第二十二話
連投になりましたが出来たら投稿をして来たいと思います。
ファリンに小石を投げられた男は生きて戻れたみたいです。
ファリン「はぁ・・・、まああのバカ兄貴も乗っかった壮大な計画を・・・」
バルテクス「実行出来ればそれだけ第二王子派は安泰になるだろうなぁ・・・」
ドラン「そうなるとバルテクス様には大掃除の陣頭指揮を執って頂かないといけませね・・・」
バルテクス「もう年なんだが・・・、未だにこんな仕事をさせられるとは・・・」
ファリン「叔父様も同じような事をぼやいていたわ、諦めましょうバルテクス卿」
ロイ「非力ながら協力は惜しみませんよ」
バルテクス「そう、言って頂けると助かる」
眉間に手を当て先の思いやられるのを思うバルテクス。
ドラン「第二王子派の筆頭は王太后様となるのですが、王妃様との確執が原因ですかな?」
バルテクス「多分、それよりも今回は外務大臣が動いての事だろうな・・・、義姉の動きなど直ぐに分かる」
ドラン「バルテクス様が掴んてないとすると・・・、王室は絡んで無いのが正解かもしれませんね」
ファリン「ローエンス王国としては勝手に進めた婚約話を壊した事による謝罪でしたが話が変わってきそうですね」
バルテクス「所で破談への謝罪だが何を持ってきたのか見せて貰って構わんか?」
ファリンがロイに目を合わせロイが腰袋から宝石箱を取り出す。
バルテクス「もしや魔法鞄か?」
ロイ「師匠の遺品です」
バルテクス「そんな物を持っていたのか・・・」
ロイ「全く・・・、便利ですがどこで手に入れたんでしょうね?」
献上品として失礼のない程の宝石箱をテーブルに置き、蓋を開けるロイ。
バルテクス、ドランは中を見た瞬間に固まってしまう。
バルテクス「まさか、生きてこの色のポーションを見られるとは・・・」
ドラン「この赤白色の鉱石は一体・・・」
バルテクス「献上品として渡しても価値のある鉱石、そしてこの赤白く光る鉱石はヒヒロイガネか?」
ロイ「エリクサーとヒヒロイガネの原石です」
献上品を見て笑い出すバルテクス
バルテクス「ふあははは・・・、これはまたとんでもないモノを選んでまいったな?」
ファリン「ロイが出して来たのよ、まだその腰袋には色々と見せてはいけない物が入ってるのよ」
ロイ「これですか?」
ロイが腰袋から怪しく七色に光る杯を一瞬見せるが慌ててファリンが止める。
ファリン「それはやめなさい、やばいのは私でもわかるから」
バルテクス「まだ持っておるとは・・・、まあ破談の謝罪品としては十分だろうな、エリクサーだけでも十分じゃ」
ファリン「ローエンス王国ではこれでもかなり揉めたんですよ・・・、どうも私を本気でこちらへ嫁にして排除したかったらしいです」
ドラン「私、エリクサーを初めて拝見しました・・・」
ロイ「もしよろしければ滞在の御礼で差し上げましょうか?」
腰袋からヌッと躊躇いなくエリクサーを取り出すロイ。
ドラン「いやいや、ウィン様の羽根だけで十分です!」
残念そうに引っ込めるロイ。
バルテクス「とりあえず、先ほどの一件で向こうにも動きが出るはず、急ぎの旅の途中で申し訳無いのだが解決するまでの間、何処かに滞在していただく形になってしまうのを許してほしい」
ロイ「こちらは大丈夫です、本当に急ぐのならファリンを連れての旅とはしませんでしたし」
ファリン「そうね、ロイ一人でもなんとでもなりそうね」
ロイ「むしろ師匠はそうだと思って遺言を残したと思います」
バルテクス「まあ、お二人には悪いようにならないようにわしから特別滞在証明を手配しておくので後で届けさせる、ドラン子爵の貴族特権での保証金の返却はこの一件が終わるまで少し預からせて欲しい」
ドラン「分かりました、お二人の滞在はこのままここへしていただいて構いませんか?」
バルテクス「そうじゃな、わしとしてもこの後また警護等を手配すると思えば頼まれてもらった方が助かる」
