第二十話
ファリン活躍回です
中年男性「どうしてこうなった・・・」
腰を抜かし、地面に座り込む中年男性。
ドラン子爵の関係者達を連行する為に増員した50名は辺り一面で呻き声をあげ倒れている。
ファリン「さっき言ったわよね?、ここから先はドラン子爵邸、令状も無しに侵入したら貴族特権で排除するって!」
遡る事1時間前・・・。
執事「旦那様、外交事務次官のホルハム・ガンソリ様が門外にお越しになっております」
ファリンと分かれて事務仕事をこなしていたドランの元に来客の知らせが来たが名前を聞いて直ぐさま【招かざる客】なのは直ぐにわかった。
ドランが直ぐさまファリンを呼びに侍女を行かせて兎に角門外で待たせる様に指示を出す。
ファリン「ドラン様、何やら外が騒がしいのですが大丈夫ですか?」
ファリンは外の様子がおかしい事に気がつきドランの元へ[駆け足]でやって来た。
ドラン「昨日の入場の際に貴族特権でロイ様一行を入場させて居ますので足止めしていた人物がここへ来ましたね」
ファリン「貴族特権って何ですか?」
ドラン「その名の通り貴族に与えられる特権です、昨日の入場は私の名前と金貨10枚を保証金として預ければ私と一緒に入場出来る権利です」
ファリン「ノークアミスにはそんな特権があるのね・・・」
ドラン「他にも色々有りますが、その代わりしっかりと施政や納税等の義務が行われているのが前提です・・・」
何かを思い出すドラン。
ドラン「今、貴族特権使えますね・・・」
ファリン「どんな特権を?」
ドラン「貴族特権を上回る令状が無ければ、連行、逮捕、同行の拒否が出来ます、さらに貴族特権のある邸宅等に侵入した場合に貴族の私設警備隊にて排除しても良いとなってます」
ファリン「良いですね・・・」
口元が緩むファリン。
この場にロイが居たら確実に突っ込まれる顔になる。
ドラン「とりあえず、門の外とでの話し合い、交渉決裂したら排除としましょう」
ファリン「わかったわ」
ドランとファリンが外交次官が待つ門へと向かう。
門ではゾロゾロと甲冑を着た騎士達が待機して今にも突然しそうな状態で待ち構えている。
ドラン「外交事務次官ホルハム殿は何用で我が邸宅に押しかけて来た!」
ホルハム「ドラン子爵!、昨日ローエンス王国から来た男女二人が違法薬物持ち込みを知っていて貴族特権で入場させたと通報があった!、よって直ちに門を開け王城へ出頭せよとの令状が出ておる!」
ドラン「彼らは違法な物は一切持ち込んで無い!、我が領地にて善意活動を行い我が領民の助けをした者である!」
ホルハムには勝算があった、50人以上の騎士で邸宅に押し込めば抵抗するまも無く制圧出来るというものだった。
今まであった捜査も50人以上の騎士で制圧出来なかった事は無かった、だからこの人数を大臣に頼んで急遽揃えてもらいドラン子爵邸に乗り込んで来たのだった。
門が開き制圧してしまえば後は何とでもなる、今までそうやって大臣と二人やって来たのだった。
しかし、今回はイレギュラーがそこで起きた。
ドランが招き入れた「ファリン」がホルハムにとって完全に計算外であった。
ファリン「ドラン様、ある程度の所で門を開門して下さい」
ドラン「良いのですか?、騎士と言えども王都に仕える騎士、我が国でもトップクラスの実力揃いですよ?」
ファリン「大丈夫です、私に攻撃当たりませんから」
ドラン「分かりました、門兵に開ける様に指示を出したら前に出て下さい」
ファリン「承知しました」
ホルハムとドランのやりとりが続き外にいる騎士達も良い加減苛立って来始めているのが分かり出した時、ドランが門兵に開ける様に指示を出した瞬間。
