第46話 騎士団長…現場実習その2
「いいか!‥背中に手をまわしたら撃つぞ!‥‥もう観念しろ!……バックを置いて両手を頭にあげてそこに膝まづけ!!」とロシア語で話して地面に指をさして本気で殺すぞという目つきで指示をする団長‥‥
さすがに二人の警官から銃を突きつけられては身動きができない…アントン・キーロフはバックを地面に置いて両手をあげておとなしく膝まづいた。
すぐに近くの交番から応援の警官が走り寄ってきた他に浅草南署からもパトカーがサイレンを鳴らして近づいて来るのがわかった。騒然とする浅草寺だった
両手を頭にあげて膝をついた状態のアントンに近づく団長は素早く背中に近づき……背中に隠し持っていた拳銃を抜き取ると”収納!”と念じて自分のアイテムボックスにしまいこんだ。
野村巡査長は落ちているカバンを広げると一キロ単位で厳重に包装された包が5包が中に入っていた。
「これは!‥‥コ、コカインかも知れない…5kgはあるぞ!」とその中身を見て驚いていた‥‥
「浅草南署で過去最大の押収量かも知れない……」と普段は街のチンピラ売人から押収した数グラムのコカインしか相手にしていなかった野村巡査長は、初めて見るその量に驚いていた。
”さすがご主人様~やりましたね……ところで奪った銃はどうするんですか?……”
”まあ~これからなんかあったときの護身用に持って置くよ……この世界の武器は強力だからな~…フフフフ”
その逮捕劇を周りを囲む野次馬たちが見ていた、そこにはコカインを引取りに約束の時間にやってきた暴力団仁龍会その傘下の渋谷を縄張りにして大麻やコカインを扱っている井波組の若頭・山倉武志は「チェッ!…」と舌打ちして札束が詰まったバックを持ったまま何もできずにその警察の捕り物劇を見ていたのである。
そこをすぐに離れるとスマホを取り出して‥‥「組長、まずいですぜ!‥‥例のロシア人が捕まりました!‥コカインもそのまま警察に押収されてしまいこのままだとすぐに在庫もなくなりますよ」
訪日外国人が大勢やってくる浅草寺ここでは外国人は珍しくもないそれを考えてコカインの取引場所にしていた井波組だった
5kgのコカイン末端価格で1億円以上の売り上げ金がなくなり、供給がしばらく止まる事になればそれは今まで開拓してきた金払いのいい常連の上客達が他の供給元に流れていくということだった。
浅草南署に連行されたアントン・キーロフ、英語が得意な署員が尋問しようとしたがさっぱり通じなくて、野村巡査長から永瀬巡査がロシア語が堪能という報告を聞いた上司はすぐに団長を取り調べ室に呼んだ。
「君が永瀬巡査か‥‥よくこいつが麻薬の運び屋とわかったな~お手柄だよ~」
「この容疑者は身元がわかるようなものは何も持っていないし、携帯も持ってないだよ~なんかプロの密売人のような気がするんだが~」
「悪いが、こいつの名前や所属する組織に取引先の相手の組織、どいうルートでこの麻薬を運んできたのか、聞いてくれないか~」
浅草南署の組織犯罪課に所属する池田直樹刑事が容疑者を前にして隣でそう言ってきた。
「わ、わかりました……」
”エ~こんなヤバイ奴なんか骨の2~3本でも折ってを痛めつけて、拷問でもしないとなにもしゃべらないぜ~”
”大丈夫ですよ~ご主人様……もうこいつの事はロシアの情報網からマフィア・ブラトヴァやワグネルのデーターに入り込んで調べました‥‥それでこいつの事を脅してみますか~”
アントン・キーロフに関する情報がエーアイから持たされるとニヤつく団長
脇にいる組織犯罪課の刑事と並んで流ちょうなロシア語で話しはじめた。
「おい!アントン・キーロフ、年齢は29歳か、いつまでダンマリしているつもりだ‥‥お前さんの所属しているブラトヴァについて少し話してくれよ~」
「えっ!?………」いきなり、自分の名前と年齢に組織の名前を言い当てた団長を驚いた顔でみつめるアントン……
