第十七話
ニールを忘れてては居ないんですよ?
ただ、出番直ぐないんですよね最近・・・(ウィンもですが・・・)
仰々しい謝罪隊が解散してから2つほど村を経由し、ノークアミス入国以来大きな都市ネルサーム手前に到着したロイ一行だが・・・。
ファリン「凄い行列ね・・・」
ネルサームへの入場審査の列がかなり並んでいた。
ロイ「別に通過するだけなので、入場しなくても良いですから、迂回しましょうか?」
ファリン「それもそうね、別に用事がある訳じゃ無いし」
ロイ一行はその場から迂回の為に外壁に沿って迂回路を進み始めた。
エルベムよりも大きいが王都ローエンスより小さい都市だけあってそれなりの大きさを誇るネルサーム。
迂回するにも何処かで一旦夜を過ごす事になる。
外壁に沿って進み初めて直ぐに大きな外壁の周りには見窄らしい格好の人達が今にも吹き飛びそうな小屋に身を寄せて暮らしているのが目立ち始めた。
ファリン「何処に行ってもこの光景は一緒なのね・・・」
進み始めてまだ都市の半分も迂回出来ていない所で都市の警備隊だろうか三人ほど馬に乗ってロイ達に追いついて来た。
警備隊1「そこの馬車、今直ぐ止まりなさい」
声をかけられてロイ一行はその場で止まる。
直ぐさま、馬車の前方に二人、後方に一人で馬車を囲い先程声を掛けて来た警備隊員がロイ達に質問をし始める。
警備隊1「貴様達、何が目的でここへ来た!」
ロイ「えっと、ノークアミスへ行く予定なのでネルサームを通過しようとしたのですが、余りにも順番待ちが長いので迂回しただけですが?」
警備隊1「嘘を言うな!、何かやましい事があるから入場しなかったんだろ!、出なければ無法者達が居るスラムにわざわざ入っていく事は無いはずだ」
ロイ「特にやましい事は無いですし、我々はローエンスからやって来た者です、この辺りがスラムとは知らなかったんです」
ファリン《何やらいちゃもん付けて、美味しい思いしたいだけに見えるんだけど?》
ロイ《多分、その内荷台を調べさせろって言ってきますよ》
警備隊が荷台の奥のファリンに気がつく。
警備隊1「おい、そこの女、出て来い」
ファリン(はぁ・・・、やっぱり・・・)
渋々馬車から降りるファリンの腰にはファリン専用のオリハルコンレイピア。
ファリン曰く「流石にミスリルに抵抗無く滑らかに刺さるレイピアは緊急時でないと怖くて使えない」と言われ特製の鞘にファリンしか解除出来ない固定魔法で鞘から抜けない様に加工し直してある特製の逸品を手に掛け
警備隊1「おい、そこの女が今から俺らの相手をするなら見逃して・・・」
警備隊員の一人言い終わる前に馬から派手に吹き飛んで行く。
直ぐさまもう一人の警備隊員も吹き飛び、後方の警備隊員も吹っ飛んで行く。
ファリン「いや、一番許せない事言ったから思わずやっちゃった」
テヘェと舌を出し可愛くして見せるファリン。
ロイ「多分、流れ的にそうなるだろうなぁとは思いましたが・・・」
ロイが馬車から降りて警備隊員の安否確認をする。
ロイ「大分、手加減出来てるのでこのまま放置していきましょう」
吹き飛んでいる警備隊員をそのままにロイ一行はネルサームの外周を進み始める。
外周も半分が過ぎた頃日も暮れ始めそろそろ野営の準備に入ろうかとした所で子供が一人馬車の前で転んでしまい怪我をする。
目の前で転んだ為ファリンが手伝い立ち上がらせ、ロイが治癒魔術をかけるとそれを見ていたスラムの大人達がわらわらと集まり、結果的にロイの即席治療所が出来上がってしまった。
それもありロイ一行はスラムとはいえ好意的に向かい入れられて特にトラブル無いどころか、突然出て来たビックホーンの集団が向かって来ていたのをファリンが嬉々として狩ってしまい、それをスラムの人達に渡した事で誰もが一行に感謝してしまう事となってしまった。
翌朝、惜しまれながら一泊した場所を離れネルサーム外周を進み出し迂回がもう終わりそうな午後に前日のお礼参りが待っていた。
ロイ「ええっと、何故私達はあなた方に囲まれているのかを説明して頂けますか?」
警備隊隊長思われる人物がロイ一行に対し近寄って来る。
とりあえずロイが絶対防壁魔法を素早く展開し、隊長と思われる人物は防壁の前で立ち止まる。
