?」


3歳児が一生懸命頭をフル回転させて理解しようとしている。


リアク「ぼくは、ちょっとまえから、よそのこかなって、おもってた」


その発言が父と母の涙腺を崩壊させる。


ジャック「リアク、おまえ、判るのか・・・」


リアク「だって、ぼくのあたまのいろと、とうさん、かあさん、にいちゃんのちがうもん」


その言葉を聞き、ジャックはリアクを抱きしめる。


ジャック「たとえ、髪の色が違っても、たとえお前が俺と母さんの子供で無くても、もうお前は俺の息子で俺の家族だからな・・・」


マリアンナ「そうよ、リアクは私のおっぱいでロックと一緒に育ったのよ、もう誰がなんと言おうと私の息子よ!」


ロック「りあくは、ぼくのおとうとだよ、これからもいっしょにあそぼう」


リアク「うん」


家族が暫く四人抱き合って泣いていた。


ジャック「それで、リアク、洗礼は受けてみるかい?」


リアク「してみlたい」


マリアンナ「じゃあ、私からマザーに伝えとくわね」


ジャック「さて、ひとしきり泣いてお腹が減ったから食べよう!」


こうしてリアクの洗礼が決まった。

翌日、マリアンナが教会に行きマザーにリアクの洗礼式を行う事を伝えると次の太陽の日に行なうと伝えられる。


リアクの洗礼の日前日、リアクは何時も通り朝のルーティンを終えて教会の聖堂で祈りを捧げてる。

マザーが聖堂にリアクを招き入れ、祭壇横の椅子に座り様子を見届けるのだが、この日は村人に呼ばれて途中で教会を離れていった。

リアクもいつもならそこで家に帰るのだが、この日は違った。

誰も居ない聖堂の中、リアクは横の椅子を祭壇まで引き摺り、賜経本に手を当てる。


リアク「女神様のご加護を我が人生に」


祈りの言葉を声に出すと、賜経本が光り文字が浮かみ上がる、リアクがポケットに入れていた手拭き代わりの布を被せる。

光が収まると、椅子を戻し教会を後にする。


リアク?(一瞬見えた!《回復魔法》の文字が見えた!)


習得したスキルが魔法だと体内の魔素を使わないでスキルの魔法が使い放題になる。

ただ、大抵魔法その物がスキルとなる事はほとんど無く、大抵は単体の魔法がスキルとして付与される事が多い。

ファイアーボールならファイアーボールは魔素を使わないで連発出来るが他の魔法は魔素を使うので限度がある。

リアクは《聖魔法》のスキルを付与されたという事は聖魔法すべてが魔素無しで使用出来るようになった事になる。


リアク?(たぶん、魔法その物がスキルとなったと思う・・・、見つかればやばかっただろうな・・・)


家まで気持ちを抑えるためにゆっくり呼吸をした歩くリアク。

家に入り、リビングから階段を上り、ロックとの相部屋に入り、何時もの様に大き目のクッションに身を埋め、目を閉じる。


リアク?(やばいなぁ・・・、たぶんこれチートってやつだろうなぁ・・・)


今日は教会の祈りから少しの間、3歳児のリアクの体を「乗っ取る」形を捕った。

一人の体にもう一つの精神が宿っている状態なので普段は傍観しているが、たまに短い時間を体のコントール権を把握出来るか試していた。

そして、遂にこの日が来た。


リアク?(やあ、リアク、こんにちわ)


突然聞こえる自分の声。

あたりを見回すが自分一人。


リアク「だれ?」


リアク?(僕は、君の中に居るもう一人のリアクだよ)


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