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聖盾(せいじゅん)の魔法使い  作者: 嘉七
ノークアミス王国編

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第二十一話

累計500PV達成ありがとうございます。

これからの励みにしていきます。



初老の男性が圧を掛けつつ、ホルハムとファリンに声を浴びせる。

その圧とファリンからの恐怖によってその場で頭を抱えて丸くなるホルハム。


ファリン「ここはドラン子爵邸!、そこの丸まった男が冤罪でドラン子爵を連行するというので貴族特権にてドラン子爵邸の警備をしたまで!、ここから先へ行きたければ国王の委任状を持っていこい!」


初老の男性が丸まっているホルハムに問いかける。


初老の男性「外務事務次官ホルハムよ、ドラン子爵を連行するというのであればその書状を見せよ」


ホルハム「あ、いや、その・・・」


言い淀む姿を見た初老の男性がどちらに非があるかを悟る。


初老の男性「我はノークアミス王国王都警備隊隊長バルテクス・アミス、貴殿の名を聞こう」


ファリン「ローエンス王国辺境軍副騎士団長及び王国第二近衛兵団長、元ローエンス王国第二王女ファリン・ローエンス」


バルテクス「ローエンス王国の方でしたか、我が王国の人間が失礼した」


ファリンに頭を下げるバルテクス。


ファリン「頭を下げるのは私にでは無いわ、ここの主人にするべきでは?」


バルテクス「そうであったな、ドラン子爵、この度は申し訳無かった」


ドランに頭を下げるバルテクス。


ドラン「いや、頭を上げて下さいバルテクス様」


バルテクス「所でどうしてドラン子爵邸に元王女のファリン様が居るのですか?」


ファリン「様は要らないです、降嫁しましたから」


先程までの狂気が嘘のように無くなるファリン。


ファリン「降嫁先の夫に付き添い、旅をしているのですが、諸用でノークアミス王国国王への謁見をする為に入場しようとしたら留め置きされ、そこをドラン子爵に救って頂いてここへ滞在しているのです」


