第28話 騎士団長…ひき逃げ事件‥その5
東京地検の品川分室
久我検事が「本当にあなたが起こした事件ですか?」と何事度聞いても「自分がやった。」としか言わなかった佐山氏に対して、いったん起訴は保留として被疑者を拘留している目黒東署に返した。
「久我検事、いい加減にしてくださいよ~」
「あんなに”自分が引き逃げ犯だ!”と言っていて、正確な事故の状況も説明しているのに、なんですぐに起訴しないでんですか~」
「まだ他にいっぱい案件がたまっているんですよ~」
「こんな、犯人が自供している簡単な事件なんて15分で終わらせて下さいよ~」
仕事を管理している検察事務官、尻沢悦子が頬を膨らませ不満を口にしていた。
「ア~、悦ちゃんそんなにむくれないでよ、チョー美人がだいなしだよ~」
「わかっないかな~あの人はやっていないよ~、よ~くこんな子供だましの送検書を作るよね~」
「目黒東署の署長も馬鹿じゃないの、ご丁寧に自分の印まで押して丸印に特のハンなんて、何様のつもりなのかな~」
「え~、それって特別案件じゃないですか~、すぐに起訴して裁判所に回さないといけないんじゃないんですか~」
「うん~そうだね~本当の犯人ならすぐに起訴してあげるけど、無実であるのに犯罪者として起訴しちゃったら冤罪になっちゃうじゃんハハハハ~」
「ウン!、これは、再捜査が必要だな~」
「え~、また捜査にいくんですかですか~このあいだも万引犯の証拠固めでいったばっかりじゃないですか、この溜まっている他の案件はどうするんですか~」
「こんな小さなひき逃げ事件なんてどうでもいいんじゃないですか~」
「悦ちゃん、いつも言っているじゃん、事件に大きいも小さいもないよ~、人の人生がかかっているんだから」
「それじゃ~被害者の女の子にお見舞いにでも行こうか~なんかわかればいいけど」そう言って立ちあがり脇においてあったバックをもって尻沢悦子の肩を叩くと
「エ~私も行くんですか~」としぶしぶついていく検察事務官だった。
検事の仕事は99%がデスクワークで、検事自らが事件を捜査することも可能だが普通はそんなことなんかしない。
法による検事の捜査権限は警察(刑事など)よりも遥かに大きく、刑事訴追(公判請求)する権限は検察官の専権事項(起訴独占主義)であり、国家権力の執行者といえば警察よりむしろ検察である。
また、検事は”単独でその権限を行使できる”、強大な権力を与えられている。
久我検事は他の検事と違い独特の感と自分の信じる正義を持ち自らも現場に赴き捜査する行動派の検事だった。
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天城玲亜にずる休みをネタに脅され、渋谷の道玄坂にある有名なパンケーキのお店でご馳走することになった団長、学校帰りの玲亜と渋谷のハチ公前で待ち合わせのあとその店に向かった。
二人だけのデートのような気持ちでドキドキしていた団長、周りには若いカップルや女子のグループが盛んにスマホでパンケーキを撮影していた。
この店のパンケーキは一般的なパンケーキよりもさらに薄く、柔らかく、ふわふわとした食感が特徴で多様なトッピングが魅力で特に、フルーツやナッツ、メープルシロップを使っていた、パンケーキで玲亜はストロベリー&バナナ、団長はホイップクリームとマカダミアナッツを堪能していた。
「ああ~おいしい、すごいわ~口に含むととろけるような柔らかさじゃないの~このフルーツがよく合うわ」
「このお店、一度来てみたかったのよ、、フフフ、悪いわね付き合わせちゃた上にご馳走までしてもらって‥」と笑顔を見せる玲亜だった。
彼女には素性も知られて隠す必要もないため例の事件のことをすべて説明した。
「それで、学校をずる休みして事故にあった高校生とあの身代わりになっている運転手のお孫さんを、あの薬で治してあげたのね。」
それからスマホで見せたひき逃げのあとの動画とエレベータの中のHな動画を顔を赤くしながらじ~とみていた玲亜‥‥
「それにしても、悪いやつね~、不倫までしてその後の自分が起こしたひき逃げ事故の罪を、使用人につぐわせるなんて許せないわ!」
「それで、うちのお父さんにもその魔法を使って真犯人を連絡してもダメだったんでしょう。」
「家でお酒が入ると、よく言っているわ、”警察も民間と同じように腐った組織だ、縦割りや縄張り意識に派閥争い、すんなりいかないことなんかいくらでもある”とか言っていたわ。」
「父親が幹事長の八神辰巳なんて自由民政党の総裁の次に偉い人よ~国のNo2だわ、きっと警察にもコネがあって、もみ消すくらいの力があるのね」
「へ~、玲亜も大人の世界がよくわかるじゃないか~」
