第48話 騎士団長…ロシアン・マフィア
ロシアンマフィアのアントン・キーロフが送検途中に白昼、街中で襲撃を受けて警官三名が殉職して、容疑者が奪回されるという凶悪事件は警視庁に激震を走らせた。
日本中のマスコミがこの凶悪な犯罪を速報でTVで流していた。
さっそく浅草4丁目交差点警察官襲撃事件として警視庁をあげて全力で捜査がはじまったのである。
警察の上層部ではこの日本中を騒がす重要事件として世間から注目される事件として結果が出せなければ誰かが責任をとらないといけない事件……
いつものように、警視庁内で対立する有名国立大学の派閥キャリア組では万が一責任を取らせてもお互いに問題がない、どちらの派閥にも入っていない、優秀で都合のいい地方大学法学部出身のキャリア組、伊達直樹警視をまた管理官として送り込んだのである。
そこには「組織犯罪対策課」第二係の天城達也係長も副官として入って特別捜査本部が立ち上がり、現場検証がはじまっていた。
二人は、防犯カメラに写っていた犯人が、このような犯罪が手慣れたような動作の一部始終を見ていた。
「これはどう見てもプロの計画された犯罪、それも警察組織の中に内部協力者がいて送検される被疑者の移送日時などが犯行グループに伝わっていますよ」と思った事を話す天城係長
「そうだな、これは絶対に送検の日時の情報がもれている。警察内部に裏切り者がいるんだ!、それで連中は仲間を奪回できたんだ!…本庁の監察官に調べてもらわないといけない」
「仲間が殺されたと言うのに、同じ警察官を疑わないといけないのか~‥‥」
「ところで、天城係長、ロシアンマフィア最大の組織ブラトヴァとはいったいどういう組織なんだ‥‥」あまり組織犯罪にくわしくない伊達管理官が聞くと
「起源は帝政ロシア期の犯罪集団や、ソ連時代に刑務所内で形成された盗賊集団だと言われていますが…」
「ソ連崩壊以降の1990年代に、一時的な無政府状態や急激な資本主義化によって、軍や治安組織の腐敗・解体、経済混乱が同時進行した結果として、こうした闇社会の集団が一斉に台頭し、国内外にネットワークを拡大してきたようです。」
「日本に来ているこの犯罪集団は、ウラジオストクを拠点にしているようで、日本からの中古車の取引を表向きの商売にして日本の犯罪集団と組んで高級盗難車を引取り解体してヨーロッパに送ったり、コカインやヘロインなどを大量に持ち込みこちらの裏組織に流しているそうです。」
「他にも武器の密輸や東欧の女性を連れてきては売春行為などをさせて稼いでいるそうです。」
「日本の市場は彼らにとってもだいぶ利益がでるんでしょうね……」
「それにしても、すぐに警官でも殺害するような連中の一人をよく逮捕できたな~」
「そうですよ~まだ、今年、警察学校に入校した高卒の見習い巡査が語学堪能で、不審者だった被疑者を流ちょうな職質で取り押さえたようです。」
「どうも、最初から怪しんで自身の拳銃を構えて威嚇していたおかげで被疑者の反撃を受けないで済んだそうです。」
「えっ!…高卒の18歳がそんなロシアンマフィアを相手にした肝っ玉を持っているのか!……たいしたもんだな~」
「その数日後にも、実習先の浅草で起きたOL殺人事件も臨場してすぐに隣人の学生を疑い証拠品の返り血を浴びた衣服を見つけて逮捕したとか……」
「今では、警察学校では初めての見習い巡査で警視総監賞が決まったそうですよ……」
「なんだそれは~化け物みたいな巡査だな~」と団長の活躍に驚く伊達管理官だった。
「それで、天城係長わるいんだが、また謎の情報提供者に連中のアジトがどこにあるのか聞いてもらえないだろうか……」
「襲撃した際の連中の車を”Nシステム”で追跡したんだが、途中の高架橋下の駐車場で乗り換えてしまい、追跡ができなかったんだ~」
「わかりました。メールを送って確認してみます。」こうしてまた神頼みのように、お告げを期待して”警察官殺害の犯人達のアジトを知りたい”とメールを送るのだった。
【※Nシステム走行中の自動車のナンバープレートを自動的に読み取ることで、手配車両のナンバーと照合する日本のシステムである。手配車両の追跡に用いられ、犯罪捜査の重大な手がかりとなる。】
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東京都あきる野市、西多摩霊園近くの国道411号滝山街道に面して、廃車中古車買取センターのでかい看板が立って 広大な敷地に背後には野鳥の森自然公園の山並みが続いて三方を建設現場や工事現場で使う高さ3mの高い強度と耐久性を持つスチール製鋼板で囲いがしてあり中が見えないようになっていた。
道路に面したところも同じようになっており、車の出入り用の簡易ゲートがただ一ヶ所の出入り口として設けられて敷地には、使える部品やタイヤ、ホイールが外された廃車や事故車両が山のように積まれて放置されており車の解体作業用のでかい工場と鉄筋の二階建ての事務所が奥に並んでたっていた。
