第1章 「再び燃える灰」
2030年XX月XX日、午後16時30分。
インドカリスの都市ジャヤシディ。
太陽の恩恵は、この賑やかな街をいまだ照らし続けている。
明るい日差しの下、青空と白い雲が果てしなく広がり、それを掴もうとするように高層ビル群がそびえ立っていた。
これが希望と色彩に満ちた街、あらゆる性質が集う街、他人の目には傷ついた街だが、別の目には美しい街、常に、そしてこれからも人類全体の視点を変えるための先鋒となる街である。
これこそがジャヤシディ、インドカリスの首都だ。
この街の喧騒の中、交差点の横断歩道では、多くの人々が行き交っている。
多くの歩行者と多くの車両が、そこまで深刻ではない渋滞を生み出していた。
それでも、車のクラクションは互いに叫び合い、怒鳴り合うように、この密集した街の中で響き渡っていた。
同じ頃、あの交差点からそう遠くない場所にある、二階建てのファストフード店の一角。
その店内で、一人の青年がストロベリー味のミルクシェイクを飲みながら、窓越しに大通りの景色を眺めていた。
ミルクシェイクを静かにすすりながら、青年は空を見上げて小さく呟く。
「いつも通りだ。今日も全部がノーマルに進んでいる。」
そう呟き、青年は空を見つめたまま、手のひらをファストフード店のガラスにそっと押し当てた。
「そう、ただの普通の一日……」
「多くの人が望むような一日。」
「問題もなく、戦いもなく、悩みも責任もなく……」
「だけど、この胸の奥の感覚は……」
「……」
「俺は、本当にこの生活を手に入れる資格があるのだろうか?」
青年はガラスの向こうに広がる空へ問いかけた。
しかし、空は何も答えない。
「ふっ……まあ、当然か。俺なんて、お前の下で生きる無数の人間の一人にすぎない……。
人間一人一人の質問に答えるなんて、不可能だよな。」
青年はそう続けた。
苦い表情を浮かべながら、青年は再びミルクシェイクに手を伸ばした。
「ッ……!」
青年は、胸の奥から突然込み上げてきた痛みに思わず歯を食いしばった。
その瞬間、彼の脳裏に、かつて暮らしていた街で経験した混乱、叫び声、そして苦しみが一気に蘇る。
(ッ……クソ!なんで今なんだ!?)
青年はそう心の中で叫んだ。
だが、次の瞬間、その痛みは跡形もなく消えた。
青年はゆっくりと目を開き、自分が胸の痛みを押さえていた両手のひらを見下ろした。
「!?」
そこには、どろりとした濃い赤い液体がべったりと付着していた。
「血!?どこから……!?」
彼は慌てて自分の服を確認した。服にも無数の血のしみが広がっている。
「何が起きてる……?いったい何が……!」
青年は叫んだ。
周囲を見回した次の瞬間、彼は気付く。
このファストフード店そのものが、すでに激しく燃え上がっていたことに。
炎が唸り、子供たちは泣き叫び、女性たちは悲鳴を上げ、男たちは身体を焼かれ、切り裂かれながら呪詛を吐いている。
彼らの目は鋭く青年を射抜き、泣きながら、あるいは見開いたまま彼を睨んでいた。
「どうして……どうしてあなたは私たちを助けてくれなかったの!?」
赤ん坊を抱えた母親が叫ぶ。
「どうして置いていったの!?」
ひとりの少年が泣きながら問いかける。
「神はすべてをお前に託したんだ!なのに、なぜお前は剣を使って俺たちを守ろうとしない!!」
大人の男の“首”が怒鳴った。
「なぜだ……」
「なぜなんだ……!」
「ナゼェェェ!!!」
その光景を前に、青年は思わず頭を垂れた。
「うああああ!!ごめん!ごめん、ごめん!!頼む……許してくれ……!本当に……頼む……!!」
青年は叫び続けた。
「……」
「え、えっと……だ、だいじょうぶですか……?」
青年の目の前から、女性の震える声が聞こえてきた。