バルテクス「なるほど・・・、だからわざわざ南側の街道を通らずに王都へ来ているわけですな」


ファリン「元々は身内の恥なので詳しくは話せませんが、とある品を持っての謁見なので来ないという選択が無かったのです」


ドラン「ファリン様は旦那様と共に我が領地の領民に癒しと希望を頂きその恩を返したまでです」


バルテクス「そうか、してファリン殿を射止めた旦那様は何処へ?」


ファリン「今、諸用で居ないわ」


バルテクス「そうか・・・、貴女ほどの剣姫を娶られる程の男性ならきっとこの大陸中でもさほどいられまい、是非会ってみたいと思ったが・・・」


ファリン「ロイがこの場に居ればこの場の誰も傷つく事は無かったでしょうね」


バルテクス「ほう・・・、ロイ殿と申すか、美しい剣姫を娶られた方は」


ロイ「呼びましたか?」


タイミング良くロイが現れるとバルテクスと目が合う。


ロイ「ん〜、何処かでお会いした記憶が・・・」


バルテクス「ん?、ん〜?、ロイ殿と言ったかな?、何処かでお会いしているような・・・」


ロイ、バルテクス「あ〜!、あの時の!」


同時に思い出す二人。


バルテクス「ライ殿のお孫か!」


ロイ「師匠に喧嘩売りに来てた騎士の方!」


ファリンとドランは訳が分からず呆気にとられる。


バルテクス「そうかぁ、ライ殿のお孫かぁなるほどなぁ・・・、ならファリン殿の夫としても遜色ないですなぁ」


今までの空気が一変し一気に和やかになる。


ファリン「どいう事?、ねえロイ説明お願い」


ロイ「この方は以前、ノークアミスの近衛騎士団団長だったお方です、以前師匠の噂を聞きつけて師匠に喧嘩を売りに来たんですよ」


バルテクス「喧嘩とは!、あれは腕試しで行ったんだが・・・」


ロイ「で、師匠が面倒くさくて私に相手させたんですよ?、5歳の子供に、有り得ないですよ・・・」


バルテクス「良く言うわ、その5歳の子供に傷一つ着けられなくて、ライ殿に笑われたのを今だに覚えておるぞ」


ロイ「結局、あの後師匠に防御魔法禁止でバルテクスさんとやり合ってボコボコにされたんですよ・・・」


バルテクス「そして、その後二人並んで気絶しておったなぁ」


ロイ「そうでしたね、家の前に二人並んで気絶してたんでしたっけ?」


二人の思い出話が尽きないのを感じドランが声をかける。


ドラン「もし、宜しければお茶を用意させますので中に入りませんか?」


バルテクス「しかし、先程の事も有りファリン殿がここから先に入れてくれればなぁ・・・」


ロイが不思議な顔をするが周りに回収されていく騎士達をみて何となく状況が掴み始める。


ドラン「ファリン様、もう貴族特権は良いでは無いでしょうか?」


ファリン「ドラン様が良いというので有れば私は構いませんよ」


ドラン「では、バルテクス様どうぞこちらへ」


ドラン邸の執事に案内され邸内に入る四人。

バルテクスが立ち止まり、門前で騎士達を回収している警備隊に声をかける。


バルテクス「この一件は私が預かる!、以後私の許可無く捜査、拘留、釈放を一切禁止する!、なお外務事務次官ホルハムについては警備隊拘留室にて丁重におもてなししろ!、以上!」


バルテクスがかけた声に従い警備隊がテキパキと仕事を始めて行く。


バルテクス「では、参ろうか」


4人はドラン邸へと入って行った。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


バルテクス「なるほどな・・・、誠に惜しい人を亡くした・・・、遅ればせながらお悔やみを申す」


ロイ「ありがとうございます、祖父もあの世で笑っていると思います」


ファリン「ライ様の話は祖国の叔父様からたまに聞いていたけどやはり凄い人だったんでしょ?」


ロイとバルテクスが一瞬にして黙り込む。


ロイ「只の偏屈爺さんですよ?」


ロイが遠い目をする。


バルテクス「まあ、ロイ殿がそう言うならそうかもしれんな」


ロイ「記憶が有る中で4歳で防御魔術を無理矢理やらされて、森の中に一晩放置された記憶がありますよ・・・」


バルテクス「ははは、ライ殿の孫を鍛えようとする思いやりではないですかな?」


ドラン「ファリン様、ライ殿とは・・・」


ファリン「ロイのお師匠、お祖父様にあたる方みたい、私もお会いした事無いのでどんな人か分からないのだけど、お亡くなりになって遺言でフェニステールに向かう途中なの」


ドラン「そうでしたか・・・」


バルテクス「フェニステールに向かうとの事だが、何故わざわざ、街道整備が遅れている北のこっちを選んだのかな?」


ロイが話そうとするとファリンがそれを止めて割って入る。


ファリン「ロイ、それは私が説明するわ」


ファリンがバルテクスの正面に座り直し真っ直ぐ顔を見る。


ファリン「我が身内の恥と成りますがお話させていただきます・・・」


こうしてファリンから王都アミスを経由する事情と門外でのやり取りからの先程のドラン邸大立ち回りと事情が説明される。


バルテクス「そうか・・・、ローエンス王家でそんな事が・・・、しかしおかしな話だ、アミス王家の王子二人はまだ10歳と5歳、ファリン殿と婚儀を結ぶとなると第一王子となるが、ここだけの話、わしの所へその情報が来ておらん、そうなるとどちらかの勢力が勝手に動いている可能性が高いな・・・」


ドラン「だとすると第二王子派ですかな?」


バルテクス「そうなるか・・・、現にホルハムは外務大臣と同じ第二王子派、こちらは身内の恥所では無くなりそうだな・・・」


ドラン「第二王子となると王太后まで見えてくるでしょうねぇ」


バルテクス「しかし、それならわざわざファリン殿を第一王子に嫁がせる事はしないで第二王子へ嫁がせた方が後ろ盾が・・・」


何かに気がつくバルテクスとドラン。


バルテクス「第二王子はわしの孫娘と結ばせ、第一王子はファリン殿と婚儀交わす約束をする、ファリン殿がローエンス王家の後ろ盾が有るが所詮外国からの姫、わしの後ろ盾と比べるとかなり低い、しかもファリン殿が第一王子との婚儀に難色を示せばローエンス第二王子は婚儀の反故を理由にファリン殿を何なりとでき、王位継承がしやすくなる、第一王子がファリン殿を気に入ればそれでもローエンス第二王子は継承しやすくなる、こちらも第二王子が孫娘と婚儀すれば継承はかなり優位、更にまだ5歳で意のままに傀儡に出来る歳、傀儡のまま周りが自分達の思うように動かせるよな状態であれば簒奪すら狙えるな、まあひ孫辺りが黒幕の狙か・・・」


バルテクスが予想した計画が当たらずも外れていなかったのは後になってわかった事だった・・・


段々きな臭くなっていましたがまだノークアミス王国編続きます。

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