ドラン「分かりました、ではこのままお二人はこちらに滞在させて頂きます」
バルテクス「では、また何かあったら何らかの形で情報をこちらへも共有できるようにしておく、特別滞在証明は王家発行のモノだから重罪ではない限り治外法権が通用するから王都観光も十分出来るぞ」
ロイ「何から何までありがとうございます」
バルテクス「いや、こちらも巻き込んでいるのでお互いさまじゃ、まあ少しだけ面倒をお願いする」
ロイ「分かりました」
こうしてロイ一行の王都滞在が問題共に長引く事が決まった。
ロイが監獄へ3匹を迎えに行くと3匹とも返り血で真っ赤になっていた所へたまたま通り掛かった侍女にみられて卒倒され、屋敷中で騒ぎになったのは言うまでもない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
男(うう、酷い目にあった・・・)
あたりは薄暗く長い廊下がその場の異様さを物語っている。
その長い廊下に光が漏れる一室の扉。
男は昼間小石で腹部をやられた影響でまだ動くと腹部に痛みが走りつつも歩いて扉の前に立つ。
部屋の中ら声が掛けられる。
部屋の主「入れ」
入室すると最敬礼をする男。
そして腹部を再び押さえる。
男「失礼します」
部屋の中は装飾品が一切無く、執務机には書類と関連する資料のみが置かれサイドテーブルに筆記具と封蝋の一式のみという主の性格がにじみ出ている。
部屋の主「どうした?、食あたりか?」
男「これが食あたりならまだマシです」
部屋の主「ならどうしたのだマルセル」
マルセル「昨日ドラン子爵が貴族特権で入場させた二人組を偵察していたんですけど、ホルハムが強制逮捕しようとドラン邸に乗り込んだ一件でやられました」
部屋の主「気が付かれたのか?」
マルセル「はっきりとは分かりませんが、私を認識して排除の為の攻撃を貰いました」
部屋の主「お前がそんな失敗をするとはな・・・、で何でやられたのだ?、魔法か?弓か?」
マルセル「小石です・・・」
部屋の主「そうか小石か・・・、ん?小石?」
マルセル「どうも二人の内の女の方がえげつない強さで、連れ立った50人が見事に一太刀も入れられずにやられまして・・・」
部屋の主「一体、どうやったらお前に小石でそこまでのケガをさせられるのだ・・・」
マルセル「対象から約1000メルの距離で偵察してたのですが、どうやら私の遠視に気が付いて相手も遠視、身体強化と小石に風魔法を付与して遠投してきました、逃げなければ今ここに居ません」
部屋の主「お前にその距離で気が付くとは我が国の諜報部に欲しい人材だな」
マルセル「私はお役御免でいいですか?、お腹痛いんですよ・・・」
部屋の主「治療はしてもらったんだろ?」
マルセル「ええ、防具のおかげで肋骨3本で済みました・・・、無ければ腹部破裂、頭に当たれば死んでました」
部屋の主「我が国の影に欲しい人材だな」
マルセル「こちら側に引き込めるかどうか・・・」
治療をしたとはいえ痛みは残っているマルセル、少し脂汗も出ている。
部屋の主「私が近い内に接触出来る様に準備しておく、お前は休め」
マルセル「承知いたしました、ブラテリア様」
一礼をして部屋を出ていくマルセル。
入れ替わりで入ってくる従者。
ブラテリア「一人、ドラン邸に張り付く様に・・・」
従者「分かりました」
一礼をして部屋を出ていく従者。
外からはポツポツと雨の落ちる音が聞こえだす。
その音が聞こえ窓のから外を確認するブラテリア。
ブラテリア「雨か・・・、酷くならなければ良いのだが・・・」
ドラン邸に送り出された影からの定期連絡は一切入って来なかった。
次に影がブラテリアの前に現れたのはバルテクスがドラン邸に特別滞在証明を渡す為に訪れた5日後だった・・・。
次回は王弟はどこでも損な役回りみたいです・・・