ここの解体作業場では関東最大の暴力団仁龍会傘下の車両窃盗団がロシアンマフィア・ブラトヴァの要請にそって決まった車種や台数の高級車を盗んできては運び込み他の正規の中古車といっしょに解体されて中古車部品としてコンテナに収納して新潟の港に運びウラジオストクへと運ばれていきそこで再度組み立てられていた。
欧州の市場では日本の高級車は人気があり常に高値で取引されていたである。
そして暴力団仁龍会にはサハリンの漁港を取り仕切っているブラトヴァの組織から豊富な海産物の特にウニやカニなどがまた、新潟の港に運ばれて暴力団仁龍会にその代償として支払われていた。
それらは高級海産物として裏の市場に流され仁龍会の資金として潤っていた。
こうしてロシアンマフィア・ブラトヴァと関東最大の暴力団仁龍会はガッチリと組んで荒稼ぎをしていたのである。
二階の応接室のソフェーには五人のロシア人が座りテーブルにはアルコールや料理が並んで救出作戦がうまくいったことに祝杯をあげていた。
一人は浅草南署につかまっていたアントン・キーロフ…そして日本の仕事を任されているリーダーのニコライ・チャップマン他に仲間のミハイルにアレクサンドルそれとケレンスキー‥‥‥
五人の右腕にはお揃いのドクロのマークがついたワグネルの部隊名がタトゥーで彫られて脇には東欧から連れてきた高級コールガール達がそばについてアルコールをついでいたり料理を食べていた。
彼女達は関東最大の暴力団仁龍会と組んで日本の政財界の大物達専用の夜の女達…高級デリバリーヘルスとして依頼主の自宅や高級ホテルなどの宿泊先へ出向き性的サービスで稼いでいたのである。
「日本のポリスも甘いもんだぜ……仲間を奪回しにくるとは思っていねじぇないかよ~」
「防弾チョッキなんていらなかったぜ……あいつら俺達が襲ったときになんで反撃しなかったんだ~銃も持っていなかったのかな~」と仲間のミハイルが言うと
「ああ~日本人なんか平和ボケしているだろう~国内では銃の規制がきびしいからな~銃犯罪なんてめったにないからな~自分が撃たれるなんて考えてもいないさ~」
「だからあれだけ驚いた顔をして死んでいたったのか~まさか、自分が容疑者を移送中に頭を撃たれて死ぬなんて、まあ、これまでこの国ではそんな事もないだろうからな……ハハハハッハ」
「アントンも捕まったあの日は銃を持っていたんだろう~なんで一発かまして逃げなかったんだ~」と聞いてくるリーダーのニコライ
「俺を捕まえた若いポリスだ!~あいつの目は特別だった。なぜか、あれだけ訪日外人がいる中で俺と目があったら急に態度が変わっていっしょにいたトロそうなポリスと話し込んでからまっすぐ俺に向かってきたんだ!」
「近づくときも落ち着いていて腰の拳銃に手をかけて、いつでも抜けるようにしてきた時は驚いたぜ~」
「持っていた”バックの中身を見せろ!”と言ってきた時はビックリしたぜ~まるで中身を知っているような感じだった。」
「あれは、間違いなく実戦を経験している奴だ、おそらく相当な手練れだと思う、俺もスキがあればと思い背中の銃に手を伸ばそうとしたらすぐに銃を向けやがってあの目はすでに人を殺すことにためらいはない奴だったぜ、背中の銃はすぐにあいつに奪われてしまったよ。」
「それと同胞のように達者なロシア語をしゃべっていたし、俺の名前や組織のこと、それに驚いたことに家族の事もって知っていたぜ…あいつは何者だ~」
「絶対にあいつは生かしておくとろくな事がないぜ~」そう言って団長を警戒するアントン
「そうか~お前でもそんなに警戒する奴がこの日本の警察にいるとは思わなかった、警視庁には仁龍会の飼っている内部協力者がいるから、そいつの事を調べてもらうか‥‥」
こうしてロシアンマフィア・ブラトヴァから目をつけられた団長だった。
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”くそ~あの野郎…やっぱり仲間がこの国にいやがったんだ~”と事件を知った団長は警察学校の居室でくやしがっていた。
”なんで、もっと警戒していなかったんだ‥‥向こうの世界でも馬車で移送途中の捕まえた盗賊なんて、いつ仲間が奪い返しにくるかわからないから、物凄く警戒しながら移動するのに‥‥”
”しかたないですよ~ご主人様…この国では銃の規制がありますから、警護のかたも油断していたんでしょ‥‥”
”ああ~だが実習先の浅草南署の先輩達が無残に奴らに殺されたんだ~ここは仕返しをしてやるぜ!”そんな事を思っていた矢先‥‥
”ああ~きました!、きました!、ご主人様~玲亜様のお父様から今回の事件‥あの警察官を殺害した”ロシアンマフィア・ブラトヴァのアジト”を調べて下さいとメールが届きました~”
つづく、、、




