小さな彼女
「結衣お前、今日も来たのか…………」
「うん!だめ?あそぼぅ?あっちは怖いし、嫌だよ」
「何でだ、プレゼントだって沢山もらえるし、美味いもんもいっぱいあるだろ」
「そうだけど…………全部桜子の物だから食べちゃ駄目だし、プレゼントも全部桜子のだよ?」
「んなわけないだろ…………うちの一族だって二つずつ同じ贈り物を用意していたはずだ。俺の兄の耀がちゃんと渡したはず」
「あのキラキラしたお兄さん?うーん、でも、全部まとめて桜子が管理するからって言って…………でも大丈夫、別にいらないから」
男の子は目を見開いて私を見てフリーズした。
「何故だ…………今回は無理してでも揃えたはず……やはり他族の贈り物の方がよかったか?」
「え?ううん?ほかの動物お兄さん達のプレゼントだって何が入ってたかも知らないし…………大丈夫、桜子の物を欲しがったりしないよ?」
「………………」
1週間の滞在で、毎日抜け出しては男の子の元へと通った。純粋に悪意なく遊んでもらった事のない私はかまってもらえる事が嬉しくて嬉しくて。
結構年上のお兄さんだったはずなのに、沢山遊んでくれた。一緒に泥団子も作ってくれたし、かくれんぼもしてくれた。背中に黒い羽が生えていて高い木の上に連れて行ってくれた。
5日目ぐらいだっただろうか、毎日のお茶会をキャンセルする私を不審に思ったのか部屋にいない事がバレてお兄さん達が探しに来た事があった。
「おかしいな、匂いが辿れない。部屋に戻ったのかな?」
耀さんがキョロキョロと当たりを見回すのを木の上から眺めてくすくすと笑い合う。
「姉さんは貴方達が怖いんですって!そっとしておいてあげて?」
桜子が言う。片手を笹音さんに、もう片手を恭さんと繋いで満足そう。
「結衣おまえ、あいつらが怖いのか?」
よくわからない術で小さな結界を私達の周りに出したお兄ちゃんが笑いながら言う。
この結界のおかげで、声も気配も届かないみたいだ。
「?そんな事ないよ??お話ししたら駄目っていわれてるから話さないけど…………」
「まぁそうだろうな。耀は分かってるみたいだが……優柔不断だな。我が兄上ながら」
「??」
「なんでもないよ、ほらあいつら帰ったぞ」
「ん!!今日はおままごとしたい!!結衣、お姫様ね!」
「じゃあ俺、庭の石な」
「ええ~~~王子様がいい!お兄ちゃん王子様みたいだし!」
「どこがだよ俺は石で結構だ」
「むーーーーー」