隊長「貴様達には昨日我が隊員に対し、事情聴取拒否及びに荷物検査拒否並びに隊員への暴行容疑での逮捕命令が出ておる、素直に我らに従い簡易裁判へに出頭せよ」
ロイ「事情聴取という恐喝と荷物検査の代わりの姦通要求ではないんですか?」
ロイが大きな声で隊長に返事をする。
隊長「我がネルサーム警備隊にそんな要求をする隊員は居ない!、侮辱行為も追加で課すぞ」
馬車の荷台でワナワナと怒りを抑えるファリンがロイに問いかける。
ファリン「殺って良いかな?、殺って良いよね?、殺ってしまおう・・・」
ファリンを何とか抑えようと必死にロイが引き留める。
隊長「何をしておる、早くこの防壁を解き我らに従い着いて来い」
ロイ「昨日は私たちは被害者ですよ?、迂回しただけでならず者扱いし、更に見逃す為に我が妻に隊員の相手をさせろと要求して来たのは無理な要求をしてきたのはそちらですよ?」
ファリンがロイからの【妻】という言葉を言いて照れながら体をウネウネさせて喜んでいる。
ファリン「んもう、ロイったら妻だなんて・・・」
隊長が何やら喚いているのだが、ファリンがロイとイチャつき始める。
隊長「もういい、貴様らを逮捕する!、こいつらを捕らえよ!」
メア《もう、うるさいなぁ・・・》
起き抜けのメアが警備隊全員に幻覚魔法を仕掛けてうるさかった隊長含め囲っていた隊員達を全てその場でのたうち回っている。
ロイ「あ~あ、メアが起きちゃったか・・・」
ファリン「メア、何時にもまして怒ってない?」
メア《僕の大切なファリンの体を差し出せとか言ってるのが聞こえたから何時もより1・5倍の幻覚を掛けておいたよ!」
かわいい尻尾を床にバシバシ叩きつけながら怒っているメア。
そんな自分の替わりに怒ってくれたメアがかわいいと思うファリンだった。
のたうち回る警備隊を尻目にその場を後にしたロイ一行だったが、そのまますんなり元の旅路へと戻れる事なく、次の町へ繋がる街道でまたもや絡まれる?事となる。
初老の男性「申し訳ありません、元ローエンス王国第二王女様のファリン様でございましょうか?」
今度はしっかりと礼儀を持って接してきたので、こちらも話を聞く為に一旦停止しそれなりの対応をすることした。
ファリン「確かに、私は元ローエンス王国第二王女ファリンですが、貴方はどちらさまでしょうか?」
初老の男性「私はネルサーム領事館、領主補佐のリッツバーグと申します」
ファリン「領主補佐の方が今更何の用事かしら?」
リッツバーグ「昨日からの非礼をお詫びしたく、領主様が是非に一度領事館へお越し頂けないかとの事でこちらでお待ちしておりました」
非礼を受けるに領事館へ戻るとなるともう一日ネルサームに滞在する事になる、只でさえここへ来るまでにのらりくらりと時間が掛かっているのを気にしていたファリンが迷っている。
ロイ《どうせ受けてもろくでもないでしょうし、断って先に行きましょう》
その通話がファリンを後押しする。
ファリン「謝罪は要らないわ、私達も非礼で返しているから、それよりももう少し警備隊の教育をしっかりした方が良いわね、初めてよあんな非礼を受けたのは」
リッツバーグ「分かりました、ファリン様のお心感謝したします」
リッツバーグがファリンに一礼し、ロイ達が馬車を進める。
それを見送りネルサームへ戻っていくリッツバーグ一行。
ファリン「後ろ着いてきてる?」
ニール《離れて三人着いて来てますね》
メア《一人、森に入った?》
ロイ「しばらく、様子見ましょう、夜に来そうならしっかりと対応するので」
次の朝、街道を通り掛かった商人が体中に無数の痣を着けられ覆面以外付けてない男三人が木に縛られているのを見つけ、ネルサームの門番に通報された。
無論、如何にもその怪しい格好と意味不明な言動をうわ言の様につぶやいていて尋問等が出来ず、背後関係がつかめずその三人は人知れずネルサームから見なくなった。
のちにファリンが唐突に「あいつらに落書きしとけばよかった」と不意につぶやき思わずロイが「追い打ちしたら可哀想」と突っ込んでいたのをメアが聞いていた。
まだまだノークアミスまで時間掛かりそうです・・・




