第15話 騎士団長…祖母が襲われる。
一週間ほど前から関東で相次いで起きている連続強盗事件、SNSなどで短時間のバイトで高額収入でメンバーが集まり、犯罪ごとに離合集散を繰り返す犯罪集団そんな凶悪事件が初めて関東で実行されていた。
高齢者の自宅に窓ガラスを割って侵入したり、玄関をこじ開けて家に入り込み、高齢者を脅してお金や貴重品を奪う手口、SNSでの「高額バイト」募集で実行役に加担する若者達、彼ら末端の実行役は指示役に脅されほぼ使い捨てで犯罪に走っていた。
従来型の反社会的勢力のような統制がないため、勢いに任せて犯行に及ぶのだ手加減を知らず、過度な暴行で高齢被害者が死亡する事件が起きていたのである。
だが警察ではまさか、SNSなどで短時間のバイトで犯罪に手を染める若者がいるとは思わず、その仕組みや実態がわからずにいて、凶悪な強盗犯のグループではないかと思っていた。
深夜、北区王子の小さな公園に集まる三人の不審な若者達‥‥
先に公園にきていたバイトAは後からきた二人に尋ねた‥‥
「ジャッカルの案件ですよね‥‥」と二人に符丁で確認すると、頷く二人、、
「逃走用の車は用意していますか?」
するとバイトBが「そこに、止めています。」と公園の端を指をさすと、そこには軽のワゴン車が止まっていた。
「皆さんの事を何と呼べばいいんですか、」とバイトCがAに聞いてきた。
「そうですね~私がキングで‥あなたがジョーカーそして車の運転をする方がエースということにしましょ、」
「お互いなにも知らないほうがいいですから…」そこにキングの携帯が鳴りそれにでると‥‥
『ジャッカルだ…みんなそろったか!』
「はい、そろいました。」
『いいか、現場はすぐそこだ!、ババ~が一人で住んでいる、息子夫婦の死亡保険金がおりて大金が家にある事は分かっているから、言うことをきかなかったら痛めつけて隠し場所を白状させて金を奪ってこいよ!』
「‥‥わかりました。」
狙う家の場所を詳しく聞いたキングは二人に覆面をさせ手にはバールや拘束用の結紮バンド、ガムテープをもって目的の家に向かった。
まだ実態のつかめていない警視庁では、都内の連続強盗事件として警視庁内に捜査一課が主体となって捜査本部が新設された。
その犯行手口が鉄パイプを使ったりした、あまりにも残忍なやり方から、反グレ集団組織が関わっていると思われ警視庁の「組織犯罪対策課」天城玲亜の父天城達也45歳が所属する二係も応援で入っていた。
その彼が北区王子の自宅で夜、就寝しているとサイドテーブルに置いてある携帯が鳴り響いた。
”なんだ~こんな夜遅くに~”と携帯にでると‥‥
『天城係長、事件です! また連続強盗団グループと思われる、高齢者住宅への傷害強盗事件が発生しました。!!』と緊急を知らせる夜勤当番の部下から連絡が入った。
「なに~、現場はどこだ!」と強盗グループの対策班としての責務でベットから起き上がり支度をはじめる天城刑事
『現場は北区王子※※‥‥‥番地です。』
「なんだと、ここからすぐ近くじゃないか~わかったすぐ向かう。」
妻の天城恵子も起き出し、このような深夜の緊急呼び出しにはなれているのかあくびをしながら、いつものように支度を手伝い夫を送り出した。
~~~~~
修学旅行の初日は奈良公園や東大寺の見学、それに能楽体験では、能の鑑賞だけでなく、各クラスから2名ずつ代表を選出して、実際に能を体験する時間もあった。
この国の古い行事や木造の建物が何百年も残っている事に驚いた団長だった。
その日は京都に移動してホテルに一泊して、二日目の予定は班別の自由行動で京都市内の公共交通機関を使える1日乗り放題パスが全員に配られ、自分たちで決めた場所を自由に回る予定だった。
