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前田利家の娘 - 豪姫の香木

作者:東曌
最終エピソード掲載日:2026/10/03
前田利家の、豊臣秀吉の養女であった、豪姫の物語

慶長十一年、異国の宣教師が残した報告書には、元天下人の養女・豪姫(ごうひめ)が教えにキリスト教の教えに帰依し、洗礼名「マリア」となったという記録が、ロドリゲス・ジラン(Rodrigues Giran)ポルトガル出身のイエズス会宣教師によって、記されている。
だが、それは教会の存続のために仕立て上げられた、巨大な虚飾(いつわり)ではないか。

かつて伴天連(ばてれん)の教えの裏にある同胞の人身売買の闇を目撃し、のちに命がけで一碗の茶を点ててくれた古田織部の凄絶な意地を受け止めた豪姫は、異国の神が差し出す救いを冷徹に拒絶する。

幕府の厳しい検閲をすり抜け、八丈島へ流された夫・宇喜多秀家へ「薬種(漢方薬)」の名目で送り続けた香木の破片。
じわじわと立ち上るひとひらの煙の中にだけ、いかなる歴史の帳簿にも書き換えられぬ、二人の愛と真実があった。
この日本の大地を生き抜いた女性の気高さと意地を、生々しい組織の論理と共に描き出す。
『豪姫の香木 一六〇六年の虚飾』
西洋の宣教師が残した「豪姫はキリシタン(マリア)になった」という歴史記録の「嘘」を暴いていく。
バテレンの教えの裏にある人身売買の闇を知っていた豪姫が、西洋の救いを冷徹に拒絶し、流刑の夫へ「香木」を送り続けることで、己の愛と意地を貫く姿をつむいで行く。

17世紀の日本を舞台に描きだす。
西洋のイエズス会宣教師が作成した「豪姫=キリシタン・マリア」という一次資料『一六〇六年の日本年報』を、本編における「巨大な虚偽」と暴き、豪姫の冷静な知性を描く物語です。

どうぞお楽しみください。
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