「団長さんの世界でもこういうことはよくあるのかしら~」
「ああ~しょっちゅうあるさ、王国もでかいからな、高貴な貴族でも領民への虐待や殺人なんて平気でやっている、バレそうになれば権力でもみ消すのさ」
「それで、この世界ではそういう連中に痛い思いさせるにはどいう方法があるんだろうか~」
「そうね~、マスコミに情報を流して世の中の人に知ってもらう事がいいけどそれはどうなの~」
「お前のオヤジさんがそれをやろうとしたけど、ダメだったみたいだ、どうも裏社会の連中がついていてその偉い奴の都合の悪い事を世間に知らせようとするマスコミの記者には報復があるようだ。」
「それで何人もの記者が犠牲になっているようで、マスコミの業界では触れてはいけない怪物だと思っているみたいだぞ。」
「えっ!?‥‥そうなの~そんな悪い奴だったの~知らなかったわ~」
「TVでは日に焼けた笑顔でとてもいい紳士に見えるけど、そんなとんでもない奴なの~」
「それで、これをネットニュースにでもながそうかな~なんて思っているけど」
「バカね~、腹のすわったそうとうなワルよ~そんなニュース流したってなんの証拠もないし、痛くもかゆくもないわよ~」
「そうね~私なら~団長の魔法でこの渋谷センター街とか渋谷駅前スクランブル交差点周辺の大型ビジョンを使って目黒の女子高生のひき逃げ事件の真犯人はこいつだ~とかいって一斉に流せば、フフフフ、面白いかもよ。」と笑みを浮かべて言う玲亜
「渋谷にくる何十万の若い人たちが、自分が見たおもしろ事や、驚いた事は勝手にスマホにとってSNSにのせたりして感想をいれて他人に自慢したいから、ネットで思いっきりバズるわよ。」
「そすれば、TV局やマスコミも世間が騒げばニュースになるから、さらに大騒ぎになって大変な事になるかも、、、」
”どうだ~エーアイそれはやれそうか、”
”はい、渋谷駅のスクランブル交差点付近には六つの大型ビジョンが設置されていました。すぐシステムに入って目黒区の事件現場近くの大きな交差点の防犯カメラに黒い高級車のフロントバンパーが大きくへこみ運転する大物代議士の長男で政策秘書の八神博隆30歳を拡大してこいつがひき逃げ犯人で~す。と表記してリピート画像を5分位、六つの大型ビジョンを完全シンクロさせて一時間ごとに流してやりますよ。フフフフ~”とこちらも不気味笑いをするエーアイだった。
「でも、それだけではダメよ、最後のとどめの策を聞きたいかしら‥‥」
そう言って小悪魔のような笑顔になった顔を近づけ団長に迫ってきて小声で話す玲亜からの話しを聞いて‥‥
”こいつも相当にえげつい策士だぜ~”とちょっと引き気味になった団長と自分より優秀な玲亜にビビるエーアイだった。
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関東旭大学医学部附属病院の4階の小児科病棟では一人の小児科医が午前中の外来診察業務を終えて、午後から病棟の回診で看護師と一緒に部屋をまわっていた。
おとなしくして小児ベットに横になって、こちらを見上げる一人の五歳の女の子の診察をはじめると
”あれ~やたらと顔色がいいな~”
”この子は心臓の病気で肺高血圧症になって足や顔のむくみ(浮腫)がこの子にもでていたけど……”
”おかしいな~、むくみが改善しているしとってもいい状態だよ~”
そこへ看護師が女の子の指さきで測っていたパルスオキシメーターがピピッとなって数値を読み上げた。
「先生、SpO2が99%です!」
「あと、脈拍も74で正常値です~!」
「えっ!?‥‥‥血中酸素飽和度が99%で脈拍も74の正常値だって、なんで?」
”心臓の病気が原因で肺高血圧症になり、肺で取り込んだ酸素が十分に血液に取り込まれなないので血中の酸素は減ってしまう、この子も昨日まではSpO2は90%を下回っていた。
そのため心臓は酸素不足を補うために頻繁に血液を送り出していて脈拍もすごく高かったのに‥‥‥”
私はすぐに聴診器のイヤピースを耳にあて先端のチェストピースを女の子の胸にあてて心音を確認した。
”ゲゲゲ~、そんなことがあるのか、なんで、なんで異常な雑音がしない、昨日まではバラつきがありとても速い心音だったのに、なんてきれいなリズムで心音がしているんだ。”
”エッ!?………これは、ひょっとして治っている!?‥‥”
「看護師さん、至急に心エコーと胸部レントゲンそれに血液検査を依頼してください!」
「お母さん、すぐに結衣ちゃんの心臓検査をさせてください!」
「結衣ちゃんはもしかしたら…もしかしたらですが‥‥奇跡が起きて完治しているかもしれません!」
つづく、、、