「はっ!?」
青年ははっとして目を開く。
そこに立っていたのは——
ファストフード店の女性店員だった。
青年は混乱しながら、額ににじんだ冷や汗を拭き取り、周囲を見回した。
店内には火事など一切なく、燃え跡すら存在しない。
そして、目の前の店員の体にも、火傷どころか傷一つない。
その白い肌はどこまでも“綺麗”だった。
すべてが「正常」。
すべてが「普通」。
すべてが「何も起きていない」。
「……」
「……クソ。まだ……本当に忘れられてないんだな……」
現実が幻だったと理解した青年は、ふと気づく。
店内の客も店員も全員、自分に向けて視線を集中させていることに。
(……チッ。ここも今日で最後か。)
周囲の視線に気づくなり、青年は慌ててミルクシェイクを掴み、店を後にした。
「……あなたは、それを忘れるつもりなのですか?」
ふいに、先ほどまで自分が座っていた席の方から、女性の柔らかな声が響いた。
青年は即座に振り返り、その声の主を確認しようとした。だが——
そこには誰もいなかった。
椅子には、人影ひとつない。
「……私たちへの報いを、望まないのですか?」
再び女性の声が響いた。
青年が目を凝らすと、その声の主はファストフード店の窓の向こう——
人通りの多い大きな交差点の真ん中に立っていた。
白いローブをまとい、フードで頭を覆った女性。
多くの人々が行き交うその場所で、彼女だけが静かに立ち尽くしている。
だが、通り過ぎる誰一人として、彼女の存在に気づかない。
まるで彼女の姿が、この世界から切り離されているかのように。
「……きみは……誰だ……?」
青年は声にならないほど小さく呟いた。
聞こえるはずがない。
それは彼も理解していたのに、なぜか言葉は口から漏れていた。
「……偉大なる“神々の王”の力を持つ者よ。」
そう告げた女性の姿は、走り抜けていく車に遮られ、そのまま視界から消えた。
「……」
「……」
「……また……幻覚か……?」
青年は小さく呟き、店を後にしようと歩き出した。
だが歩みを進めるたび、あの白いローブの女性の声が頭から離れない。
足音とともに、あの問いが何度も何度も反響する。
「……あなたは、それを忘れるつもりなのですか?」
「……私たちへの報いを、望まないのですか?」
そして、彼が今なお固く信じている信念と全く相反する一文。
「……偉大なる“神々の王”の力を持つ者よ。」
そして気づけば、青年はすでにファストフード店の出口の前まで歩いてきていた。
青年はしばらく立ち止まり、橙色に染まった夕空を見上げる。
その空を見つめたまま、彼は小さく息を吐き、つぶやいた。
「……もしかして、あの女性は気づいていたのか?」
心が落ち着いたのを感じると、青年は再び家へ帰るために歩き出した。
しかし、彼の足が地面に触れるよりも先に――。
「ドガァァン!!」
先ほどまで眺めていた交差点の地下から、突然、耳をつんざくような爆音が響いた。
「グオォォォァァァ!!」
全身を毛で覆い、ヤギの頭をした巨大なモンスターが地面を突き破って姿を現し、その威容を見せつける。
「な……何が起きてるんだ!?」
見て!この小説、シンプルでしょ?
これから、その世界に入っていくよ!
イニシャルR:ちょっと待って!?今までその世界に入ってなかったなら、今まで何してたの?
クリームコーラ:主人公としての君の紹介だよ。他に何がある?
イニシャルR:それなら、なぜカッコよく、あるいはせめて普通に紹介してくれないんだ?なぜ俺が転んで狂ったように見える時に紹介するんだ?俺が主人公じゃないのか?
クリームコーラ:うーん…バイバイ?(逃げる)
イニシャルR:おい!逃げないで!
クリームコーラ:次章でお会いしましょう!
(≧∇≦)/~~




