第52話 騎士団長…ロシアン・マフィアその5
「あ、あれは携帯式の対空ミサイルだ!」とミリタリーマニアのSAT隊員が叫んだ、”こ、これはとんでもないことが起きるかもしれない”とSAT隊員達も思っていた。
「作戦開始!‥‥発煙弾を撃ち込め!」とSAT隊員を率いる有馬新一隊長が落ち着いた声でマイクロフォンに向って指示をだした。
数人の隊員が前に出て中折れ方式のグレードランチャーを操作して”ポーン、ポーン”と軽い音を立てながら発煙弾が事務所の周りや一階の事務所のマドを割りながら中に飛び込んでいくと発煙弾はクルクルと回転しながらモクモクと白煙を吹き出していた。
SAT専用の銃器対策装甲車の運転席に座る渡辺隊員、フロントガラスは防弾仕様厚さ32ミリであったがさらに防弾板で覆いわずかなを隙間から覗きながら幅4mほどの前方の入り口から通路の両脇には廃車が山のように何台も積み重ねていて20mほどの先にある事務所を見つめていた。
”あそこまで行ければ、あとは仲間が突入できる‥‥”
エンジンのキーを回して12.8Lエンジン、大型トラックやバスなどの車両に搭載される直列6気筒のDOHC24バルブディーゼルエンジンが重たい音を立てて咆哮した。
装甲車の後部乗員席では天井の防弾ハッチを盾のようにして開いて山本隊員はMP5短機関銃をかまえチタン製ヘルメットに強化プラスチック製の防弾バイザーから前方を睨んでいた。
装甲車の両脇にはセラミックアーマーのように、外表面にセラミック層を設け、鉄芯の徹甲弾頭に対抗できるようにした防弾盾を構えた隊員が先頭になってチタン合金とケプラー繊維製の防弾ベストを着込んでMP5短機関銃をかまえた隊員が数人固まっていた。
発煙弾で十分に事務所から視界をさえぎったと判断した有馬新一隊長が叫んだ‥‥「突入!!」
二階の事務所のミハイルとケレンスキーが使い慣れたカラシニコフ自動小銃 AK-12を構えて窓際に身を隠していた。
AK-12はロシアのカラシニコフ・コンツェルン社が設計・製造したアサルトライフルで、素早く正確な射撃を可能にする為にプリズムを用いてレティクルを射手の目に投影する光学照準器‥‥
赤い点を投影し、標的をその照準に合わせることで狙いを定めることができる1P87コリメーターサイトが装備されAKライフルの第5世代にあたり2018年にロシア連邦軍が採用したアサルトライフルである。
正面の入り口からゆっくりと迫ってくる銃器対策装甲車、その両脇には先頭の隊員が防弾盾で身を守りながら進んでくるSAT隊員達‥‥
「ダッダダ‥ダッダダ」とSAT隊員のMP5短機関銃の威嚇射撃で事務所の窓ガラスは破片となって床に散乱し煙幕の白煙が入り込んでいた。
「デカい奴をお見舞いしてやるか‥‥」と言いながら窓際で落ち着いて様子を見ていたリーダーのチャップマンは壁に立てかけてあったRPG-7「携帯対戦車グレネードランチャー」を肩に担いでグリップを握りアイアン・サイトを覗きながら装甲車の運転席に照準を合わせて引き金を引いた。
すると最後部の発射薬に点火、ロケット弾が秒速120mで発射器から飛び出し、安定翼が展開される。およそ10mほど飛行すると推進薬に点火して最大300m/秒に加速して、防弾板で覆われていた運転席に直撃すると先端部分の圧電素子が作動してHEAT(対戦車榴弾)弾頭を起爆させてデカい爆炎が装甲車で起きた‥‥
それに合わせてカラシニコフ自動小銃 AK-12を構えていたミハイルとケレンスキーもすかさず、防弾盾を構えていたSAT隊員達に向って5.45x39mm弾を撃ち込んでいた。
「くそ~、あれはロシアのロケットランチャーじゃないか~」と叫ぶ有馬隊長‥‥10mも進まずに事務所の二階から白煙をだして飛んで来た物体に銃器対策装甲車の運転席が吹き飛ばされて渡辺隊員は即死した。
運転席を破壊され黒煙を出して燃えあがる装甲車、その周辺では防弾盾を地面にたてて反撃する隊員や積み上げられた廃車の陰からMP5短機関銃を出して
射撃をしていたが、容赦ないロシア人の銃弾が降りそそいで次々に倒される隊員たちだった。
このままではまずいと思った有馬隊長は「右翼にいる第三小隊、囲いを爆破して事務所に突入しろ!」と待機していた小隊に指示を出した。
スチール製鋼板の囲いにアーチ状に取り付けた特殊炸薬の起爆装置のボタンを少し離れたところで持ってい小隊のリーダー笹口隊員は後方に控えていた部下に向かって「爆破するぞ!‥‥突入用意~」と叫んだ‥‥
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警視庁の上層階にある、特別会議室では柏原誠司警視総監をはじめ各部署の上級の管理職達が、メインモニターに映る、あきる野市の廃車中古車買取センターの現場のドローン映像を真剣にみていた。