朝、大広間の会場ではバイキング形式の料理でオムレツや焼きたてのクロワッサンやフレンチトースト
熱く焼き上げられたベーコンやソーセージ、それにフレシュジュースにミルク、コーヒーがドリンクサービスとなっていた。
専用トレーを持って壮太といっしょに列に並ぶと、、、
「これは!、すげ~、自分の好きな物をとってもいいのかな~?」と壮太に聞くと
「ああ、バイキングだからな、あれ~お前、初めてなの~」
「いいか~食べれるなら、何でもおかわりしてもいいからな~」
「まじか~」とその食事のシステムにまたまた驚く団長だった。
ベーコンやソーセージなど肉系をトレーに大量に盛り付けフレシュジュースを持って壮太といっしょにテーブルについてガツガツと食べ始めた。
近くの壁にはTVモニターが朝のニュースをやっており、朝飯を食いながら見ていたらニュースキャスターがしゃべる内容に思わず飲んでいたジュースを吹き出しそうになった。
『東京都北区王子の住宅に昨夜、連続強盗グループの犯行と思われる強盗傷害事件が起きました。この家に住む永瀬淑子さんは暴行を受け現在、病院に運ばれ治療中です……』
TVにはパトカーと警察官が立って黄色い規制線テープが張られた自宅の様子が中継で映し出されていた。
すぐに壮太も気が付き
「あれ、永瀬のおばあちゃんの家じゃないかよ~‥‥」
「ああ、そうだ‥‥」とまだ驚いてTVを見つめる団長
「何してんだよ~すぐにばあちゃんに連絡して見ろよ」
そう言われてすぐに我にかえり、立ち上がり朝食会場の廊下に出ると携帯を取り出し‥
”エーアイすぐにばあちゃんのスマホにつなげろ!”と指示をすると
”了解しました。”
壮太はすぐに担任の黒木先生にこの事を報告しにいってくれた。
携帯を耳にあてているがなかなかつながらない‥‥
”ダメです~つながりませ~ん電源が切られているようです。”
”ご主人様、ここは大至急、東京へ戻ってあのやさしい、おばあ様の容態を確認しなければ‥‥万が一は例のポーションですぐにでも‥”
”ああ、わかっている、もう修学旅行どころじゃないぜ‥どこのくそ盗賊だか知らねが~、この俺が一番信頼しているばあさんに手をだすとは許せね~ぶっ殺してやる!”
団長の目つきが怒りの本気モードに変わった。
”エーアイなにが起きたかすぐに調べてくれ…”
”わかりました。自宅近くの警察署の情報と病院の情報を調べます。”
玲亜もTVで流れた王子の事件に気がつきすぐに団長のそばによってきて、
「私のお父さんが、警視庁の刑事だから何か知ってるかも‥」そう言って父親の携帯に電話して事件の事を聞いてくれた。
「わかったは、永瀬くんのおばあ様は犯人に暴行を受けて怪我をしているけど命に別状はないみたい」
「王子の医療センターに運ばれたそうよ……」
「ありがとう、天城さん‥‥」とりあえずひと安心する団長
「悪いけど、俺は東京にもどるよ、」
「今日は天城さんと一緒の班別の自由行動を楽しみにしていたのに、残念だけど壮太たちと楽しんできて~」とちょっとだけこの世界の修学旅行を楽しんでいた団長だった。
そこへ担任の黒木綾乃先生や他の先生たちもやってきて相談の結果、黒木先生が東京まで付き添うと言ったが俺は大丈夫ですからと断り一人で東京に戻る事にした。
部屋に戻り荷物を整理してリュックを背負った俺を担任の黒木先生は、いっしょに京都駅までタクシーで向かい東京までの新幹線のチケットを買ってくれてホームまで来て俺を見送ってくれた。
俺は東京へ向けて出発する新幹線の窓から手を振る先生に頭を下げて席についた。‥‥
そしてエーアイの報告を聞いたのである。
つづく、、、