空いた瞬間に雪崩れ込もうと待ち構えていた騎士達が一歩敷地に入った瞬間吹き飛ばされる。
ファリン「ノークアミス王国ドラン子爵様の貴族特権を行使します!」
ホルハム「貴様は誰だ!」
ファリン「私はローエンス王国辺境軍副騎士団長及び王国第二近衛兵団長、元ローエンス王国第二王女ファリン・ローエンス!」
ホルハム「元王族がこんな場所に居るはずない!、偽物だ突入せよ!」
ホルハムの命令で雪崩れ込む騎士達だが、ファリンの居る場所から誰一人先へ進む事は出来なかった。
次々と挑んでは居るが誰一人一太刀も浴びせる事も出来ずにその場に倒れて行く・・・。
やがてファリンが敷地内ギリギリに立ち尽くす。
ファリン「私を倒さなければこの邸宅へは入る事は出来ないぞ!」
持っていたレイピアを地面に立て、立ち尽くし凄むファリン。
一人また一人とファリンに倒されて行く騎士達。
ファリンもそろそろ埒が明かないと思い始め、手に持つレイピアにマナを流し始めるとレイピアが青白く光り出す。
ファリンに一撃をくらわされた騎士達が再びファリンに攻撃を仕掛ける。
ファリンに向けて放たれる騎士の渾身の一撃はレイピアに触れた瞬間に剣が砕け、ファリンに届くことはない。
剣を砕かれ、着ていた甲冑も見るも無残に壊される。
ファリンが騎士達を蹂躙し、殆どの騎士達は武器も甲冑も壊されてドラン子爵邸の門はやられた騎士達が倒れて動く事が出来ない状態になった。
ファリン「まだ、やるの?」
容赦の無いファリンの攻撃を受け倒れている騎士達は為す術がない。
ホルハムは思いもよらないドラン子爵の援軍により計算が狂い、この先の指示も全部狂ってしまう。
苦し紛れに有りもしない権利で強制的に逮捕しようと必死になる。
ホルハム「貴様!、我が騎士達に抵抗したな!、捜査妨害と暴行で連行する!、大人しくしろ!」
ファリン「こちらは貴族特権を行使しているだけ、ドラン子爵邸から一歩も出ていない!、なおそちらの言い分を通すなら国王からの令状を持って来い!」
ドラン「ファリン様の言い分が正しいと思うが、
違うだろうか?ホルハム外務事務次官殿」
◇
一方、ホルハムとドラン邸の攻防を遠目の高台で観察する男。
姿は門兵だが目にはオドを集中させている。
男「あ〜、ここまで一方的にとはなぁ・・・」
ファリンがホルハム一人を残して倒して騎士達を倒してしまう。
男「あーあ、どうすんだろ・・・」
男が呟いた瞬間、男の背中に悪寒が走る。
男が周りを見渡すが誰の気配も無い。
もう一度ドラン邸をオドを使い遠視するとこちらを見るファリンと目が合う。
男(俺を認識した?)
ファリンが足元の小石を拾い何やら呟いている。
男(ん、何を言ってるんだ?)
ファリンが男に向かい小石を投げると・・・。
男(まずい⁉︎)
その瞬間、男はその場を離れようと立ち上がったがファリンが投げた小石が男の腹部に刺さる。
幸い門兵の装備だったのと、瞬間的に身体強化魔術を発動させたおかげで小石は防具にめり込んで止まったが男は受けた衝撃と腹部に激しい痛みで、その場でのたうち回る。
男(やばい・・・、やばい・・・、あれは手を出しては・・・)
男は何とか立ち上がり、腹部を押さえながらもその場を後にする。
ファリン「ちっ、仕留め損ねたか・・・」
小声で呟いたがホルハムには聞こえていた。
目の前で50人の騎士達を倒し、小石を拾い何処かへ投げた目の前の娘がホルハムの目の前に仁王立ちする。
ファリン「まだやるの?、いくらでもかかって来なさい!、相手になるわ」
まだやれると言い放つ目の前に娘に恐怖を感じ始めるホルハム。
その感じた恐怖に後ずさりを始める・・・。
初老の男性「貴様達は何をやっている!」
次回は思い出話