「日本では営利目的で覚醒剤の輸出入や製造をした場合は無期もしくは3年以上の懲役で牢獄に入らないといけないんだぜ~」
「まあ~お前さんの場合は悪質で量も5kgだからな~10年以上はくらうかも知れないな~‥‥」
「おい、おい、いつまでダンマリするんだよ~、このままだとてめ~は日本の法律で裁かれて何年も国に帰れね~ぞ!」
「いいのか、国に残した”アンナ”とかいう奥さんと”ダリヤ”と”クリシナ”の二人のかわいい娘にも会えねからな!」
「な、なんでそんなことまで知っているんだ?……あんたとは今日あったばかりじゃないか……」と目を大きく開いて驚いてきいてくるアントン……
「テメ~のことなんか何でも知っているぜ‥‥元ワグネル隊員のアントンさんよ~」
「最近まではワグネルのアフリカチームに所属して現地の連中に相当ひどいな事をしてきたようだな~それで辞めたのか‥‥」エーアイから教えられたアントンの過去に触れる団長
「グッ!‥‥そ、そんなことまで……貴様には関係ないだろう~」
脇で何の会話をしているかさっぱりわからない組織犯罪課のベテラン刑事だが、容疑者が急に顔色を変えて永瀬巡査といろいろとしゃべってきたのを見ていた。
「ああ~関係ないね~あんたと話ができればいいんだよ~」
「フンッ!お前が何を聞いてきても俺はなにもしゃべらないぜ~……」そう言って口を閉ざすアントン
団長は隣に座っている犯罪組織課の刑事に向って‥‥‥
「こいつの名前はアントン・キーロフ‥‥」
「日本で活動しているロシアンマフィア組織はあるんですか?~どうもブラトヴァと言う組織で日本でも悪い事ばかりやっているようですよ……」
「彼はその組織の人間で、関東の裏組織にコカインを流そうとしていたようです。」とエーアイのつかんだ情報を話す団長
「こ、こいつがブ、ブラトヴァだって………そりゃ~大変だ~こんな所轄の警察署が扱う件でないぞ~」
「すぐに、本庁に連絡してこいつを調べてもらわないといけない案件だ~」と驚く刑事
こうしてアントン・キーロフの聴取が終わり留置場へと連れて行かれた。
「いや~永瀬巡査お手柄だよ~見習い実習でいきなりこんな大物を職質で捕まえるなんて凄いよ~」そう言って肩を叩いてくるのは野村巡査長だった。
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数日後………浅草の馬車通りに面した5階建ての賃貸マンションそこの一室では警察の鑑識が盛んに写真や指紋をとっていた。
玄関先から少し離れたリビングキッチンその場所に仰向けになって血だらけで倒れている遺体になった自分を部屋の隅で見つめているのはこの部屋の借主でOLの麻倉静恵だった。
”どうして‥‥どうして私があんな奴にに殺されなきゃいけないのよ~”と無念な気持ちで立って見ていた。
鑑識の調べが終わると警視庁の捜査一課の刑事達が被害者の状況を確認するとすぐに初動捜査に入った。
しばらく浅草の交番で実習を続けた団長は今度は刑事部での実習となり背広をきて、指導官の石塚陽介刑事(33歳)から指導を受けていたが本庁の刑事が調べ終わると、初めての殺人事件現場に経験を積むために臨場していた。「いいか~間違っても御遺体を見て驚いて胃の中身をぶちまけるなよ~」と何度も念を押す石塚刑事
”フフフ~そんなもん、向こうではいくらでも見ているから大丈夫だぜ!”と思いながら元気よく「わかりました~!」と返す団長
規制線のテープがはられたところくぐり、玄関にはいるとすぐそこのリビングには血みどろの床に胸を数か所刺された20代の女性が仰向けに横たわっていた。すかさず石塚刑事といっしょにかがみこんで両手を合わせ合掌して顔をあげると‥‥‥
御遺体の反対側にはこの部屋の借主でOLの麻倉静恵が立っていて、その彼女としっかりと目を会わせてビックリしてしまった団長‥‥
「えっ!‥‥あなた‥‥私が見えるの?‥‥」と彼女は聞いてきたのである。
つづく、、、