すでに東京都にも報告が上がっており、地域住民を避難させての第一機動隊やSAT部隊出動させての凶悪犯罪者の逮捕ということで、江藤律子東京都知事を本部長にして緊急対処事態対策本部も立ち上がり同じように警視庁の会議室の柏原警視総監とはリモートで繋がり同じ現場のドローン映像を見ていた。
「な、なんだ~あれはマスコミのヘリコプターが撃ち落されたぞ‥‥」と現場のドローン映像や警察の映像記録係が撮っているライブ画像を見ていた警察の官僚達が騒ぎだした。
「あの民間の取材ヘリを撃墜した武器はなんですか?」と落ち着いて柏原警視総監に聞いてくる江藤律子都知事‥‥
「あれは‥‥」と言いながら近くで控えていた副官から渡されたメモを見ながら‥‥
「ロシアで開発された、携帯式対空ミサイルシステムだと思われます。‥‥」
「そんな物騒なものまで、この日本に持ち込まれていたのですか‥‥」
「そんなミサイルを持っている連中に警察の特殊部隊SATで対応ができるのですか?‥‥」と警察の対応を心配する江藤律子都知事
「銃をつかって警察官を平気に殺害する連中なので特殊部隊SATを出動させましたが‥‥」
「わ、分かりません…ただのロシア人の凶悪な犯罪組織だと思っていましたのが、あのような兵器をもっていたとは‥‥」
さらにライブ映像には発煙弾を撃ち込み正面からSAT隊員と共に銃器対策装甲車がゆっくりとアジトの事務所に近づく様子がドローンからのライブ映像がうつしだされた。
「あっ!……あれは~」と都庁の緊急対処事態対策本部と警視庁の会議室にいた上級管理職のお偉方達がまた声を上げてしまった。
江藤都知事が心配していた状況が起きてしまった。
事務所の二階から白煙とオレンジ色の炎を出しながら、また不審な物体がSATの銃器対策装甲車の運転席に直撃するとデカい爆発音とともに破片を飛ばしながら炎上したのである
それにより急停止し黒煙をあげながら燃えている装甲車の周辺からSAT隊員達がこれでもか~というぐらいのMP5短機関銃での一斉射撃を始めた。
それに合わせて敷地の側面のスチール製鋼板の囲いを爆破して防弾盾を構えて建物に向って突入していくSATの隊員達、すでに遠隔の防犯カメラでSATの動きを見抜いていたロシア人のアントンがRPG-7で対人用榴弾をセットした弾頭を迫ってくる隊員のど真ん中に向けてぶち込んできた。
デカい爆炎と共に五名の隊員が吹き飛ばされてそこら中に倒れていた。
そこへ脇にいたアレクサンドルがカラシニコフ自動小銃 AK-12でとどめをさすように残りの4人の隊員へと撃ち込むと防弾の盾をかざして身動きが取れなくなっていた。
すでに誰が見ても劣勢になってしまったSAT部隊‥‥‥
「すぐに、作戦を中止してください!」とライブ映像を見ていた江藤東京都知事は大声でリモートでつながる柏原警視総監に向って指示をだした。
「これでは、隊員達が全員、虐殺されてしまいます。」
「すぐに戦闘をやめて、負傷している隊員の救出を最優先にして機動隊での包囲を続けてください‥‥」
「それと防衛省と総理に至急連絡をとってちょうだい‥‥自衛隊法第81条第1項(要請による治安出動)による自衛隊に治安出動を頼みます!」と警察の持っている治安力では手に負えないと素早く判断して脇に座っていた事務官に防衛省と総理官邸への連絡を指示していた。
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近くの山道にはサイレンを鳴らして消防車や救急車がヘリコプターの墜落現場を目指して何台も走り過ぎていき騒然としている中、バイクをそばの茂み隠して、ロシア人のアジト近くの高台の森の間から団長は心配して様子を見ていた。
警視庁の特殊急襲部隊・SATの隊員と警察官殺害事件の犯人であるロシアンマフィア・ブラトヴァのロシア人達との壮絶な爆裂音や自動小銃と短機関銃での撃ち合いの音が響いていた。
”まずいな~SAT部隊がおされているな~、あの脇からスチール製鋼板を爆破して突入した部隊もロシア人に見破られてあのとんでもね~ロケット兵器で吹き飛ばされているじゃないか~”
”正面の装甲車なんか前部から炎を出して燃料が燃えてまわりにも何人も隊員が倒れているぞ~くそ! ボロ負けだ~」
”あれはRPG-7「携帯対戦車グレネードランチャー」ですよご主人様~さすが元ワグネル隊員ですね~あんなものまで日本に持ち込んでいるとは‥‥”
”ああ~さすがに警察も諦めたか~SATの隊員や機動隊の連中が負傷者を連れて引き上げはじめたぞ~”
”そうですよ~あんな強力な兵器を持ち出してくるとは、今の警視庁の武器では戦えませんよ~”
”なんか、この殺し合いではルールも無いみたいだな~あのロシア人たちを驚かせるような武器はないのかよ~”
”フフフフ‥‥ご主人様、お任せ下さい、今その兵器のコントロールシステムにつながりました‥‥”
”派手な花火であの要塞のような事務所を吹っ飛ばしてやりますよ~”とまたまた変なスイッチが入ったエーアイだった。
つづく、、、




